DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  プレーオフ : LG−トゥサン 展望

 2013年シーズン、LGは近年になく好調を維持し、8月以降は首位に立っていた時期もあったため、同じ蚕室野球場を本拠地とし上位を争ったトゥサンとの対決は大変な盛り上がりを見せた。2003年から2012年まで10年間プレーオフはおろか、ポストシーズンへ進出できず低迷が続いたLGと、粘り強く戦い準プレーオフを勝ち抜いたトゥサンは、2000年プレーオフ以来13年ぶりにポストシーズンで対決することとなった。この時は4勝2敗(当時は4戦先勝制)でトゥサンが勝利した。
 
 
 LGの強みは、9球団中1位のチーム防御率(3.72)の投手陣である。先発陣では、第1戦の予告先発となった右腕リュ・ジェグクがあげられる。2008年まで米国メジャーリーグ・レイズでプレーし、その後故障や兵役問題などで所属先がなかったが、2013年にLGと契約し、万全の状態に戻した5月ようやく韓国初登板を果たすと、先発ローテーションを守り続けチーム最多の12勝を記録した。そして韓国3年目となった外国人投手リズは、威力のある速球で最多奪三振(188個)のタイトルを獲得した。勝ち星こそ10勝どまりだったが、投球内容は最も安定していた。その他には初の規定投球回数到達、2ケタ勝利(10勝)をあげたアンダースローのウ・ギュミン、サイドハンドのシン・ジョンナク(9勝)があげられる。
 またLGの2位進出には、充実したリリーフ陣が欠かせなかった。チーム最多登板(64試合)のイ・ドンヒョンをはじめ、チョン・ヒョヌク、イ・サンヨル、リュ・テッキョンなど左右ともに経験豊富な選手たちが揃っていた。そして守護神ポン・ジュングン(38セーブ)が控え、精神的支柱となっている。
 
 LG打線はチーム打率(,282)は9球団中3位と悪くないが、広い蚕室野球場を本拠地とし、大砲タイプの選手がいなかったため、チーム本塁打数(59)は8位と迫力不足だった。だが首位打者でチームの顔であるイ・ビョンギュ(.348)をはじめとしてパク・ヨンテク、イ・ジニョン、チョン・ソンフンなど経験豊富な選手たちがそろい、つながり重視の打撃でチーム総得点は4位(616)と得点力がないわけではなかった。またチョン・ウィユン、ソン・ジュインなども自己最高の成績を残し、上位から下位まで切れ目のない打線となった。また機動力ではチーム最多盗塁のオ・ジファン(30個)が目立ち、内野のユーティリティーのキム・ヨンウィ(21個)が下位で活躍するなど、思わぬ伏兵も多いのがLG打線の特徴だった。
 
 これに対して、トゥサンは2日前の14日まで準プレーオフを5試合戦い、うち3試合が延長戦と消耗戦となってしまい、疲労はかなり累積していると思われる。公式戦では先発要員だったニッパートを途中から抑えにしたが、第5戦で9回裏同点3ランを浴びるなど、切り札不足は否めずリリーフには大きな不安がある。第1戦の予告先発ノ・ギョンウンへかかる責任は相手のリュ・ジェグクより大きい。先発陣も準プレーオフ第5戦で好投したユ・ヒィグァンがプレーオフでは第3戦以降でないと先発が難しいと思われ、もし第1,2戦を落としてしまうと、同じ条件でネクセンと戦っていた準プレーオフと比べ、公式戦終了から10日ほど休息をとったLGが相手であるため、かなりの劣勢に立たされてしまうと思われる。
 トゥサンは準プレーオフで第1,2戦と連敗したが、過去5年間で4度ポストシーズンに出場している経験を活かし、第3戦以降3連勝でプレーオフ進出を決めた。そして準プレーオフでは控え捕手チェ・ジェフン、代打の切り札チェ・ジュンソクなど、意外な選手の活躍が目立った。トゥサンは相手を上回っている経験を最大の武器に、優位に戦いを進めることが予想できるLG相手に粘り強い戦いを続けたい。なお、両チームの公式戦での対戦成績は8勝8敗と五分であった。