DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

新外国人選手エイドリアン・サンプソン投手、ディクソン・マチャド内野手と契約

 ロッテジャイアンツは11月22日、2020年シーズンの外国人選手としてエイドリアン・サンプソン投手(28)と契約金33万9700ドル、年俸50万ドルの総額83万9700ドル、ディクソン・マチャド内野手(27)と契約金20万ドル、年俸30万ドル、オプション10万ドルの総額最大60万ドルで契約した。

 アメリカ合衆国出身の右腕エイドリアン・サンプソンは2012年、MLB(メジャーリーグベースボール)・ピッツバーグパイレーツと契約、2016年にシアトルマリナーズで初めてメジャーリーグに昇格した。その後テキサスレンジャースへ移籍、2019年シーズンはレンジャースで35試合に登板、6勝8敗、防御率5.89の成績だった。メジャーリーグでの3年間の通算成績は41試合に登板、6勝12敗、防御率5.71。マイナーリーグでの7年間の通算成績は146試合に登板、43勝37敗、防御率3.94。

 ベネズエラ出身の右打者ディクソン・マチャドは2009年、MLB・デトロイトタイガースと契約し、2015年に初めてタイガースでメジャーリーグに昇格した。2017年と2018年はタイガースでメジャーリーグに出場したが、2019年シーズンはシカゴカブス傘下のAAA級マイナーリーグのチームで102試合に出場、打率.261、17本塁打、65打点、9盗塁の成績だった。メジャーリーグでの4年間の通算成績は172試合に出場、打率.227、2本塁打、37打点、2盗塁。マイナーリーグでの10年間の通算成績は934試合に出場、打率.247、38本塁打、326打点、135盗塁。主に二塁とショートを守っていた。

 2019年シーズン終了時点でロッテが契約していた3人の外国人選手、ブルックス・ラリー投手、ブロック・ダイクソーン投手、ジェイコブ・ウィルソン内野手の去就は未定。

 

(11月22日時点の為替レート:10万ドルが1086万3660円。)

 

(文責:ふるりん

新外国人選手マイク・ライト投手、アーロン・アルテール外野手と契約

 NCダイノスは11月22日、2020年シーズンの外国人選手としてマイク・ライト投手(29)、アーロン・アルテール外野手(28)とともに契約金20万ドル、年俸80万ドルの総額100万ドルで契約した。

 アメリカ合衆国出身の右腕マイク・ライトは2011年、MLB(メジャーリーグベースボール)・ボルティモアオリオールズと契約、2015年にオリオールズで初めてメジャーリーグに昇格、3勝を記録した。2019年シーズンは4月にシアトルマリナーズへトレードで移籍し、オリオールズマリナーズの合計で19試合に登板、0勝1敗1セーブ、防御率7.98の成績だった。マリナーズ傘下のAAA級マイナーリーグのチームでは15試合に登板、2勝5敗、防御率5.28だった。メジャーリーグでの5年間の通算成績は110試合に登板、10勝12敗1セーブ、防御率6.00。マイナーリーグでの8年間の通算成績は147試合に登板、49勝38敗、防御率3.85。

 ドイツ出身の右打者アーロン・アルテールは2009年、MLB・フィラデルフィアフィリーズと契約し、2014年に初めてフィリーズメジャーリーグに昇格した。2017年と2018年は2年連続でメジャーリーグで100試合以上に出場し、特に2017年は19本塁打を記録した。2019年シーズンは5月にサンフランシスコジャイアンツを経てニューヨークメッツへ移籍し、フィリーズジャイアンツ、メッツの3チームでメジャーリーグ合計49試合に出場、打率.082、1本塁打、3打点、0盗塁の成績だった。またメッツ傘下のAAA級マイナーリーグのチームでは28試合に出場、打率.270、4本塁打、13打点、3盗塁の成績だった。メジャーリーグでの6年間の通算成績は359試合に出場、打率.219、37本塁打、150打点、21盗塁。マイナーリーグでの10年間の通算成績は741試合に出場、打率.262、63本塁打、358打点、141盗塁。また2013 WBC(ワールドベースボールクラシック)予選にドイツ代表として出場した。

 2019年シーズン終了時点でNCが契約していた3人の外国人選手、ドリュー・ルチンスキー投手、クリスチャン・フリードリック投手、ジェイク・スモリンスキー外野手の去就は未定。

 

(11月22日時点の為替レート:10万ドルが1086万3660円。)

 

(文責:ふるりん

SKとKT、ホ・ドファンとユン・ソンミンのトレード成立

 SKワイバーンスとKTウィズは11月21日、ホ・ドファン捕手(35)と2億ウォンの金銭、ユン・ソンミン内野手(34)のトレード成立を発表した。

 右打者のホ・ドファンは大学卒業後の2007年にトゥサンへ入団したが故障などにより同年限りで退団、2011年にネクセン(現キウム)へ入団し控え捕手として起用され、2013年には自己最多の116試合に出場した。2015年4月にはトレードでハンファ、2017年シーズンオフの余剰戦力を対象とした2次ドラフトでSKへ移籍した。2019年は控えとして56試合に出場した。

 右打者のユン・ソンミンは高校卒業後の2004年にトゥサンへ入団し、主に内野の控えとして起用されてきた。2013年シーズンオフにネクセン(現キウム)へトレードで移籍し、2016年には19本塁打・80打点と主軸打者として活躍した。2017年7月にトレードでKTへ移籍し、同年は20本塁打・105打点と自身最高の成績を残した。2019年は63試合のみの出場にとどまった。

 SKは内野の選手層が薄く、2019年シーズンの終盤に失速し韓国シリーズ出場を逃した大きな要因になっただけに、個人通算100本塁打・454打点と高い打撃力をほこるユン・ソンミンのような野手の補強が課題であった。一方でKTは11月20日の余剰戦力を対象とした2次ドラフトイ・ヘチャン捕手がハンファから指名され移籍することになったため、正捕手チャン・ソンウに続く控え捕手を必要としていた。

 

(文責:ふるりん

ハンファとロッテ、チ・ソンジュンとチャン・シファンなど2対2トレード成立

 ハンファイーグルスロッテジャイアンツは11月21日、チ・ソンジュン捕手(25)とキム・ジュヒョン内野手(25)、チャン・シファン投手(32)とキム・ヒョヌ捕手(19)の2対2トレードを発表した。

 チ・ソンジュンは高校卒業後の2014年にハンファへ入団し、2018年は99試合、2019年は58試合に出場と控え捕手として起用されてきた。左打者のキム・ジュヒョンは大学卒業後の2016年にハンファへ入団し、2017年に一軍で3打点を記録した後は兵役のため軍へ入隊、2018年から2019年まで警察野球団(2019年8月に解散)に所属し、2019年の一軍出場はない。

 右腕のチャン・シファンは高校卒業後の2007年に現代ユニコーンスへ入団し、その年限りで現代が解散すると2008年より新球団ヒーローズ(現キウム)へ移籍したが、2014年まで一軍未勝利だった。同年シーズンオフに新球団KTウィズの特別指名で移籍すると、2015年は一軍初勝利を含む7勝をあげた。2017 WBC(ワールドベースボールクラシック)に韓国代表として出場するも、2017年4月、2対2トレードでロッテへ移籍した。2019年は主に先発として起用され27試合に登板、6勝13敗、防御率4.95の成績だった。キム・ヒョヌは高校卒業後、2019年にロッテへ入団したばかりの捕手で一軍出場はない。

 2019年シーズン、9位に低迷したハンファは先発投手が不足し、控え捕手のチ・ソンジュンを出してまでチャン・シファンをほしがったと見られる。また15年ぶりの最下位に転落したロッテは、2017年シーズンオフにカン・ミンホがFA(フリーエージェント)となりサムソンへ移籍してから2年間正捕手が不在で成績不振の大きな要因となっていたため、まだ25歳と若く一軍での経験も豊富なチ・ソンジュンにその可能性を見出したと思われる。

 

(文責:ふるりん

余剰戦力対象の2次ドラフト実施  チョン・グヌがLG、チェ・テインがSKより指名

 KBO(韓国野球委員会)は11月20日、余剰戦力を対象とした2次ドラフトを実施し、プロ野球10球団が提出した40名の保護選手(名簿は非公開)以外が指名対象となり、各球団は最大3名ずつ、合計18名の選手が指名された。トゥサンとキウムは1名も指名しなかった。2020年FA(フリーエージェント)選手、外国人選手、2018年以降に入団したプロ1〜2年目の選手、入隊中の軍保留選手、育成選手などは指名できなかった。


ロッテ : チェ・ミンジェ(外野手・SK)

ハンファ : イ・ヘチャン(捕手・KT)、チョン・ジンホ(外野手・トゥサン)、イ・ヒョンホ(投手・トゥサン)
サムソン : ノ・ソンホ(投手・NC)、ポン・ミンホ(投手・SK ※)
キア : ピョン・ジンス(投手・トゥサン)
KT : イ・ボグン(投手・キウム)、キム・ソンフン内野手・サムソン)
NC : カン・ドンヨン(投手・トゥサン)、ホン・ソンミン(投手・ロッテ)、キム・ギファン(外野手・サムソン)
LG : ペク・チョンフン(投手・SK)、チョン・グヌ(内野手・ハンファ)、キム・デユ(投手・KT)

SK : キム・セヒョン(投手・キア)、チェ・テイン(内野手・ロッテ)、チョン・スミン(投手・NC)
(※ 兵役中の軍保留選手)


 2次ドラフトで指名した選手と契約する場合、前所属球団に補償金として1巡目の選手は3億ウォン、2巡目の選手は2億ウォン、3巡目の選手は1億ウォンを払わなくてはならない。軍への入隊、試合に出場不可能となる負傷、そのほかに特別に認められた理由がない限り、各チームは指名した選手と契約を結ばなくてはならない。この制度は2011年11月に初めて実施され、以後2年に1回となり今回が5回目となった。

 今回の2次ドラフトで指名された選手で最も注目されるのは、ハンファからLGに指名されたチョン・グヌ内野手(37)である。大学卒業後の2005年、SKへ入団し二塁手として活躍、2007年、2008年、2010年と3度の韓国シリーズ優勝に貢献した。2013年シーズンオフ、FAとなりハンファへ移籍した。2008年北京オリンピック、2009,2013 WBC(ワールドベースボールクラシック)、2015 WBSCプレミア12の韓国代表としても出場した。だが2019年シーズンはチーム事情で外野での出場が多く、故障もあり一軍に定着した2006年以降では自身最少となる88試合のみの出場にとどまっていた。プロ15年間の通算成績は1675試合に出場、打率.303、1840安打、120本塁打、708打点、364盗塁。新天地LGでは本来の二塁など内野での起用が予想される。

 ほかには2017年にはサイクルヒットを達成したトゥサンの控え外野手チョン・ジンホがハンファへ、主にネクセン(現キウム)で10年以上中継ぎとして活躍してきた右腕イ・ボグンがKTへ、2016年のネクセン時代には最多セーブ(36)の個人タイトルを受賞したキム・セヒョンと、通算1117安打のベテランの左打者チェ・テインがSKへと、実績ある選手たちの移籍が決まった。 

 

 
 この2次ドラフトはそのチームでまだ出場機会の巡ってこない若手選手のみならず、実績は十分ある選手たちにも新天地での再生の機会を与えるという点で、この2次ドラフトの果たす役割は決して少なくない。

 

(文責:ふるりん

FAユ・ハンジュンと2年総額最大20億ウォンで再契約

 KTウィズは11月19日、2020年のFA(フリーエージェント)選手となっていたユ・ハンジュン外野手(38)と契約期間2年、契約金8億ウォン、総年俸10億ウォン、インセンティブ最大2億ウォンの最大20億ウォンで再契約した。

 右打ちの外野手ユ・ハンジュンは大学卒業後の2004年、現代ユニコーンスへ入団し、2006年、110試合に出場し一軍に定着した。現代ユニコーンス解散後は軍へ入隊し、2010年に除隊されネクセン(現キウム)ヒーローズでプロ野球に復帰した。以降ネクセンの主力打者として活躍をつづけ、2015年シーズンオフ、初めてFA選手となりKTへ移籍した。KTでも主力として活躍し、2019年シーズンは139試合に出場、打率.317、14本塁打、86打点、3盗塁の成績だった。プロ17年間の通算成績は1427試合に出場、打率.304、1411安打、135本塁打、777打点、34盗塁。2度目のFAでKTに残留したユ・ハンジュンは、一軍参入から5シーズン目の2019年にようやく6位と最高の成績を残した若いチームを引っ張る役割が期待される。

 

(11月19日時点での為替レート:1億ウォンが930万4600円。)

 

(文責:ふるりん

2019WBSCプレミア12は準優勝

キム・ハソン(キウム)の本塁打で先制も逆転負け

 

2019 WBSCプレミア12 決勝

韓国 3−5 日本  (東京ドーム)

(勝)高橋礼  (セーブ)山崎康晃 (敗)ヤン・ヒョンジョン

本塁打)韓国 : キム・ハソン、キム・ヒョンス  日本 : 山田哲人

 

 2大会連続で決勝に進出し、2連覇を目指した2019 WBSCプレミア12韓国代表は11月17日、日本代表と対戦した。16日のスーパーラウンド最終戦でも日本代表と対戦しており、8-10で敗れていた。

 

 韓国代表は1回表に日本代表の先発山口俊から1番イ・ジョンフ(キウム)が四球で出塁すると、2番キム・ハソン(キウム)の本塁打で2点を先制した。さらにこの回5番キム・ヒョンス(LG)の本塁打で1点を追加した。韓国代表の先発ヤン・ヒョンジョン(キア)は1回裏に3番坂本勇人へ四球を与えると、4番鈴木誠也のタイムリーで1点を返された。韓国代表は2回表に日本代表の2番手高橋礼から9番キム・サンス(サムソン)が四球で出塁するが無得点に終わった。そして日本代表は2回裏に8番会澤翼への四球、9番菊池涼介の安打でチャンスを作り、1番山田哲人本塁打で4-3と逆転した。

 韓国代表は3回表にキム・ハソンが安打で出塁するも、3番キム・ジェファン(トゥサン)の外野フライで2塁を狙った際にタッチアウトとなった。ヤン・ヒョンジョンは3回裏にも5番浅村栄斗の二塁打、6番外崎修汰への四球でピンチを招くも無失点に抑えた。韓国代表は4回表に日本代表の3番手田口麗斗から先頭のキム・ヒョンスが安打で出塁するも後続が断たれた。韓国代表の2番手イ・ヨンハ(トゥサン)は4回裏に会澤翼の安打や山田哲人の四球でピンチを招いたが、追加点を与えなかった。韓国代表は5回表に9番キム・サンスが安打で出塁するも、盗塁失敗でチャンスにはならなかった。

 韓国代表は6回表に日本代表の4番手中川皓太からキム・ヒョンスがエラーで出塁するも無得点に終わった。日本代表は6回裏にキム・サンスの送球エラーやイ・ヨンハの暴投などでチャンスを作るも、代わった韓国代表の3番手チョ・サンウ(キウム)はこのピンチをしのいだ。韓国代表は7回表に日本代表の5番手甲斐野央により三者凡退に抑えられた。チョ・サンウは7回裏に坂本勇人二塁打でピンチを招くと、浅村栄斗のタイムリーで1点を追加された。

 韓国代表は8回表に日本代表の6番手山本由伸により三者凡退に抑えられた。チョ・サンウは8回裏途中で4番手ハ・ジェフン(SK)に交代し追加点を与えなかった。韓国代表は9回表も日本代表の7番手山崎康晃により無得点に抑えられ、結局逆転負けで大会2連覇はならず、準優勝となった。

 

 野球韓国代表は2連覇こそ逃したが、開催国・日本を除くアジア・オセアニア地区の1位ということで2020年東京オリンピック野球への出場権を獲得し、最低限の成果はあげた。なお、2017年より国際大会への動機付与の目的で設置されたFA(フリーエージェント)取得への日数を緩和するようになり、この2019 WBSCプレミア12で準優勝、2020年東京オリンピック出場権獲得に貢献した韓国代表選手たちには60日分の日数が付与された。

 

 2020年東京オリンピック野球は7月29日から8月8日まで、横浜スタジアムを中心に開催される。出場は全6チームで、開催国日本以外にも2019 WBSCプレミア12出場国から韓国代表とメキシコ代表の2チーム、そして2019年9月のヨーロッパ野球選手権で優勝したイスラエル代表の4チームの出場が決まっている。残りの2チームは2020年春の南北アメリカ大陸予選。その他の地域の世界予選の勝者となる。

 

(文責:ふるりん

 

 

 

 


(文責 : ふるりん