2012年は公式戦3位で2年ぶりにポストシーズンへ進出したが、準プレーオフでロッテに敗れた。オフにはかつての主力打者ホン・ソンフンをFAでロッテから復帰させるなど戦力補強も図ったが、投打ともに世代交代期にあり、若手の更なる台頭が望まれる。
【投手陣】
〈先発〉
ノ・ギョンウン、ニッパート、イ・ヨンチャン、キム・ソヌ、◎△オルソン
〈中継ぎ〉
チョン・ジェフン、ピョン・ジンス、△イ・ヘェチョン、キム・サンヒョン、ホン・サンサム、ユン・ミョンジュン、キム・ミョンソン
〈抑え〉
チョン・ジェフン、キム・ガンニュル
注 ： ◎は新戦力、△は左腕
2012年12勝と大きく成長したノ・ギョンウン、2年連続2桁勝利の外国人投手ニッパートが先発の柱になる。しかし先発ローテーションを守ったイ・ヨンチャンがキャンプ中に故障で離脱し手術を受け、復帰の目処が立っていない。3年ぶりの古巣復帰の予定だった外国人投手ヒメネス(元東北楽天)も故障でチームに合流できず、急遽新外国人左腕オルソンと契約したが、全くの未知数である。
リリーフでは同じく故障で手術を受けたホン・サンサムの不在が大きい。また、2012年抑えで35セーブを記録した外国人投手プロクターを不安定だったという理由で見切ったが、その代役を探しきれていない。2012年は故障で不在だったかつての守護神チョン・ジェフン、キム・ガンニュルなどを日替わりで起用していくことになるかもしれない。また全体的に左腕不足で、2011年トゥサン復帰以降不振が続くベテランのイ・ヘェチョン(元東京ヤクルト)の復活に期待したい。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
１．イ・ジョンウク（中） △
２．オ・ジェウォン（二） △
３．キム・ヒョンス（左） △
４．ホン・ソンフン（指） ◎
５．キム・ドンジュ（三）
６．チェ・ジュンソク（一）
７．ヤン・ウィジ（捕）
８．チョン・スビン（右） △
９．ソン・シホン（遊）
注 ： ◎は新加入、△は左打者
〈控え〉
(捕手) チェ・ジェフン、パク・セヒョク
(内野手) ユン・ソンミン、ホ・ギョンミン、コ・ヨンミン、キム・ジェホ、△チェ・ジュファン
(外野手) イム・ジェチョル、ミン・ビョンホン、パク・コヌ、△オ・ヒョングン
打線強化のため、2008年まで主力打者として活躍していて、ロッテでも主軸を打っていたホン・ソンフンがFAで復帰したのが目を引く。2012年は故障で離脱していたベテランのキム・ドンジュ、チェ・ジュンソクが復調すれば強力打線が復活する。やや衰えの見られるイ・ジョンウク、オ・ジェウォンと盗塁王の実績がある打者たちを、キム・ヒョンスなど中軸が返す得点パターンが基本となりそうだ。
それと比べ、内外野ともに控えの層があまり厚くない。基本的に野手は高齢化が進んでいて、新陳代謝が望ましい。軍から除隊されたばかりの22歳の若手パク・コヌに期待したい。
就任2年目のキム・ジヌク監督はようやくチームを掌握し、自分が育てた選手と実績のあるベテラン選手を融合させて2年連続の上位進出を狙う。投打ともに不安な点が多いが、世代交代期にあるチームで新戦力の台頭を期待したい。
【本拠地】 ソウル・蚕室野球場
首都ソウルの南東部にある、韓国を代表する3万人収容の大型野球場。トゥサンだけでなくＬＧの本拠地にもなっていて、ライバル意識の強い両チームの対戦はソウルダービーということで他にない盛り上がりを見せる。また、トゥサン、ＬＧがどちらとも韓国シリーズに出場しなくても、他球場の収容人数は1万人台が多く、観客動員を増やすため第5戦以降はこの球場で試合が行われる。内野の場内通路には売店のみならず子供用の遊戯施設や、無料でインターネットが利用できるパソコンも設置されている。
両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、大変ホームランの出にくい球場である。また比較的トゥサンファンは女性率が高く、応援の時は黄色い歓声が球場内に響くことも多い。また球場のグッズショップは、売り場が広くないので週末の試合だと外に行列ができていることがあるが、商品の多様性に乏しい。
なお入場料金であるが、平日より土日・祝日は料金が割り増しとなる。内野席はすべて指定席となり、スタンド下層部ホームベース寄りのブルー指定席(平日 : 1万2000ウォン、土日・祝日 : 1万5000ウォン)、外野寄りのレッド指定席(平日 : 1万ウォン、土日・祝日 : 1万2000ウォン)に分かれている。内野スタンド上層部はイエロー席(平日 : 9000ウォン、土日・祝日 : 10000ウォン)。外野はグリーン席(平日 : 7000ウォン、土日・祝日 : 8000ウォン)として自由席となっている。
またバックネット裏の指定席は、テーブル席が4万ウォン、VIP席が6万ウォンとなっている(平日、土日・祝日ともに同一料金)。
（3月22日現在の為替レート：1万ウォンが約850円。）
近年プロ野球人気が高いため、特に天気の良い4月後半から6月前半までの土日・祝日の試合を観戦する場合は、できる限り早く球場に行くのが望ましい。試合開始1時間以上前から長蛇の列ができていることが目立つ。熱狂的なファンの多いロッテ、キア、同じ蚕室野球場のライバルＬＧとの対戦では、なおのこと混雑が予想される。
地下鉄・総合運動場駅側の出入口(外野3塁側)には、プロ野球8球団のグッズを扱っているショップもある。また、野球場から総合運動場駅と逆の方向に歩いて、蚕室総合運動場(ソウルオリンピックスタジアム)の横には、野球などのスポーツ用品店が並んでいる一角があり、試合開始前に時間があればのぞいてみるのもいい。
球場から地下鉄で1駅離れた三成(サムソン)駅付近には、COEX(韓国総合貿易センター)モールがあり、昼間はショッピングや食事、夜は野球観戦というプランも立てやすい(野球場から徒歩でも10分少々)。COEXのビル内には都心空港ターミナルがあり、金浦空港・仁川空港へのリムジンバスが頻繁に出ていて、空港からのアクセスも良い。
［交通アクセス］
ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。
なお、地下鉄2号線・8号線の蚕室(チャムシル)駅は最寄り駅ではないので要注意。
（文責：ふるりん）
