DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2006年シーズン展望

 今季の韓国プロ野球も、昨季の覇者サムソンを中心に動くのは間違いがない。主砲のシム・ジョンスは昨年秋に手術を受けた右肩の回復が遅れ、示範競技(オープン戦に相当)には出場したものの、開幕1軍からは外れた。だが昨季は不振だったベテランのヤン・ジュンヒョク、若き大型内野手チョ・ドンチャン、WBCでは再三の好守備で活躍したパク・チンマン、外野の要パク・ハニなど、去年同様タレントがそろっている。
 投手陣はかつてエースとして君臨したイム・チャンヨンが昨年秋ひじの手術を受け今季の登板は微妙だが、WBCに出場したエースのペ・ヨンス、昨季の新人王の守護神オ・スンファンが健在だ。またクォン・オジュン、パク・ソクチンらの中継ぎ陣もソン・ドンヨル監督の信頼が厚い。また投打ともに控え選手も含め選手層の厚さは8球団1である。
 対抗はWBC韓国代表キム・インシク監督が率いるハンファだと予想する。打線はWBCにも出場したキム・テギュンイ・ボムホ、ハンファ一筋7年目の外国人デービス、LGから移籍した新外国人コリアーなど、8球団1の破壊力を誇る。投手陣がやや弱いが、今季史上初の通算200勝まであと7つと迫ったベテラン左腕ソン・ジヌ、昨季9勝と復活したチョン・ミンチョル(元読売)やムン・ドンファンなどの先発陣に、WBCでリリーフとして大活躍したク・デソン(元オリックス)が米大リーグ・メッツから古巣へ6年ぶりに復帰した。もう少し若手投手の台頭があれば、強力投手陣が形成される。昨季注目され2勝をあげた韓国2年目のチョ・ソンミン(元読売)が、どれだけやれるかも見ものだ。
 SKも優勝戦線に絡んでくるであろう。打線はWBCの日本戦で2度も大ファインプレーを見せた外野のイ・ジニョンだけでなく、走攻守そろった大型外野手パク・チェホン、チャンスに強いDHキム・ジェヒョン、示範競技首位打者の新外国人塩谷(元オリックス)、猛一人の新外国人打者ピッカリングも活躍しそうだ。特に塩谷は史上初の日本人野手(在日韓国人は除く)として大きく注目されている。投手も昨季台頭した右サイドハンドのシン・スンヒョン、ベテランのキム・ウォンヒョンなどの先発陣に、2004年14勝したかつての左腕エースのイ・スンホが復活すれば磐石だ。抑えはWBCに出場した右アンダースローのチョン・デヒョンなどが務めると予想され、中継ぎ陣の頭数もそろっている。球団史上初の韓国シリーズ制覇も夢ではない。
 昨季キム・ギョンムン監督の指揮のもとチーム一丸となって韓国シリーズに進出したトゥサンは、今季も手堅い試合運びを見せると思われる。主砲のキム・ドンジュがWBCでの負傷で前半戦絶望となったのはあまりにも大きいが、WBCに出場した捕手ホン・ソンフン、ベテランのアン・ギョンヒョンやチャン・ウォンジンなどがつなぐ打線で効率よく点を取るであろう。エースのパク・ミョンファンが開幕1軍からはずれたが、昨季キアから移籍し優勝争いに貢献した外国人投手リオス、韓国2年目のランデル(元読売)らが控えている。抑えはWBCにも出場した昨季のセーブ王チョン・ジェフンがつとめ、中継ぎ陣は昨季のホールド王イ・ジェウが兵役についてしまったものの、キム・ソンベなどが健在で大きな不安はない。今年まだ19歳の若手投手キム・ミョンジェに期待がかかる。
 昨季序盤快進撃でプロ野球人気を支えたロッテは、6年ぶりに復帰した新外国人ホセ(今年41歳)、マイローのバットに期待がかかる。2人とも示範競技が絶好調だった。球界一のお祭り男で快足の外野手チョン・スグン、若き大砲のイ・デホなども健在だ。だが昨季最多勝とMVPに輝いたエースのソン・ミンハンが盲腸で入院し復帰は5月となり、抑えとして期待していたノ・ジャンジンも復帰のめどが立たないなど、投手陣には大きな不安を抱える。キム・スファ、チャン・ウォンジュンや高卒ルーキーながら1軍登録されたナ・スンヒョンら若手投手の成長が期待される。
 昨季まで3年連続6位と優勝戦線にからんでいないLGは、示範競技を首位で終え上昇ムードにある。打線はキアから移籍したマ・ヘヨンが中軸に座り、これにWBCに出場した昨季の首位打者イ・ビョンギュ盗塁王パク・ヨンテクの外野のコンビが十分に働けば、強力打線が形成される。WBCに出場したが昨季は不振だった捕手チョ・インソンの復活にも期待したい。投手陣では昨季不振だった左腕イ・スンホ、チーム最多勝だったベテランのチェ・ウォンホが今季も先発の軸となる。抑えを予定していた新外国人アイバーが故障で示範競技に投げられず、もう一人の新外国人投手テレマコも今ひとつ調子が上がらないなど、今季も外国人選手に泣かされるかもしれない。
 昨季は序盤から連敗を重ね、球団史上初の最下位となったキアは最悪の状態は脱したように思える。WBCで韓国の快進撃に貢献した主将イ・ジョンボム(元中日)、左の好打者チャン・ソンホ、強打のショートのホン・セワンなどが健在だ。これに新外国人サーブネックが加わった打線は他球団に引けをとらない。だがWBCに出場した正二塁手キム・ジョングクが肩の故障で開幕1軍から外れた。投手陣では超大型ルーキーのハン・ギジュが注目され、開幕1軍に登録された。示範競技では打ち込まれたが、今後の成長に期待したい。他の先発投手では故障がちのかつての新人王キム・ジヌに注目したい。抑えはWBCに出場した若手の左腕チョン・ビョンドゥや、LGから移籍したチャン・ムンソクが務めるであろう。
 2004年の覇者となったが、シム・ジョンスとパク・チンマンらの主力が抜けた昨季は一転7位に低迷した現代は今季も厳しい戦いを強いられそうだ。昨季チームを支えた外国人投手キャラウェイ、昨季の本塁打と打点の二冠王サットンの調子が上がらない。長年チームを支えたベテランのイ・スンヨンやチョン・ジュンホ(通算盗塁記録保持者)、WBCにも出場した内野手チョン・ソンフン、外野手ソン・ジマンに期待するしかない。投手陣ではかつてのエースのチョン・ミンテ(元読売)、かつての新人王オ・ジェヨンらに復活のめどが立たず、ルーキーのチャン・ウォンサムなどの台頭に期待するしかない。抑えのチョ・ヨンジュンも昨年秋の手術の影響で状態は万全ではない。
 
 公式戦126試合を戦い終えて、準プレーオフプレーオフ、韓国シリーズなどポストシーズンへ進出できる上位4チームの椅子をめぐる争いが、例年になく熱戦となることを期待する。私見だが公式戦の順位予想は、1位サムソン、2位ハンファ、3位SK、4位トゥサン、5位LG、6位キア、7位ロッテ、8位現代としておく。
  
(文責:ふるりん