2007,08年と韓国シリーズを2連覇し、黄金時代を築きつつある王者ＳＫ。2009年シーズンもキム・ソングン監督の指揮のもと、ヘテ(現キア)以来となる史上2チーム目の韓国シリーズ3連覇を目指す。投打ともに選手層が他球団より厚く、若手の起用も活発なため、3連覇は決して不可能な目標ではなく、優勝争いの中心となることであろう。
【投手陣】
（先発）
◎△キム・グァンヒョン、チェ・ビョンニョン、ジョンソン、△二コースキー、ソン・ウンボム、
（中継ぎ）
キム・ウォンヒョン、△チョン・ウラム、◎△イ・スンホ(背番号20)、パク・ヒョンジュン、ヨ・ゴヌク、△カ・ドゥギョム、チョ・ウンチョン、△イ・スンホ(背番号37)
（抑え）
◎チョン・デヒョン
注：◎は2009年WBC韓国代表、△は左腕
質量ともに他球団を圧倒する投手陣が2009年も見られそうだ。2008年最多勝、シーズンMVPと大車輪の活躍だった若きエース、キム・グァンヒョンがこれまでの疲労もあったかWBCでは不調で、レギュラーシーズンでの活躍が不安視されているが、まだ20歳と若いため更なる成長のための試練ととらえたい。キム・グァンヒョンが2008年ほどの活躍が見込めないとなると、2008年台湾プロ野球で20勝と活躍し、4年ぶりに韓国へ戻った新外国人ジョンソン（元大阪近鉄）への依存が高まる。もう1人の新外国人左腕ニコースキー(元福岡ソフトバンク)も先発での起用が予想されるが、これまで日本、米国での実績を考えると中継ぎで起用してもいい。
リリーフ陣は2009年も左右のバラエティに富んでいる。ただし、カ・ドゥギョム、チョ・ウンチョンのベテラン勢に代わり、パク・ヒョンジュン、ヨ・ゴヌクなどの新人の台頭に期待したい。ややこしいのは、2008年LGへFA移籍したイ・ジニョンの人的補償として、かつてＬＧの左腕エースだったイ・スンホ(背番号37)が移籍し、同姓同名の選手が2人在籍することになった点だ。2008年長年のリハビリ生活から中継ぎとして復活したイ・スンホ(背番号20)、新天地で復活をかけるイ・スンホ(背番号37)のどちらかを先発として起用しても面白い。また2008年右のリリーフで活躍したユン・ギルヒョンが、オフに手術を受け開幕に間に合わないのが痛いところだ。
2009年も先発が長いイニングを投げられなくとも、豊富なリリーフ陣で試合を作り、リードを奪ったらアンダースローの守護神、チョン・デヒョンへとつなぐ必勝リレーが見られそうだ。
【打撃陣】
（ベストオーダー）
１．チョン・グヌ（二） ◎
２．チョ・ドンファ（中） △
３．キム・ジェヒョン（指） △
４．イ・ホジュン（一）
５．チェ・ジョン（三） ◎
６．パク・チェホン（右）
７．パク・チェサン（左） △
８．パク・キョンワン（捕）◎
９．ナ・ジュファン（二）
（控え）
イ・ジェウォン、△パク・チョングォン、アン・ギョンヒョン、キム・ガンミン、モ・チャンミン、パク・チョンファン、チョン・サンホ
注 ： ◎はWBC韓国代表、△は左打者。
ＳＫ打線の特徴は多彩な日替わりオーダーである。キム・ソングン監督がそのときの選手の状態や、相手の先発によってオーダーを替え、他球団にマークを絞らせなかった。これも選手層の厚さがなせる業である。オフに生え抜きの主力外野手イ・ジニョンがFAでLGへ移籍し、攻撃力低下が懸念されているが、2008年は故障でほとんど活躍できなかったかつての主砲イ・ホジュンが、示範競技で好調を維持し、復活の気配を見せているのが大きい。
本塁打王争いのタイトルに絡むような長打力のある選手は少ないが、チョン・グヌ、チョ・ドンファ、チェ・ジョンなど機動力のある選手がそろい、上位から下位まで切れ目のない打線となっている。またイ・ジェウォン、モ・チャンミンのような次代のレギュラー候補も控え、トゥサンを退団したベテランのアン・ギョンヒョンの補強など、選手層の底上げにも余念がない。
韓国シリーズ2連覇により、2000年球団創設と比較的歴史は浅いが、本拠地・仁川の野球ファンたちに愛されるようになった王者ＳＫ。見事3連覇を達成し、韓国の球史にその名を残すことができるであろうか。
【本拠地】 仁川・文鶴野球場
2002年に開場した、総天然芝の美しい野球場。2007年から「Spo-tainment」のキャッチフレーズを掲げ、球場のテーマパーク化を進め、球場内の通路には子供のための遊戯施設もある。周囲はソウル首都圏の新興住宅地であり、子供連れのファミリー層をターゲットとしているためである。
［交通アクセス］
仁川地下鉄1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅から徒歩5分。
ソウル駅からは仁川方面への首都圏電鉄線の電車に乗り、富平(プピョン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換えて1時間程度で到着。仁川国際空港からは、空港鉄道(A`REX)に乗り桂陽(ケェヤン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換え、1時間程度で到着。ソウル・金浦(キムポ)空港からも空港鉄道と仁川地下鉄1号線で行くことができ、所要時間45分程度。
また、国内各都市から近くの仁川総合バスターミナルまで高速バスの便があり、同ターミナルから文鶴競技場駅までは仁川地下鉄1号線で1駅しか離れていないため、大田や光州などの地方都市を訪れた後にも観戦しやすい球場である。ただし球場周辺には食堂などはなく、観戦後食事をする場合はバスターミナル付近まで行く必要がある。
（文責 ： ふるりん）
