DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  5月4日 SKフューチャースパーク−仁川SK幸福ドリーム球場

 2000年の球団創設時より、首都圏西部の仁川(インチョン)広域市を本拠地としてきたSKワイバーンズ。1982年発足の韓国プロ野球ではやや後発のチームであり、仁川広域市での地域密着をはかってきました(1982年から1999年まで現代ユニコーンスやその前身球団が仁川広域市を本拠地としていて、SKに仁川広域市を譲って将来のソウル市内移転を構想し2000年より水原市を暫定本拠地としていましたが、財政難で2007年シーズン終了後に解散しました)。
 
 本拠地の文鶴野球場こと仁川SK幸福ドリーム球場も年々施設が拡充されていますが、2015年、史跡の多い浅瀬に囲まれた緑豊かな江華(カンファ)島南東部に、二軍練習場・合宿場のSKフューチャースパークが完成しました。








 野球場は両翼98mと、95mしかない一軍の仁川SK幸福ドリーム球場よりやや広いです。
 野球場から少し離れたところに小さな町があり、食事などはそこで済ませていくのがよいと思われます。中には売店などもなく、事前に飲み物などは購入しておくべきです。
 アクセスは江華旅客自動車(バス)ターミナルから700番バス(40-50分間隔)で30分程度、公設運動場(コンソルウンドンジャン)で下車します。この700番バスは、仁川広域市内だとKORAIL銅岩(トンアム)駅、空港鉄道・黔岩(コマム)駅などを経由しています。なお、2016年7月末には、黔岩駅よりさらにSKフューチャースパークに近い仁川交通公社2号線・黔丹(コムタン)サゴリ駅が開業し、同駅付近を700番バスが通ると思われます。

 このSKフューチャースパークから700番バスに乗り(バス停に時刻表などはないので要注意)、1時間半以上かかりますが、仁川SK幸福ドリーム球場に近い(徒歩10分・仁川都市鉄道1号線でも1駅)仁川総合バスターミナルに到着します。もし平日、一軍・二軍ともにSKの主催試合がある場合、13時開始の二軍戦を15時過ぎまで見て、ちょうどいい時間に700番バスが来れば18時半開始の一軍戦に余裕をもって到着でき、ダブルヘッダー兄弟観戦も可能です。

 2016年シーズン、仁川SK幸福ドリーム球場ではまず、最寄りの仁川都市鉄道1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅からの案内標識(サイン)を一新しました。

 そして最大の目玉は、センターバックスクリーンに新設された超大型ビジョン・ビッグボードで、韓国プロ野球の本拠地では最大級の電光掲示板となっています。これにより旧来あったライトスタンド、レフトスタンド上部の電光掲示板2台は撤去されました。上部に港町・仁川を象徴する大型船、仁川国際空港を飛び立つ飛行機、また空港と松島(ソンド)新都心を結ぶ仁川大橋をイメージした装飾が施されています。





 観戦した5月4日のハンファ戦では試合前、4月24日のNC戦で個人通算100勝を達成したキム・グァンヒョン投手の記念セレモニーが盛大に開かれました。2007年SKに入団しエースとして3度の韓国シリーズ優勝に貢献、最多勝などのタイトルを獲得、北京オリンピックWBC(ワールドベースボールクラシック)、アジア大会、WBSCプレミア12などの国際大会韓国代表にも選ばれてきた左腕に盛大な拍手が送られました。なお、始球式はキム・グァンヒョンの妹がつとめ、兄が打席でそのボールを空振りしました。





 試合はSKが1回表4番チョン・ウィユンの満塁ホームランで先制し、リードを守り続けます。夜が更けてビッグボードがさらに輝きを増し、8回裏の攻撃の前には、仁川の港町ご当地ソング「沿岸埠頭(ヨナンブドゥ)」が流れファンたちが大合唱します。







 試合はSKが快勝し、ファンたちはきっと次はエースのキム・グァンヒョンの快刀乱麻の投球を見ようと期待に胸を膨らませて家路についたと思われます。仁川広域市に根を下ろして16年、緑豊かな江華島のフューチャースパークで育った有望な選手たちが、これまた緑に囲まれた仁川SK幸福ドリーム球場で仁川市民たちを大いに沸かせる姿が楽しみでなりません。


(5月4日、プロ初勝利を達成した26歳のムン・スンウォン。)


(文責:ふるりん