2017年は7位に終わり、2012年以来5年ぶりにポストシーズン進出を逃した。オフシーズンには2015年まで4番打者として活躍し、MLB(メジャーリーグベースボール)・ミネソタツインズへ移籍したパク・ピョンホが復帰し、かつてハンファで活躍していた外国人選手ロジャースと契約するなど、例年にない補強を敢行した。2008年の球団創設以来初となる韓国シリーズ優勝を目指す。
【投手陣】
〈先発〉
ブリガム、◎ロジャース、チェ・ウォンテ、ハン・ヒョンヒィ、シン・ジェヨン
〈リリーフ〉
イ・ボグン、△キム・ソンミン、ムン・ソンヒョン、チョ・サンウ、ユン・ヨンサム、△オ・ジュウォン、キム・サンス
注 : ◎は新加入、△は左腕
2017年シーズン途中に入団したブリガム(元東北楽天)、2015年から2016年にかけてハンファで活躍したロジャースと、2人の外国人選手が先発投手陣の軸となる。これに2017年に11勝したがまだ21歳で不安が残るチェ・ウォンテ、24歳と若いが故障の絶えないハン・ヒョンヒィなどの韓国人投手が続くが、左腕不足である上にあまり層も厚くない。
リリーフ陣は2016年の最多セーブの個人タイトルを受賞したキム・セヒョンが2017年シーズン途中でキアへトレードされたため、柱となる選手がいない。チョ・サンウ、ないしユン・ヨンサムといった経験のない選手が抑えとして起用される可能性もある。またオ・ジュウォン以外信頼のおける左腕が少なく、継投で逃げ切る試合展開はやや難しそうだ。全体的な質は低くないが、先発、リリーフともに全幅の信頼を置ける投手が不在である。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
1.イ・ジョンフ(中) △
2.ソ・ゴンチャン(二) △
3.チョイス(右)
4.パク・ピョンホ(一) ◎
5. キム・ハソン(遊)
6.キム・ミンソン(三)
7.チャン・ヨンソク(指)
8.パク・トンウォン(捕)
9.コ・ジョンウク(左) △
〈控え〉
(捕手) △チュ・ヒョサン、キム・ジェヒョン
(内野手) キム・ジス、キム・テワン、△ソン・ソンムン、キム・ヘェソン
(外野手) イ・テックン、△イム・ビョンウク、△パク・チョンウム、ホ・ジョンヒョプ
注 : ◎は新加入、△は左打者。
2012年から2015年まで本塁打・打点の打撃二冠王と圧倒的な成績を残したパク・ピョンホの復帰で、打線に大幅な変化が生じる。2017年シーズン途中に入団し規格外のパワーを見せた外国人選手チョイス、ショートのレギュラーで本塁打を量産したキム・ハソンなどが中軸を固めると思われる。また2017年は高卒新人と思えない打撃技術を見せたイ・ジョンフ、卓越したチャンスメイカーのソ・ゴンチャンが上位打線を任されると思われ、打線の破壊力は他球団の脅威となる。
反面控え選手の層が薄く、37歳となったベテラン外野手のイ・テックンがいまだに頼りとなる存在だ。さらにパク・トンウォンが正捕手としては攻守ともにやや弱く、捕手は不安要素の一つである。したがって優勝を狙うためには、若手の起用と成長も欠かせない。
チャン・ヨンソク監督は就任2年目となり、2017年は順位を落としたことで非難を浴びた。戦力補強に成功し、2018年シーズンはようやく本格的に戦える体制を整えた。念願の初優勝のためには残された課題も少なくないが、ベテランと若手が融合した理想のチームの完成は決して夢ではない。
【本拠地】
ソウル・高尺スカイドーム
2015年9月、ソウル特別市の南西部の九老区に完成した韓国初のドーム型野球場・高尺(コチョク)スカイドームは、2016年よりネクセンヒーローズの本拠地として利用されている。その他高校などアマチュア野球の大会や、人気アイドルグループや国外からのバンドなどによる公演など多目的に利用されている。ネクセンヒーローズは、本拠地として使用した日数だけソウル特別市側に使用料を払っている。
内野は大きく上段と下段に分かれている。下段は傾斜が緩く、グラウンドから離れた席だと前の観客などによりグラウンドが見づらいことがある。上段(3階席・4階席)へは下段の場内通路からのエレベーターなどがなく階段だけと不便かつ客席の傾斜が急である。2017年、WBC 1次ラウンド・プールAの開催に合わせて外野の両側に新しい電光掲示板が設置された。
高尺スカイドームの地下に飲食店街があり(野球場内からは直接行き来できない)、球場の正面広場(九一駅とは反対方向)の向かい側にも飲食店が並ぶ一角があるため、観戦前後の食事には困らない。
[交通アクセス]
首都圏電鉄京仁線・九一(クイル)駅から徒歩5分。この駅は安養川(アニャンチョン)の上にあり、2016年に高尺スカイドームのある西岸に出入口が新設された。ソウル駅から九一駅までは仁川(インチョン)方面の電車で20分程度。龍山(ヨンサン)など始発の仁川(インチョン)方面の急行は停車しないので要注意。ソウル都心部へは安養川を渡って20分程度の九老(クロ)駅、仁川方面へは隣の開峰(ケボン)駅を利用するようにも案内標識も設置されている。九老駅には急行も停車し、水原(スウォン)方面への電車との乗換駅にもなっている。
(文責:ふるりん)