KBO(韓国野球委員会)は11月20日、余剰戦力を対象とした2次ドラフトを実施し、プロ野球10球団が提出した40名の保護選手(名簿は非公開)以外が指名対象となり、各球団は最大3名ずつ、合計18名の選手が指名された。トゥサンとキウムは1名も指名しなかった。2020年FA(フリーエージェント)選手、外国人選手、2018年以降に入団したプロ1〜2年目の選手、入隊中の軍保留選手、育成選手などは指名できなかった。
ロッテ : チェ・ミンジェ(外野手・SK)
ハンファ : イ・ヘチャン(捕手・KT)、チョン・ジンホ(外野手・トゥサン)、イ・ヒョンホ(投手・トゥサン)
サムソン : ノ・ソンホ(投手・NC)、ポン・ミンホ(投手・SK ※)
キア : ピョン・ジンス(投手・トゥサン)
KT : イ・ボグン(投手・キウム)、キム・ソンフン(内野手・サムソン)
NC : カン・ドンヨン(投手・トゥサン)、ホン・ソンミン(投手・ロッテ)、キム・ギファン(外野手・サムソン)
LG : ペク・チョンフン(投手・SK)、チョン・グヌ(内野手・ハンファ)、キム・デユ(投手・KT)
SK : キム・セヒョン(投手・キア)、チェ・テイン(内野手・ロッテ)、チョン・スミン(投手・NC)
(※ 兵役中の軍保留選手)
2次ドラフトで指名した選手と契約する場合、前所属球団に補償金として1巡目の選手は3億ウォン、2巡目の選手は2億ウォン、3巡目の選手は1億ウォンを払わなくてはならない。軍への入隊、試合に出場不可能となる負傷、そのほかに特別に認められた理由がない限り、各チームは指名した選手と契約を結ばなくてはならない。この制度は2011年11月に初めて実施され、以後2年に1回となり今回が5回目となった。
今回の2次ドラフトで指名された選手で最も注目されるのは、ハンファからLGに指名されたチョン・グヌ内野手(37)である。大学卒業後の2005年、SKへ入団し二塁手として活躍、2007年、2008年、2010年と3度の韓国シリーズ優勝に貢献した。2013年シーズンオフ、FAとなりハンファへ移籍した。2008年北京オリンピック、2009,2013 WBC(ワールドベースボールクラシック)、2015 WBSCプレミア12の韓国代表としても出場した。だが2019年シーズンはチーム事情で外野での出場が多く、故障もあり一軍に定着した2006年以降では自身最少となる88試合のみの出場にとどまっていた。プロ15年間の通算成績は1675試合に出場、打率.303、1840安打、120本塁打、708打点、364盗塁。新天地LGでは本来の二塁など内野での起用が予想される。
ほかには2017年にはサイクルヒットを達成したトゥサンの控え外野手チョン・ジンホがハンファへ、主にネクセン(現キウム)で10年以上中継ぎとして活躍してきた右腕イ・ボグンがKTへ、2016年のネクセン時代には最多セーブ(36)の個人タイトルを受賞したキム・セヒョンと、通算1117安打のベテランの左打者チェ・テインがSKへと、実績ある選手たちの移籍が決まった。
この2次ドラフトはそのチームでまだ出場機会の巡ってこない若手選手のみならず、実績は十分ある選手たちにも新天地での再生の機会を与えるという点で、この2次ドラフトの果たす役割は決して少なくない。
(文責:ふるりん)