DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2021年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

11月4日より準プレーオフ:LGツインス-トゥサンベアース

 2021年プロ野球ポストシーズンプレーオフへと入り、レギュラーシーズン3位・LGツインスと、キウムヒーローズとのワイルドカード決定戦に勝利したトゥサンベアースとの対戦と、2020年と同じ組み合わせになった。トゥサンは2015年以降7年連続でポストシーズンに進出し、2020年までプロ野球史上最多タイとなる6年連続韓国シリーズ出場を果たしている。LGは3年連続のポストシーズン出場で、2016年以来となるプレーオフ進出を目指している。ポストシーズンでのシーズン過去の対戦成績はトゥサンの3勝2敗である。2020年の準プレーオフではトゥサンが2勝で勝利しプレーオフに進出した。第1戦の予告先発LGスアレス(※23試合・10勝2敗・防御率2.18)、トゥサンチェ・ウォンジュン(※29試合・12勝4敗・防御率3.30)と発表された。

 先に2勝したほうが、11月9日(予定)からのプレーオフに出場、レギュラーシーズン2位・サムソンライオンズと11月14日(予定)からの韓国シリーズKTウィズの出場が決定済み)出場権をかけて戦う。

※ ( )内は2021年レギュラーシーズンの成績。


【2021年準プレーオフ:LGツインス-トゥサンベアース 日程】

第1戦 : 11月4日  18時半  ソウル・蚕室
第2戦 : 11月5日  18時半  ソウル・蚕室
第3戦 : 11月7日  14時   ソウル・蚕室

注:第1戦と3戦はLG、第2戦はトゥサンが後攻。

 

 

【準プレーオフ展望】

 2020年の準プレーオフも同じLGとトゥサンの対決であったが、2021年は立場が逆である。2020年は3位扱いのトゥサンがワイルドカード決定戦でキウムに勝利した4位扱いのLG(2チームはレギュラーシーズンで同じ勝率も直接対決の結果でトゥサンが3位扱い)を迎え撃ったが、2021年はレギュラーシーズン3位のLGがワイルドカード決定戦でキウムに勝利した4位トゥサンを迎え撃つ。10月30日にレギュラーシーズンを終えて試合のなかったLGに比べ、11月1,2日のワイルドカード決定戦でキウム相手に1勝1敗で2試合を消化したトゥサンのほうがチーム全体の疲労度が高いため、不利だと思われる。

 LGの強みは10球団中1位のチーム防御率(3.59)だった投手陣である。韓国3年目の外国人選手ケリーがチーム最多勝(13勝)で先発投手陣の柱となった。第1戦の予告先発は韓国1年目ながら10勝を記録した外国人選手の左腕スアレスである。故障により9月は登板がなかったが、ポストシーズンに向けて10月から復帰し調子を上げている。この外国人選手2名で2勝しプレーオフへ進出するのがLGとしては最善のシナリオであろう。

 もし第3戦まで行われる場合、先発はプロ2年目の20歳の若手で8勝を記録し成長著しい右腕イ・ミンホが候補となる。2020年の準プレーオフでは第1戦で先発しトゥサン相手に敗戦投手となっており、前年の雪辱を期したいところだ。そのほかLGは30セーブを記録した抑えのコ・ウソク以外にも右のチョン・ウヨンイ・ジョンヨン、左のキム・デユチン・ヘスチェ・ソンフンキム・ユンシクなどリリーフは質、量ともにそろっている。ただしコ・ウソクが2020年東京オリンピックなどでも見せたようにやや大舞台で動揺してしまう傾向があることは不安材料だ。

 半面、LGの攻撃力には不安が残る。チーム総得点(654)、打率(.250)ともに10球団中8位で、大量得点はあまり望めない。2021年シーズン、打線で最も活躍したのは27歳のホン・チャンギで、選球眼を備えた1番打者として打率.328(出塁率.456)、23盗塁を記録した。主軸としてはチーム最多の17本塁打、96打点を記録した主将のキム・ヒョンス、16本塁打、82打点を記録したチェ・ウンソンなどがあげられるが、2020年は37本塁打を記録するも負傷によりシーズン途中退団となったラモス、その代役となるも低打率で準プレーオフの出場者名簿から外れたボーア(元阪神)など外国人選手が活躍できず迫力不足は否めない。7月下旬のシーズン中断期間にトレードでキウムからソ・ゴンチャンを獲得したが、大きな起爆剤にはならなかった。

 守備ではショートのオ・ジファンの負傷による不在が大きい。その他三塁のキム・ミンソン、捕手のユ・ガンナムを中心に経験豊富な選手を中心に比較的安定している。実績のある主軸打者が稼いだ得点を投手陣が少ない失点で逃げ切る必勝パターンに変わりはない。

 

 史上初の韓国シリーズ7年連続出場を目指すトゥサンだが、その道のりはかなり険しい。レギュラーシーズン4位は、10球団制となり14年ぶりの韓国シリーズ優勝を果たした2015年以降では最低の順位であり、同年からのワイルドカード決定戦の出場も初であった。1勝すれば準プレーオフへと進出できる有利な立場だったため第1戦で敗れても何とかなったが、レギュラーシーズンで4ゲーム差をつけられたLG相手に2勝するのは容易ではない。

 特に先発投手陣が苦しく、チーム最多の14勝、プロ野球新記録のシーズン奪三振数(235)を記録し、最優秀防御率(2.33)の個人タイトルを獲得した外国人選手の左腕ミラン(元福岡ソフトバンク)が肩の故障により準プレーオフの出場者名簿から外れた。また9勝を記録するもひじの手術で10月以降登板できなくなった外国人選手ロケットも同様に外れた。この2名の代役はおらず、韓国人では最多の12勝を記録し準プレーオフ第1戦の予告先発として発表されたチェ・ウォンジュンのほかには、ともに22歳の若手クァク・ピンキム・ミンギュが先発を任されると思われるが、LGと比べると先発投手陣は見劣りしてしまう。

 リリーフ陣では抑えのキム・ガンニュル、中継ぎのホン・ゴンヒィが柱となってきた。他にはイ・スンジンなどの右腕がそろうも、手薄な左腕では過去3度の韓国シリーズ優勝に経験してきた38歳の左腕イ・ヒョンスンが大舞台での経験値が高くピンチでの起用にも十分に応えられるであろう。ロングリリーフとして復調してきたイ・ヨンハ、成長著しい20歳の若手クォン・ヒィなどにも期待したい。

 攻撃陣に関してはチーム総得点(738)、チーム打率(.268)ともに10球団中2位と、LGよりも上回っている。韓国3年目の外国人選手で高打率(.317)のフェルナンデス、チーム最多本塁打(28)の右の大砲ヤン・ソックァン、チーム最多打点(102)で27本塁打の左の大砲キム・ジェファンと中軸打者はリーグ有数の迫力を誇る。特にヤン・ソックァンは2021年シーズン開幕前にトレードされた古巣LGを見返す絶好の機会である。ほかにもホ・ギョンミンパク・コヌチョン・スビンパク・セヒョクキム・インテなど大舞台の経験が豊富な選手がそろっているが、2019年の韓国シリーズ優勝に貢献したオ・ジェイル、チェ・ジュファンが2020年シーズン終了後にFAでサムソン、SSGへ移籍したため、かつてほどの圧倒的な強さは感じられない。

 トゥサンとしては投手陣に不安があるため、先発が失点を重ね早い回で降板したとしても慌てずに強力打線で取り返していくことが不利な状況でも勝機を見出すことにつながるであろう。

 

 同じ蚕室野球場を本拠地とする2チームの対決は強力投手陣のLG、経験豊富な野手たちがそろうトゥサンと対照的なチーム構成である。11月になり日中も気温が上がらなくなるが、大勢の観客が入場できるようになったポストシーズンの興奮を冷めさせない白熱の勝負を期待したい。

 

(文責:ふるりん