2度目の韓国シリーズ連覇へ
2019年はレギュラーシーズン最終戦で優勝を決め、韓国シリーズではキウムに負けなしの4連勝で3年ぶりの優勝を成し遂げたトゥサンベアース。2020年は2015～2016年に続く2度目の連覇、7度目の韓国シリーズ優勝が目標となる。
【投手陣】
〈先発〉
◎アルカンタラ、◎フレクセン、イ・ヨンチャン、イ・ヨンハ、△ユ・ヒィグァン、
〈リリーフ〉
△ハム・トクチュ、キム・スンフェ、パク・チグク、△イ・ヒョンスン、△クォン・ヒョク、ユン・ミョンジュン、イ・ヒョンボム
注 ： ◎は新戦力、△は左腕
2019年に最多勝（20勝）で優勝に貢献したリンドブロムがＭＬＢ・ミルウォーキーブルワースへ移籍し、その穴を埋める存在として2019年にＫＴで11勝を記録した外国人選手アルカンタラと契約した。まだ25歳と若い新外国人選手フレクセンにも期待がかかる。22歳で右のエース格に成長したイ・ヨンハ、ベテラン左腕ユ・ヒィグァンと右腕イ・ヨンチャンと先発投手陣の層は厚い。
リリーフでは絶対的な抑えはいないが、右のリリーフの柱に成長したイ・ヒョンボムなど左右ともに層は厚い。外国人選手2名ともに入れ替えたため先発陣に不安は残るが、依然として強力な投手陣ではある。
【打撃陣】
〈先発予想〉
捕手：パク・セヒョク
一塁：オ・ジェイル
二塁：チェ・ジュファン
三塁：ホ・ギョンミン
遊撃：キム・ジェホ
外野：パク・コヌ、チョン・スビン、キム・ジェファン
ＤＨ：フェルナンデス
〈控え〉
(捕手) ◎チョン・サンホ
(内野手) △オ・ジェウォン、△リュ・ジヒョク、シン・ソンヒョン
(外野手) ペク・トンフン、△キム・インテ、×クク・ヘソン、キム・デハン
注 ：◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。
2018年はリーグ最多の44本塁打と圧倒的な長打力を誇っていたキム・ジェファンが2019年は15本塁打と激減したこともあり、全体的に攻撃力は下がった印象がある。だが2019年リーグ最多安打の外国人選手フェルナンデス、キム・ジェファンに代わり打線の軸となった左の大砲オ・ジェイルなど勝負強い打者がそろっていた。世代交代があまり進んでない印象があり、キム・デハンなど若手の台頭が期待される。
就任6年目のキム・テヒョン監督は、3度の韓国シリーズ優勝とチームの黄金時代を築き上げたが、今後は投打ともに次代の主力を育てていかなくてはならない。2020年も優勝候補の一角として挙げられるが、2連覇は容易ではないかもしれない。だが自前の選手を育てて勝つチームの特質が発揮されればそうたやすいことではないのかもしれない。
【本拠地】
ソウル・蚕室野球場
首都ソウル特別市の南東部にあり、韓国を代表する25000人収容の大型野球場。周囲は蚕室総合運動場や体育館もある総合運動場であり、プロサッカー、プロバスケットボールなど各種競技が開催されるスポーツのメッカである。この野球場はトゥサンだけでなくＬＧの本拠地でもあり、ライバル意識の強い両チームの対戦は他にない盛り上がりを見せる。両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、本塁打が出にくい。
内野の場内通路には飲食物の売店のみならず応援用のグッズショップもあるが、球場の外壁部分、外野ライトスタンドの裏手（中央チケット売り場から見て左手）にトゥサン、ＬＧそれぞれの専用グッズショップがあり、そちらのほうが品ぞろえも豊富であるがあまり広くはなく、観客の多い土日・休日では外に行列ができやすい。
ここ10年あまり、韓国のプロ野球本拠地はＭＬＢ（メジャーリーグベースボール）などを手本としたボールパーク化が進む中、建設された1982年ごろと比べ大きな変化がない同球場はやや古びた印象を受けるが、江南（カンナム）地区の高層ビル街に近い大都市の野球場には韓国ならではの活気を感じられる。
［交通アクセス］
ソウルメトロ2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出入口の目の前が中央チケット売り場である。ただし9号線ホームは2号線ホームと比べ野球場から離れていて地下深く、徒歩5分前後かかる。9号線は高速バスターミナル、金浦空港などを結んでいるため、韓国の他地域や国外からも観戦に訪れやすい。
（文責 ： ふるりん）
