毎年5月上旬の韓国は行楽日和ということで、休日ともなると大勢のプロ野球ファンが野球場で家族、友人などと賑やかに楽しい一日を過ごします。
2019年は5月5日の子供の日を中心とした5月4~6日の3連休があり、その初日となる4日、釜山(プサン)・社稷(サジク)野球場のロッテジャイアンツの主催試合には大勢の人出が見込まれていました。
5月4日、韓国南東部の釜山広域市は午前中から晴れ、14時からのプロ野球観戦には絶好の日和でした。
そのため試合開始前から野球場の正面入口ではチアリーダーの特別公演が行われ、イ・デホ、ソン・アソプとロッテジャイアンツの主力選手を模した風船人形などが野球場に訪れる子供たちを楽しませていました。
また、テレビ中継の解説委員(チョン・ミンチョルとホ・グヨン)やアナウンサーも子供たちとともに野球場の入口で実況していました。
日が高くなり、人々がどんどん野球場へと吸い込まれていきます。
予定通り14時に試合が開始され、チョ・ジフン団長を中心としたロッテジャイアンツの応援団がパフォーマンスを開始します。
特にベテランのチョ・ジフン団長は切れのある動きと「ウマゲ マチョソ(音楽に合わせて)!」の威勢のいい掛け声などで応援を巧みにリードしています。
翌日が子供の日ということで、応援用の舞台にはチアリーダーだけでなく子供たちも上がることがありました。かわいらしいマスコットたちも登場します。
なお、ロッテジャイアンツの選手が打席に立つ際、外野の電光掲示板に表示される選手紹介画像も、特別に子供たちが描いた似顔絵になっていました。
ロッテジャイアンツは3回裏にイ・デホのタイムリーで1点を先制しますが、5回表に7点を奪われ逆転される苦しい展開となりました。
それでも1塁側のロッテジャイアンツのファンたちは懸命に応援を続けます。
ロッテジャイアンツの応援といえば、終盤のこの光景が印象的です。
7回ごろになるとどこからともなく観客席には赤いビニール袋が配られ、ファンたちはそれをあごの下で縛って頭にかぶせたり、空気を入れて振り回したりします。
(2017年まではビニール袋はオレンジ色でしたが、2018年よりユニフォームのデザイン変更により赤となりました。)
懸命な応援が実ったか、ロッテジャイアンツは7回裏のイ・デホのタイムリーなどで3点を返しました。
しかしSKに3点を追加され、4-10で敗れてしまいました。
試合終了後、帰宅の途につくファンたちにチョ・ジフン団長が応援へのお礼と明日への希望を述べて締めくくりました。
さて、写真をご覧になってお気づきになったと思いますが、1塁側は大勢の観客で埋まっていたものの、3塁側は空席が目立っていました。
釜山広域市はロッテジャイアンツ以外のプロ野球ファンの少ない地域ですので、ロッテが上位を争っていると観客は3塁側の隅々まで埋め尽くしますが、5月4日も首位SKにあっけなく敗れて4連敗、8位に後退と下降線をたどっていたため、せっかくの3連休でも社稷野球場は満員から程遠い観客数でした。
その後もロッテジャイアンツは上昇気流に乗れず最下位に転落し、6月24日の時点でも最下位にとどまっています。
しかしサムソン、キア、KT、ハンファによる6位以下の下位争いは熾烈なため、ロッテにもまだ浮上のチャンスはあります。時折土曜日にユニフォームを配布するイベントの試合は順位に関係なく満員に近くなりますが、それ以外の試合でも大勢のロッテジャイアンツファンたちが社稷野球場に詰め掛け、特有の熱狂的な応援でプロ野球を盛り上げてほしくあります。
(文責:ふるりん)