かねてから2022年での現役引退を表明していたロッテジャイアンツのイ・デホ内野手(40)は10月8日、社稷野球場で引退試合となるLGツインス戦に出場し、大勢の観客が見守る中、試合前後のセレモニーを通してグラウンドに別れを告げた。また、背番号10はチェ・ドンウォン(故人)に次いでチーム史上2人目となる永久欠番に指定された。
右投げ右打ちのイ・デホは高校卒業後の2001年にロッテへ入団し、高校時代は投手だったがプロでは野手に転向した。新人の年は一軍で6試合の出場だったが、2004年に主力として20本塁打を記録すると、2006年にプロ野球史上2人目となる打撃三冠王(打率・本塁打・打点)に輝いた。2008年北京オリンピックに韓国代表として出場し、優勝により兵役免除の恩典を受けた。2010年には自身2度目の打撃三冠王に輝いた。2011年シーズン終了後にFA(フリーエージェント)となり、2012年より日本プロ野球・オリックスへ移籍した。
2014年より福岡ソフトバンクへ移籍し、2015年のWBSCプレミア12の準決勝・日本戦で決勝タイムリーを打つなど優勝に貢献した。2016年にはMLBシアトルマリナースへ移籍した。2017年に古巣のロッテへ復帰し、年齢を重ねてもチームの顔として主軸を打ち続けた。2020年シーズン終了後、2度目のFAとなりロッテと2年契約を結び、2022年で契約が終了することもあり現役を引退することにしたが、40歳となりながらも衰えは見られず142試合に出場、打率.331、23本塁打、101打点、0盗塁の成績を残した。
引退試合となった10月8日のLGツインス戦では4番一塁で先発出場し4打数1安打1打点、ロッテが7回裏に1点を勝ち越すと、8回表にはプロ22年目にしてついに投手として登板し、打者(代打コ・ウソク)を内野ゴロに打ち取った。そして再び一塁の守備に就き、9回表に三塁からの送球を一塁で受けて試合終了となるアウトを取り、現役生活に別れを告げた。試合終了後には盛大なセレモニーが行われ、世話になったロッテジャイアンツの選手や監督・コーチ陣、スタッフなど関係者に感謝の念を述べた。そして永久欠番に指定された背番号10のプレートが披露され、イ・デホは引退してもその名声とともに社稷野球場にその姿を残すことになった。
イ・デホの韓国での17年間の通算成績は1971試合に出場、打率.309、2199安打、374本塁打、1425打点、11盗塁。プロ野球史上唯一となる2度の打撃三冠王など輝かしい実績にもかかわらず、イ・デホの在籍中にロッテは韓国シリーズで1度も優勝できないどころか、1度も出場できなかった(最後の出場は1999年)。残されたロッテジャイアンツの後輩たちは、イ・デホが果たせなかった1992年以来となる韓国シリーズ優勝の夢を実現する使命を課せられたといえる。
(文責 : ふるりん)