DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  強打者シム・ジョンス、突如引退を表明

 サムソンは17日、強打者として知られるシム・ジョンス外野手(33)が突如引退する意思を表明したことを発表した。

 シム・ジョンスは1994年高校卒業後OB(現トゥサン)に入団し、強打の外野手として95年に頭角を現し、116試合に出場、21本塁打を打った。体重100kgの巨漢となり、圧倒的な長打力を見せ始めると、怪力にちなんで「ヘラクレス」のニックネームがつくようになった。1999年には打率.335、31本塁打、110打点を記録し、キム・ドンジュ、タイロン・ウッズ(元中日)と最強クリーンアップを形成し、トゥサンの看板選手の一人となった。2000年も29本塁打を記録したが、01年の開幕前にシム・ジェバク(引退)とのトレードで現代へ移籍した。
 2002年には46本塁打、119打点を記録し、イ・スンヨプ(当時サムソン)とし烈な本塁打王争いを繰り広げたが、惜しくも1本差で敗れた。翌03年はイ・スンヨプがシーズン本塁打数の年間記録を更新する56本塁打を打つ大フィーバーがあったが、シム・ジョンスも本塁打数2位の53本塁打、142打点を記録し、その引き立て役となり、現代の韓国シリーズ優勝にも貢献した。イ・スンヨプは翌04年に日本プロ野球へ進出し、2年連続で「第2の男」だったシム・ジョンスの天下が到来するかに思われたが、この年は体の故障に悩まされ22本塁打どまりで、本塁打王の座につくことはできなかった。
 2004年オフ、経営難に陥り始めていた現代から、4年総額最大60億ウォンの超大型契約でサムソンに移籍し、球界最高年俸7億5000万ウォンの主砲としての活躍が期待された。05年には28本塁打、87打点を記録しチームの韓国シリーズ優勝にも貢献したが、打撃タイトルは取れず年俸に見合った働きとは言いがたかった。この頃から肩とひざの深刻な故障に悩まされるようになり、06年はオフに受けた手術からの回復が遅れ、わずか26試合の出場に終わり、たったの1本塁打に終わった。復活をかけた07年は31本塁打、101打点を記録し、自身初の本塁打王打点王の2冠王と打撃タイトルをようやっと手にした。
 今季は4月末に不振で2軍に降格され、5月に左ひざの手術を受け回復が思わしくなく、4月24日のトゥサン戦を最後に1軍出場はなかった。今季の成績は22試合に出場、打率.235、3本塁打、7打点、0盗塁だった。そしてサムソンとの4年契約が切れるオフになり、相次ぐ故障で体が元通りにならずこれ以上野球を続けるのが難しいと判断し、33歳で早くも引退を決意した。07年の2冠王がプロ生活最後の一花だったといえよう。プロ15年間の通算成績は1450試合に出場、打率.287、1451安打、328本塁打(歴代3位)、1029打点(歴代3位)、43盗塁。

 なお、今回の引退に関して、シム・ジョンス本人は最近サムソンの一部の選手による違法バカラ賭博とは関係がない、と述べている。引退後の進路は現時点では未定。


【トゥサン時代のシム・ジョンス(左)。中央はキム・ドンジュ、右はタイロン・ウッズ。】