DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第2回 トゥサンベアーズ

 2017年は韓国シリーズ3連覇を狙ったが、キアの前に敗れ2位に終わった。2016年以来2年ぶり6回目の韓国シリーズ優勝を狙うが、選手の移籍などもあってチームは世代交代期にさしかかっている。


【投手陣】

〈先発〉 
△ユ・ヒィグァン、△チャン・ウォンジュン、◎リンドブロム、◎フランコフ、イ・ヨンチャン
〈リリーフ〉
△ハム・トクチュ、キム・ミョンシン、◎クァク・ピン、キム・スンフェ、△イ・ヒョンスン、キム・ガンニュル

注 : ◎は新戦力、△は左腕
  
 2017年の先発投手陣のうち、外国人選手としてプロ野球史上通算最多勝利(94勝)を記録したニッパートと契約せず(2018年はKTと契約)、代役となる外国人選手の働きが肝要となる。2017年までロッテの先発投手陣で活躍していた外国人選手リンドブロムは計算を立てやすいが、韓国1年目の新外国人選手フランコフは未知数だ。両外国人がきのうしなければチャン・ウォンジュン、ユ・ヒィグァンの実績あるベテラン左腕2人への比重が高まる。
 また2017年はリリーフとして起用されていたイ・ヨンチャンが先発に、先発として活躍したハム・トクチュがリリーフへと配置転換される見込みである。抑えは2017年シーズン終盤からキム・ガンニュルで固定されると思われる。また素質豊かな高卒新人クァク・ピンの早期抜擢に期待したい。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.パク・コヌ(中) 
2.オ・ジェウォン(二) △  
3.パラデス(指) ◎×  
4.キム・ジェファン(左) △ 
5.オ・ジェイル(一) △
6.ヤン・ウィジ(捕)   
7.チョン・ジンホ(右) △
8.チェ・ジュファン(三) △
9.キム・ジェホ(遊) 


〈控え〉
(捕手) パク・セヒョク、チャン・スンヒョン
(内野手) ホ・ギョンミン、△リュ・ジヒョク、シン・ソンヒョン、キム・ミンヒョク、ヤン・ジョンミン
(外野手) ×クク・ヘソン、◎ペク・ミンギ、△チョ・スヘン、△キム・インテ

注 :◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。

 
 2015〜2016年の韓国シリーズ2連覇に貢献した主力野手ミン・ビョンホンがFA(フリーエージェント)を行使してロッテへ移籍し、また世代交代もあり徐々に主力が入れ替わっていくと思われる。打線の中軸は不動の4番打者に成長したキム・ジェファンで、2017年に20本塁打・20盗塁を記録したパク・コヌ、左の大砲オ・ジェイルがその前後を固める。 
新外国人選手パラデス(元千葉ロッテ)は内外野守れるユーティリティープレイヤーとされているが、現状では指名打者としての起用が予想される。他にもヤン・ウィジ、オ・ジェウォン、キム・ジェホなど経験豊富な選手がそろい、得点力は10球団中屈指である。



 新たな気持ちで韓国シリーズ優勝に挑戦する就任4年目のキム・テヒョン監督は、チーム伝統の選手育成システムを受け継ぎ、2018年シーズンも若手の素質を見抜き適したポジションとタイミングで起用し、優勝争いに加わると思われる。経験と若さを融合した魅力あるチーム作りに期待したい。


【本拠地】  ソウル・蚕室野球場

 首都ソウル特別市の南東部にあり、韓国を代表する25000人収容の大型野球場。周囲は蚕室総合運動場(1988年ソウルオリンピックで使用)や体育館もある総合運動場であり、プロサッカーKリーグプロバスケットボールKBLなど各種競技が開催されるスポーツのメッカである。この野球場はトゥサンだけでなくLGの本拠地にもなっていて、ライバル意識の強い両チームの対戦は他にない盛り上がりを見せる。両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、本塁打が出にくい。

 内野の場内通路には飲食物の売店のみならず応援用のグッズショップもあるが、球場の外壁部分、外野ライトスタンドの裏手(中央チケット売り場から見て左手)にトゥサン、LGそれぞれの専用グッズショップがあり、そちらのほうが品ぞろえも豊富であるがあまり広くはなく、観客の多い土日・休日では外に行列ができていることもある。また総合運動場駅の出入口付近の地上・地下にそれぞれプロ野球10球団の商品や野球用品を扱うショップがある。また、野球場から徒歩5分程度の総合運動場の横には野球などのスポーツ用品店が並んでいる商店街があり、試合開始前に時間があれば覗いてみるのもいい。

 野球場から電車で1駅離れたソウルメトロ2号線三成(サムソン)駅、9号線奉恩寺(ポンウンサ)駅付近にはCOEX(韓国総合貿易センター)モールがあり、昼間はショッピングや食事、夜は野球観戦というプランも立てやすい(野球場から徒歩でも10分少々)。COEXのビル内には都心空港ターミナルがあり、金浦空港・仁川空港へのリムジンバスが頻繁に出ていて、空港からのアクセスも良い。またソウルメトロ9号線は金浦空港に直通していて、空路で韓国入国後すぐに野球場へ向かうこともできる(仁川空港からは金浦空港で電車を乗り換える必要あり)。







[交通アクセス]
 ソウルメトロ2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出入口の目の前が中央チケット売り場である。ただし9号線ホームは2号線ホームと比べ野球場から離れていて地下深く、徒歩5分前後かかる。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。江南(カンナム)地区の繁華街からはソウルメトロ2号線・9号線で10分前後。韓国各地を結ぶ高速鉄道SRTの水西(スソ)駅からは盆唐(プンダン)線で宣陵(ソルルン)駅まで行き、ソウルメトロ2号線に乗り換えて20分程度。


(文責 : ふるりん