DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2020年保留選手名簿発表 除外された選手は退団へ

 KBO(韓国野球委員会)は11月30日、2020年の保留選手名簿528名を発表した。この選手たちは2020年の再契約対象者となる。なお、保留選手名簿から除外された71名の選手は2019年限りで自由契約となり退団となった。なおこの中にはすでに現役引退を表明した選手も含まれている。

 

【2020年保留選手名簿から外れた主な選手】

(※は外国人選手)

トゥサン : ペ・ヨンスチェ・デソンホン・サンサムホ・ジュンヒョク、※ フランコ(以上投手)

キウム : キム・ジス内野手

SK : パク・チョンベチェ・ビョンニョン、※ ソーサ(以上投手)、パク・チョングォンチェ・スンジュン(以上内野手)、ペ・ヨンソプユン・ジョンウ(以上外野手)

LG : キム・ジョンフリュ・ジェグクシム・スチャンイ・ドンヒョンチャン・ウォンサム(以上投手)、チョン・サンホ(捕手)、キム・ジェユルユン・ジンホ(以上内野手

NC : ミン・テホユ・ウォンサンユン・ジウン、※ フリードリック(以上投手)、キム・ジンヒョンソン・シホン(以上内野手)、※ スモリンスキー(外野手)

KT : ※ アルカンタラ(投手)、イ・デヒョン(外野手)

キア : ※ ウィーランド、※ ターナー(以上投手)、ユン・ヘジンホン・ジェホ内野手)、イ・インヘン(外野手)

サムソン : ハン・ギジュ(投手)、ソン・ジュイン内野手)、ファン・ソンド、※ ウィリアムソン(以上外野手)

ハンファ : チェ・ユンソク内野手

ロッテ : パク・クンホンユン・ギルヒョン、※ ダイクソーン(以上投手)、キム・サフン(捕手)、ファン・ジンス、※ ウィルソン(以上内野手)、キム・ムンホチョ・ホンソク(以上外野手)

 

 保留選手名簿から除外された選手のうち、2019年シーズン時点で現役最多勝で韓国シリーズ第4戦で延長10回裏に登板し、トゥサンの優勝に貢献したペ・ヨンス(38)は2019年シーズン、38試合に登板、1勝2敗、防御率4.57の成績も現役を引退することになった。プロ20年間の通算成績は499試合に登板、138勝122敗3セーブ7ホールド、防御率4.46。また2008年北京オリンピックに韓国代表として出場したハン・ギジュ(32)も現役を引退する。2019年シーズンは一軍登板がなく、プロ13年間の通算成績は272試合に登板、26勝32敗71セーブ12ホールド、防御率3.89。ほかにもキム・ジス(キウム)、チェ・ビョンニョン、パク・チョングォン(以上SK)、ユン・ジンホ(LG)なども現役を引退しコーチへ転身する。またリュ・ジェグク、シム・スチャン、イ・ドンヒョン(以上LG)、ソン・シホン(NC)、ソン・ジュイン(サムソン)も現役引退を表明した。そのうちシム・スチャン(38)のプロ16年間の通算成績は390試合に登板、42勝68敗14セーブ24ホールド、防御率5.37。ソン・ジュイン(36)のプロ18年間の通算成績は1007試合に出場、打率.269、635安打、21本塁打、232打点、29盗塁。

 また2011年の新人王で2019年よりサムソンからSKに移籍するも出場機会が少なかったペ・ヨンソプ、2012年の最多勝投手で2019年よりサムソンからLGへ移籍するも同じく出場機会の少なかったチャン・ウォンサム、2015年シーズンオフにFA(フリーエージェント)でSKからLGへ移籍するも出場機会が少なかったチョン・サンホ、LG時代は中継ぎとして活躍したユ・ウォンサン、2019年シーズン終了時点で現役選手最多の個人通算437盗塁を記録したイ・デヒョン、2015年シーズンオフにFAでSKから移籍し中継ぎとして活躍したユン・ギルヒョンなども保留選手名簿から外れ、次の所属先を探すことになった。そのうちチャン・ウォンサムはロッテとの契約が報じられる。

 2019年シーズン終了時点で契約していた外国人選手では、2018年の最多勝投手フランコフ(△22試合・9勝8敗・防御率3.61)、6月に台湾プロ野球・富邦から移籍し韓国に復帰した韓国8年目のソーサ(△16試合・9勝3敗・防御率3.82)、ともに2019年シーズン途中の7月にNCと契約したスモリンスキー(△55試合・打率.229・9本塁打・42打点・3盗塁)とフリードリック(△12試合・7勝4敗・防御率2.75)、韓国1年目にして2ケタ勝利を達成したアルカンタラ(△27試合・11勝11敗・防御率4.01)、ともにキアの先発投手陣の柱として期待されたターナー(△28試合・7勝13敗・防御率5.46)とウィーランド(△28試合・8勝10敗・防御率4.75)、2019年シーズン途中の7月にサムソンと契約したウィリアムソン(△40試合・打率.273・4本塁打・15打点・0盗塁)、2019年シーズン途中の6月にSKからロッテへ移籍したダイクソーン(△29試合・6勝10敗・防御率4.34)、2019年シーズン途中の6月にロッテと契約したウィルソン(△68試合・打率.251・9本塁打・37打点・1盗塁)は保留選手名簿から除外され、2020年シーズンの再契約を見送られた。

(注:△は2019年シーズンの成績)

 

(文責:ふるりん

新外国人選手ニック・キンガム投手と契約

 SKワイバーンスは11月28日、2020年シーズンの外国人選手としてニック・キンガム投手(28)と契約金20万ドル、年俸50万ドル、オプション20万ドルの総額90万ドルで契約した。

 アメリカ合衆国出身の右腕ニック・キンガムは2010年にMLB(メジャーリーグベースボール)・ピッツバーグパイレーツと契約、2018年にパイレーツで初めてメジャーリーグに昇格し18試合に登板、5勝を記録した。2019年シーズンは5月にトレードでトロントブルージェイズに移籍、パイレーツとブルージェイズの2チーム合計で25試合に登板、4勝2敗1セーブ、防御率7.28の成績だった。またブルージェイズ傘下のAAA級マイナーリーグで1試合に登板、勝敗なし、防御率22.50の成績だった。メジャーリーグでの2年間の通算成績は43試合に登板、9勝9敗1セーブ、防御率6.08。マイナーリーグでの10年間の通算成績は148試合に登板、45勝55敗、防御率3.51。

 

 2019年シーズン終了時点でSKが契約していた3人の外国人選手のうちジェイミー・ロマック内野手(34)はすでに再契約を終え、すでにSKは2020年の新外国人選手としてリカルド・ピント投手(25)と契約し、また今回ニック・キンガムとも契約したことで、ヘンリー・ソーサ投手(34)、アンヘル・サンチェス投手(30)とは再契約しない見込み。特にサンチェスは2019年シーズンにチーム最多勝タイの17勝を記録したが、自らSKとの再契約を望まなかったとみられる。これでいったん2020年シーズンのSKの外国人選手枠3名は埋まったことになる。

 

(11月28日時点の為替レート:10万ドルが1094万4000円。)

 

(文責:ふるりん

FAチョン・ウラム、4年総額39億ウォンでハンファと再契約

 ハンファは11月27日、2020年のFA(フリーエージェント)選手となっていたチョン・ウラム投手(34)と契約期間4年、契約金10億ウォン、年俸総額29億ウォンの総額39億ウォンで再契約した。

 左腕チョン・ウラムは高校卒業後の2004年にSKへ入団し、2005年に56試合に登板し一軍に定着した。2006年には82試合に登板するなどリリーフとして起用され続け、2008年には自己最多の85試合に登板、9勝25ホールドと最多ホールドの個人タイトルを受賞(2011年にも受賞)、SKの韓国シリーズ2連覇に貢献した。2012年には抑えとして起用され30セーブを記録、2013年から2014年までは軍へ入隊していた。2015年にSKへ復帰するもシーズンオフに初めてFAとなり、2016年よりハンファと4年契約を結んだ。ハンファでも抑えとして起用され、2018年には自己最多の35セーブで最多セーブの個人タイトルを受賞した。2019年シーズンの成績は57試合に登板、4勝3敗26セーブ、防御率1.54で、オフシーズン2度目のFAとなりハンファとの再契約を選んだ。また2015 WBSCプレミア12、2018年アジア競技大会の韓国代表としても出場し、ともに優勝にも貢献した。

 チョン・ウラムのプロ17年間の通算成績は829試合に登板、60勝36敗165セーブ129ホールド、防御率2.83。30代後半に差し掛かっての4年契約は異例で、2020年以降も当分の間ハンファのリリーフの軸として活躍が期待される。

 

(11月27日の為替レート:1億ウォンが927万4300円。)

 

(文責:ふるりん

2019年レギュラーシーズンMVP(最優秀選手)はリンドブロム(トゥサン)、新人王はチョン・ウヨン(LG)

 11月25日、ソウル市内のコエックスモールの会場で2019年シーズンの個人タイトルの授賞式が行われ、レギュラーシーズンMVP(最優秀選手)にジョシュ・リンドブロム投手(トゥサン)、新人王(最優秀新人)にチョン・ウヨン投手(LG)がそれぞれ選ばれた。

 MVPを受賞したアメリカ合衆国出身の外国人選手リンドブロムは2015年にロッテと契約し、2016年にいったん退団したが2017年シーズン途中の7月にロッテへ復帰した。2018年よりトゥサンと契約し15勝を記録、2019年シーズンは30試合に登板し20勝3敗、防御率2.50の成績で最多勝最多奪三振(189)の個人タイトルを受賞、トゥサンの3年ぶりの韓国シリーズ優勝に貢献した。リンドブロムは880満点中716点と、ヤン・ウィジ(NC)、ヤン・ヒョンジョン(キア)と他の候補者を大きく引き離しての受賞だった。外国人選手のレギュラーシーズンMVP受賞は2016年のニッパート(トゥサン)に続いて史上5人目で、トゥサンからは2018年のキム・ジェファンと2年連続の受賞者となった。なお授賞式は都合で欠席した。

 新人王を受賞したサイドハンドの右腕チョン・ウヨンは、2019年シーズン、高卒1年目の新人ながら56試合に登板、4勝6敗1セーブ16ホールド、防御率3.72の成績で中継ぎとして活躍した。LGからの新人王は1997年のイ・ビョンギュ(元中日)以来22年ぶりで5人目。チョン・ウヨンは550満点中380点と、イ・チャンジン、チョン・サンヒョン(以上キア)と他の候補者に大差をつけての受賞となった。

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2019年シーズン新人王を受賞したチョン・ウヨンhttps://sports.news.naver.com/news.nhn?oid=469&aid=0000443143 より)。

 

(文責:ふるりん

  

ベテラン内野手ナ・ジュファン、SKからキアへ条件なしのトレード

 キアタイガーズは11月25日、SKワイバーンスよりナ・ジュファン内野手(35)を金銭や交換選手などを伴わない条件なしのトレードで獲得した。

 右打ちの内野手ナ・ジュファンは高校卒業後の2003年にトゥサンへ入団し、内野の控えとして一軍で起用された。2007年シーズン途中の5月にSKへトレードで移籍、出場機会を増やし主にショートを守り2010年まで4年連続100試合以上出場と主力に成長した。2011年から2012年まで兵役のため軍へ入隊し、除隊後の2013年よりSKに復帰した。2014年は自己最多の127試合に出場するもその後出場機会が減ったが、2017年は自己最多の19本塁打を記録し、2018年も2年連続で100試合以上に出場し、SKの4度の韓国シリーズ優勝にすべて貢献した。

 2019年シーズンは94試合の出場にとどまり、打率.222、3本塁打、20打点、1盗塁の成績だった。先日、SKから35歳という年齢もあり2020年シーズンは戦力外であることを告げられたが現役続行を希望し、内野の控えを必要としていたキアへ条件なしでトレードされることになった。キアは二塁のアン・チホン、ショートのキム・ソンビンと2人の主力内野手がFA(フリーエージェント)となり去就が未定であるため、経験が豊富なナ・ジュファンを戦力として活用したいとみられる。プロ17年間の通算成績は1423試合に出場、打率.262、83本塁打、1407打点、83盗塁。

 

(文責:ふるりん

キム・ソンフン、21歳で事故死

 ハンファイーグルスキム・ソンフン投手(21)が11月23日、光州広域市内の9階建ての建物の屋上から足を滑らせ7階のテラスに転落し事故死したと報じられている。

 1998年生まれ、右腕のキム・ソンフンは高校卒業後の2017年にハンファへ入団し、2018年に初めて一軍で登板した。2019年シーズンは15試合に登板(うち先発1試合)、0勝1敗、防御率4.84の成績だった。プロ3年間の通算成績は25試合に登板、0勝3敗、防御率4.14。ハンファとしては先発で起用したこともある期待の若手だっただけに、21歳での早すぎる死を惜しむ声が耐えない。なお、キム・ソンフンはキアのキム・ミンホコーチの子息だった。

 

(文責:ふるりん

 

 

キム・グァンヒョンのMLB挑戦を許可

 SKワイバーンスは11月22日、かねてから挑戦の意思を明らかにしていたキム・グァンヒョン投手(31)のMLB(メジャーリーグベースボール)への移籍を許可した。

 左腕キム・グァンヒョンは高校卒業後2007年にSKへ入団、新人ながらも韓国シリーズで好投しSKの初優勝に貢献した。2008年は16勝で最多勝、SKの韓国シリーズ2連覇と韓国代表では北京オリンピック優勝に貢献した。2010年にも17勝で最多勝となりSKの3度目の韓国シリーズ優勝に貢献するも、その後は体調不良などで不振に陥った。2013年に10勝を記録し復調すると、13勝を記録した2014年シーズンオフにポスティングでのMLB移籍を図ったが、入札相手のサンディエゴパドレスとの交渉が不発で移籍しなかった。

 2016年シーズン終了後にFA(フリーエージェント)となったが、ひじの手術を受けるためSKと再契約し、2017年は1試合も登板しなかった。2018年は11勝をあげSKの4度目の韓国シリーズ優勝に貢献すると、2019年シーズンは自己最多タイの17勝を記録し、11月にはWBSCプレミア12に韓国代表として出場、オープニングラウンドのカナダ戦で先発し勝利投手となるも、スーパーラウンドの台湾戦では4回途中3失点で降板し敗戦投手となってしまった。11月18日、韓国代表とともに帰国してからSKの関係者と面談し、かねてからの夢であったMLBへの挑戦が許可された。2019年シーズンまでの個人通算成績は298試合に登板、136勝77敗2ホールド、防御率3.27。今後は韓国野球委員会(KBO)とMLB側の協定に基づいて移籍が進められるとみられる。

 

(文責:ふるりん