DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2021年 シーズン展望 第4回 LGツインス

リュ・ジヒョン新監督、27年ぶりの韓国シリーズ優勝なるか

 

 2020年はし烈な優勝争いを続けるも終盤の失速でレギュラーシーズン4位に終わり、ポストシーズンも準プレーオフで敗退と悔やまれる結果となった。責任をとる形でリュ・ジュンイル監督が辞任、1994年の最後の韓国シリーズ優勝を知るリュ・ジヒョン新監督が就任し、27年ぶりの優勝を目指すことになった。投打ともに戦力が充実し、2002年以来となる韓国シリーズ出場、そして優勝は現実的な目標となりつつある。

 
【投手陣】

〈先発〉 
ウィルソン、◎△スアレス、イム・チャンギュ、チョン・チャンホン、イ・ミンホ、△チャ・ウチャン
〈リリーフ〉
△チン・ヘス、ソン・ウンボム、イ・ジョンヨン、◎チェ・ジソン、チョン・ウヨン、△チェ・ソンフン、◎△ ハム・トクチュ、コ・ウソク

注 : ◎は新加入、△は左腕

 

 2020年、チーム最多勝(15勝)だった韓国3年目の外国人選手ケリーが先発の柱となる。新外国人選手の左腕スアレスもケリーに劣らない活躍が求められる。韓国人ではイム・チャンギュ、チョン・チャンホンが先発投手陣で結果を残した。2020年にその才能の片鱗を見せた19歳のプロ2年目の右腕イ・ミンホの成長、2020年は故障でシーズン途中で離脱した左腕チャ・ウチャンの復活が期待される。

 リリーフでは抑えのコ・ウソク、中継ぎのチョン・ウヨンの若手右腕が軸となる。2019-2020年と2年連続で70試合以上に登板したチン・ヘスの疲労を考えたか、3月25日、2対2トレードでトゥサンから左腕ハム・トクチュと右腕チェ・ジソンの2名のリリーフを獲得した。ハム・トクチュは先発で起用されることも考えられる。


【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:ユ・ガンナム

一塁:△ ラモス

二塁:チョン・ジュヒョン

三塁:キム・ミンソン

遊撃:△ オ・ジファン

外野:△ キム・ヒョンス、△ ホン・チャンギ、イ・ヒョンジョン

指名:チェ・ウンソン  

〈控え〉
(捕手) キム・ジェソン
(内野手) △キム・ヨンウィ、△シン・ミンジェ、ク・ボンヒョク、△キム・ホウン、◎△イ・ジュヒョン
(外野手) △イ・チョヌン、△チェ・ミンチャン、△ハン・ソッキョン

注 : ◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。

 打線の中軸は野球韓国代表でも活躍を続けるキム・ヒョンスと、2020年はチーム最多の38本塁打を記録したまだ26歳と若い韓国2年目の外国人選手ラモスとなる。 チャンスメイカーとしては30歳を超えチームの精神的支柱としての役割も期待されるオ・ジファン、2020年に出塁率の高さで主力に定着したホン・チャンギなどがあげられる。チェ・ウンソン、イ・ヒョンジョンと安定した成績を残せる野手も複数控え、故障からの完全復活を目指すイ・チョヌンなどの巻き返しによるチーム内競争の激化は優勝争いをするうえで重要な要素になると思われる。

 また高卒新人イ・ジュヒョンなどの才能ある若手を積極的に起用し、世代交代も進めていきたい。3月25日、トゥサンとのトレードで長打力のある右打者ヤン・ソックァンが移籍したのがきっかけとなるであろう。

 

 引退後も含めてプロ野球人生の大半をLGツインスにささげてきたリュ・ジヒョン監督。まずは3年連続のポストシーズン進出が目標となるであろうが、戦力が整っているうちに1994年以来となる優勝を目指したいところだ。経験豊富なコーチたちとともに選手たちに自信を植え付けさせ、長年遠ざかっている王座に近づいていきたい。

 
【本拠地】
ソウル・蚕室野球場

 韓国最大級の野球場は、LGのみならずトゥサンの本拠地でもある。LGは1982年創設のMBC青龍の時期からソウル特別市を本拠地としていることもあり、「ソウルの地元球団」を前面に押し出してきた。同じ蚕室野球場を本拠地とするLG-トゥサンは球場全体が赤のLGファンと白のトゥサンファンに分かれ、独特の雰囲気に包まれる。2021年もこの2チームが優勝争いをするとプロ野球界は盛り上がることであろう。

 982年に完成した蚕室野球場は、2010年代以降に整備された他のプロ野球本拠地と比べ前時代的な雰囲気が残っているが、改良を重ね快適な観戦環境が整っている。全国各地からの出身者が集まる首都圏にあるため、3塁側の遠征チームのファンが多い時は、他の野球場にない球場が一体となった独自の雰囲気が醸し出される。

 
[交通アクセス]
 ソウルメトロ2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。

(文責:ふるりん