DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  5月7日 キアタイガース−ヒーローズ(ソウル・木洞野球場)

 2009年は2年目のシーズンを迎えたヒーローズ。新興球団、そして首都ソウルの第3球団ということもあり、人気球団への道を歩んでいるとは言いがたく、集客はビジターチームのファン頼みという側面が強いですが、本拠地の木洞野球場は収容人数1万4000人と、同じソウルの蚕室野球場と比べて小ぢんまりとしていて、ファンと選手の距離が近いのが魅力です。



 球場の売店などの施設は、2008年と大きな変化はありませんでした。しかし、ユニフォームなどを売っていたグッズショップがなくなり、普通の売店になっていました。いくらファンが少ないとはいえ…

 バックネット裏の席は、他の球場と同じようにテーブル席です。


 ホームの3塁側内野席には、近隣の木洞(モクトン)地域の団地住民優先の一帯が。近所のアパート団地の住民の一部は、ヒーローズの試合を無料観戦できるようになっているそうです。外野席のない野外球場ですし、騒音問題もあるのでこういうサービスをしなくてはならないのかもしれませんが。


 選手たちは練習を終え、18時半にいよいよプレーボール。


 この日も3塁側のヒーローズ応援席より、1塁側のキア応援席のほうが盛り上がっていました。この2日前の5月5日のこどもの日も、この球場も他球場と同じく満員でしたが、8割方はキアファンだったそうです。 



 ヒーローズの人気者といえば、あごが特徴のマスコット「トクトリ」でしょう。
 試合中は3塁側だけでなく、1塁側のビジター応援席にも現れてファンたちに愛想をふりまいています。
 中の人は高校まで野球をやっていて、試合前にはフリーバッティングで豪快な(?)当たりを連発していました。マウンドで打撃投手をやっていたキアのコーチにボールを投げつけられ、場内の笑いを誘っていました。

 また、この頃トクトリは、兄貴分に当たるあごが長いことで有名なロッテのチョ・ソンファン選手の回復を願うシールをヘルメットに張っていました。チョ・ソンファンは4月末の試合中頭部に死球を受け骨折し、戦線を離脱していました。最近は6月2日にあごを骨折し長期戦線離脱となったトゥサンのイ・ジョンウク選手の回復を祈っているそうです。


 さて、試合はキア打線が爆発し、10−3でキアが大勝しました。


(キアファンたちが歌う「木浦の涙」の歌詞。)


 ソウルの繁華街からはやや遠く、最寄り駅の地下鉄5号線・梧木橋(オモッキョ)駅からも少し距離があるだけでなく、蚕室野球場と比べてすべての面で見劣りがするため、ちょっと足を運ぶのがためらわれるような木洞野球場ですが、のんびりとしたムードで野球観戦するには最適な球場です。これで地元住民を中心としたヒーローズファンが増え、3塁側がもう少し賑やかになればいいのですけど。
 また、この野球場では時折高校野球などのアマチュア野球の全国大会も開催されますので、ご興味のある方は是非観戦されてはいかがでしょうか。

注 : 6月12日開通予定のソウル地下鉄9号線・新木洞(シンモクトン)駅からは徒歩15−20分ほどで木洞野球場に到着します。(9号線は7月末に開業が延期されました。)

(文責 : ふるりん