DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2次ラウンド、3度目の日本戦に勝利し2大会連続準決勝進出決定  

日本 1−4 韓国  (米国カリフォルニア州サンディエゴ、ペトコパーク
(勝)ポン・ジュングン 2勝   (セーブ)イム・チャンヨン 2S  (敗)ダルビッシュ 1勝1敗

 2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)2次ラウンドに進出した韓国代表は韓国時間18日(現地時間17日)、準決勝進出をかけて宿敵・日本代表と今大会3度目の対戦を迎えた。韓国代表の先発は1次ラウンドの1位決定戦・日本戦(9日)で先発し好投したポン・ジュングン(LG)、日本代表の先発はエース格の一人ダルビッシュ(北海道日本ハム)だった。韓国代表は16日のメキシコ戦とはだいぶ打順を入れ替え、これまで不動の一番打者だったイ・ジョンウク(トゥサン)ではなく、メキシコ戦で好調だったイ・ヨンギュ(キア)を1番に起用した。またここまで目立った活躍のできていない唯一のメジャーリーガー、チュ・シンス(クリーブランドインディアンス)を5番指名打者で先発起用した。

 日本は1回表、3番青木(東京ヤクルト)が2死から四球を選んだが、ポン・ジュングンは4番村田(横浜)を打ち取った。韓国は1回裏ダルビッシュの立ち上がりを捉え、1番イ・ヨンギュがヒットで出塁すると、2番チョン・グヌ(SK)の打席で果敢に2塁へ盗塁した。チョン・グヌはセカンドでの内野安打で1,3塁とチャンスが拡大し、3番キム・ヒョンス(トゥサン)は内野ゴロを打ったが2塁へベースカバーに入ったショートの片岡(埼玉西武)がセカンドの岩村(タンパベイレイズ)の送球をこぼしてしまい、韓国が1点を先制した。次の4番キム・テギュン(ハンファ)は四球で歩き満塁となり、1死後6番イ・ジニョン(SK)が高いバウンドで三遊間を抜くタイムリーを打ち、2点を追加した。
 日本は2回表先頭の5番小笠原(元読売)が四球で歩いたが、後続の3人が凡退した。3回表にも先頭の9番岩村が四球で歩いたが、1死後2番片岡が併殺に倒れた。韓国は2回以降ダルビッシュの前から4番キム・テギュンが3回裏ヒット1本を打つのがやっとで、完全に抑えられた。日本は4回表村田が死球を受け、小笠原のヒットで1死1,2塁となったが、6番内川(横浜)が併殺に倒れ、またもやチャンスを逃した。
 日本は制球が悪く前回対戦したときより調子の劣るポン・ジュングンを攻略し切れなかったが、5回表7番福留(シカゴカブス)、8番城島(シアトルマリナーズ)の連打で無死1,2塁とチャンスを作った。岩村の内野ゴロの間に1,3塁となった日本は、1番イチロー(シアトルマリナーズ)の内野ゴロの間に1点を返した。韓国は堅実にアウトを取っていく守備でこの場面を何とか1点に抑えた。

 ポン・ジュングンは6回表1死を取ったところで、2番手ユン・ソンミン(キア)に交代した。日本はユン・ソンミンから村田がヒットで出塁したが、後続の2人が続かなかった。韓国は6回裏2死からチュ・シンスに代わり代打イ・デホ(ロッテ)を送り、日本はここで2番手山口(読売)に代わり3番手渡辺(千葉ロッテ)に交代した。イ・デホ、イ・ジニョンは渡辺から連続で四球を選んだが、7番イ・ボムホ(ハンファ)が打ち取られ追加点はならなかった。
 日本は7回表ユン・ソンミンから2死後岩村がヒットで出塁したが、イチローが打ち取られまたもや進塁させられなかった。なお、この回見逃し三振に倒れたが打席にバットを置いたままベンチに帰った城島が、審判への判定に不服だとされて退場処分になった。日本は8回表2死から村田がヒットで出塁したが、ここで3番手キム・グァンヒョン(SK)が登板した。キム・グァンヒョンは小笠原を三振に切って取り、見事期待に応えた。

 韓国は8回裏日本の4番手涌井(埼玉西武)から先頭の途中出場のコ・ヨンミン(トゥサン)が四球で歩くと、途中出場の3番イ・ジョンウク(トゥサン)がバントで2塁へ送った。続くキム・テギュンは敬遠され、途中出場のイ・テックン(ヒーローズ)の内野ゴロの間に走者は2,3塁へ進塁した。ここで日本は5番手岩田(阪神)を登板させるが、イ・ジニョン、イ・ボムホに連続で四球を与えてしまい、押し出しで韓国が貴重な1点を追加した。さらに2死満塁の場面が続いたが、8番パク・キョンワン(SK)は日本の6番手田中(東北楽天)の前に三振に倒れた。
 日本は9回表、先頭の途中出場の6番稲葉(北海道日本ハム)がキム・グァンヒョンからヒットで出塁したが、ここで福留の一塁線への鋭い当たりをファーストのキム・テギュンが取り、1アウトを取っただけで走者は2塁へ進む。ここで韓国は守護神イム・チャンヨン(東京ヤクルト)を送り、途中出場の8番阿部(読売)を外野フライに打ち取り、岩村を三振に切って取り、韓国が4−1で日本に勝利し、2大会連続の準決勝進出を決めた。

 韓国は2大会連続で韓国代表を率いるキム・インシク監督(ハンファ)の選手起用と作戦が見事に当たり、ダルビッシュの立ち上がりを攻め足でかき回し、初回に一気に3点をもぎ取った。また制球がやや悪く絶好調とは言えないポン・ジュングンを最後まで信頼し、堅実な守備で少ないリードを確実に守った。また1次ラウンドの日本戦でノックアウトされ、自信を喪失しかけていたキム・グァンヒョンも登板させ、少しずつ状態を回復させ準決勝以降の切り札として使えるようにもしておいた。

 韓国は今後韓国時間20日(現地時間19日)、敗者復活戦日本−キューバ(韓国時間19日12時)の勝者と2次ラウンドの1位決定戦の勝者と、2次ラウンド1組の1位決定戦を行う。なお、2次ラウンド2組ではベネズエラアメリカが準決勝進出を決めていて(順位は韓国時間20日に決定)、どちらと対戦するかは1位決定戦の結果次第となる。