5年ぶり7度目の韓国シリーズ優勝へ
2023年はプロ野球個人通算最多本塁打(467本)のイ・スンヨプ新監督(元オリックス)の就任1年目ということで大いに注目され、レギュラーシーズン5位で2年ぶりにポストシーズン進出を果たしたがワイルドカード決定戦でNCダイノスに敗れた。先発投手クァク・ピンの成長など若手投手陣の台頭はあったが、野手の世代交代はあまり見られなかった。新外国人選手ラモスとの契約以外に目立った補強はなく、現有戦力の底上げで2年ぶりの韓国シリーズ進出、5年ぶり7度目の優勝を目指す。
【投手陣】
〈先発〉
アルカンタラ、△ブランドン、クァク・ピン、チェ・ウォンジュン、キム・ミンギュ、キム・ドンジュ
〈リリーフ〉
パク・チグク、キム・ミョンシン、△チェ・スンヨン、△イ・ビョンホン、チョン・チョルォン、イ・ヨンハ、◎キム・テギョン、ホン・ゴンヒィ
注 : ◎は新戦力、△は左腕。
先発投手陣では2023年チーム最多勝(13勝)のアルカンタラ(元阪神)、11勝のブランドンの外国人選手2名、韓国人で最多勝(12勝)のクァク・ピンの3名が中心となる。先発4番手以降の層が厚くなかったが、22歳のキム・ドンジュ、キム・ミンギュなどの活躍があれば優勝争いに残れる可能性が高まる。2023年は3勝のみと不調だったチェ・ウォンジュンの復活も期待される。
リリーフではキム・ミョンシン、パク・チグク、チョン・チョルォンなどが中継ぎをつとめてきた。2023年、チーム最多の22セーブを記録したホン・ゴンヒィが負傷で出遅れているため、キャンプの練習試合から好投を続けている18歳の高卒新人キム・テギョンの起用も考えられる。
【打撃陣】
〈先発予想〉
捕手:ヤン・ウィジ
一塁:ヤン・ソックァン
二塁:カン・スンホ
三塁:ホ・ギョンミン
遊撃:パク・チュニョン
外野:◎✕ラモス、チョン・スビン、△チョ・スヘン
DH:△キム・ジェファン
〈控え〉
(捕手) アン・スンハン、✕チャン・スンヒョン
(内野手) キム・ミンヒョク、キム・ジェホ、イ・ユチャン、パク・ケェボム、チョン・ミンジェ
(外野手) 、△キム・インテ、△ヤン・チャニョル、△ホン・ソンホ、キム・デハン
注 :◎は新加入、△は左打ち、✕は両打ち。
36歳となった正捕手ヤン・ウィジ、2023年のチーム最多本塁打(21本)・打点(89)のヤン・ソックァンが打線の主軸を担い、2023年は10本塁打と不振だった35歳のキム・ジェファンも復活をかける。新外国人選手ラモスは2022年にKTウィズと契約し負傷でシーズン途中に自由契約となっているが、2度目の韓国挑戦で結果を残したい。
そのほか三塁手のホ・ギョンミン、2023年の盗塁王(39)のチョン・スビンなど、実績のある生え抜きの野手たちがそろってはいるが、若手の台頭に乏しく得点力不足に陥ることが懸念される。そういった中で26歳のパク・チュニョンがレギュラーの定着を期待され、示範競技などで起用されている。
【本拠地】
ソウル・蚕室野球場
首都ソウル特別市の南東部にあり、韓国を代表する25000人収容の野球場。周囲は蚕室総合運動場や体育館もある総合運動場であり、プロサッカー、プロバスケットボールなど各種競技が開催される。トゥサンだけでなくLGツインスの本拠地でもあり、ライバル意識の強い両チームの対戦は他にない盛り上がりを見せ、3塁側の遠征してきたチームのファンたちも少なくない。両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、本塁打が出にくい。
近年他の本拠地球場はMLBなどを手本としたボールパーク化が進められているが、ソウルオリンピック(1988年)の前の1982年に完成した同球場は昔ながらのたたずまいを残し、ロッテタワーなど江南(カンナム)地区の高層ビル群を背景とした特有の活気を感じたい。
[交通アクセス]
ソウルメトロ2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出入口の目の前が中央チケット売り場である。ただし9号線ホームは2号線ホームと比べ野球場から離れていて徒歩5分前後かかる。9号線はソウル高速バスターミナル、金浦空港とを結び、韓国の他地域や国外からも観戦に訪れやすい。
(文責 : ふるりん)