DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   SK、サヨナラ勝ちでチーム史上シーズン最多勝利


 2010年シーズンの公式戦全日程が26日終了した。公式戦の総観客動員数は592万8626名と、史上最多記録を更新した。(従来の記録は2009年の592万5282名) ポストシーズンは9月29日より、準プレーオフ:ロッテ−トゥサンが開幕となる。


ネクセン 4−5 SK  (仁川・文鶴) 
(勝)チョン・デヒョン 4勝1敗4S  (敗)ソン・スンナク 2勝3敗26S 
 ネクセンは2回表、SKの先発イ・スンホ(背番号20)から5番カン・ジョンホ、6番チャン・ヨンソクのタイムリーで2点を先制し、3回表SKの2番手イ・ジェヨン、3番手チェ・チュンモから3番ユ・ハンジュンのタイムリー、7番カン・グィテへの押し出しの四球で2点を追加した。ネクセンの先発クム・ミンチョルは7回途中まで無失点と好投したが、SKはチョン・ビョンドゥ、チョン・ヒィサンが追加点を許さなかった。すると8回裏、SKはネクセンの5番手ムン・ソンヒョン、7番手ソン・スンナクから2番パク・チェサン、代打パク・チョンファンのタイムリーで4−4の同点に追いついた。
 そしてSKは9回裏ソン・スンナクから途中出場の5番チェ・ドンスのタイムリーでサヨナラ勝ちし、公式戦最終戦でチーム史上最多となる84勝目をあげ、韓国シリーズに向けて本拠地・文鶴野球場のファンに期待を抱かせた。9回表勝ち越し点を何とか防いだ6番手チョン・デヒョンが4勝目。打線ではパク・チェサンが3安打2打点と活躍。ネクセンは打線がつながらず、ダメ押し点を奪えずSKの粘りの前に屈した。打線では4番ソン・ジマンが3安打と活躍。2010年シーズン最終戦となったこのカードは、SKが12勝7敗と勝ち越した。
 2010年で球団創設3年目のネクセンヒーローズは、イ・テックン、イ・ヒョンスン、チャン・ウォンサムをオフの2009年末に、マ・イリョンを3月の示範競技中に、ファン・ジェギュンを7月にトレードで放出するなど、苦しい財政事情で主力選手が相次いで球団を去ってしまい、初のポストシーズン進出はならなかったどころかハンファとの最下位争いを繰り広げ、7位に終わった。


(試合後の公式戦終了セレモニーで打ち上げられた花火を見るSKの選手たち。)
  

サムソン 6−1 LG  (ソウル・蚕室) 
(勝)チャ・ウチャン 10勝2敗  (敗)チェ・ソンミン 2勝2敗
本塁打) サムソン : チェ・テイン 14号、イ・ヨンウク 4号
 サムソンは2回表、LGの先発チェ・ソンミンから1番キム・サンス、2番パク・ハニのタイムリーで2点を先制し、3回表6番チェ・テインの本塁打で1点を追加した。LGはその裏、サムソンの先発チャ・ウチャンから5番チョン・ソンフンのタイムリーで1点を返した。サムソンは5回表チェ・テインの犠牲フライで1点を追加し、チャ・ウチャンは相手の反撃を許さない。LGもパク・ヒョンジュン、大卒新人シン・ジョンナクなどが追加点を許してこなかったが、サムソンは9回表LGの5番手岡本(元埼玉西武)から途中出場の5番イ・ヨンウクの2ランでリードを広げた。
 チャ・ウチャンは9回裏のマウンドも上がり相手の反撃を断ち、2位サムソンが公式戦最終戦を勝利で飾り、プレーオフ(10月7日開幕予定)に向けてチームのムードを高めることができた。プロ5年目にして初の2ケタ勝利となる10勝目をあげた左腕チャ・ウチャンは、最高勝率(10勝以上の投手が対象)のタイトルも確定させた。LGでは1番イ・デヒョンが盗塁1個を決め盗塁数単独トップ(66個)に立ち、すでに公式戦が25日で終わったキム・ジュチャン(ロッテ)との激しい盗塁王争いを制し、2007年以来4年連続で単独盗塁王が確定した。2010年シーズン最終戦となったこのカードは、サムソンが11勝7敗と勝ち越した。
 パク・チョンフン新監督を迎えて2010年シーズンに望んだLGは、過去2年間より健闘したものの、夏場に4位争いからも脱落し6位に終わり、8年連続ポストシーズン進出に失敗した。だがこの試合も2万人近い観客が集まり、ポストシーズン進出に失敗した球団としては初となる年間100万人以上の観客を動員し、2011年こそ上位進出というファンの期待と夢を感じさせた。
  

(最多勝率を確定させる10勝目をあげたチャ・ウチャン。)


キア 3−11 ハンファ  (大田) 
(勝)アン・スンミン 4勝4敗  (敗)ヤン・ヒョンジョン 16勝8敗
本塁打) ハンファ : チェ・ジンヘン 32号、チョン・ウォンソク 7号
 キアは1回表、ハンファの先発の高卒新人アン・スンミンから4番チェ・ヒィソプのタイムリーで1点を先制したが、ハンファは1回裏、キアの先発ヤン・ヒョンジョンから4番チェ・ジンヘンの3ランで逆転した。キアは2回表9番イ・ヒョンゴンの内野ゴロの間に1点を返すが、ハンファはその裏1番チョン・ウォンソクの本塁打で1点を追加した。ハンファは4回裏9番オ・ソンジン、3番チョン・ヒョンソクのタイムリーで7−2としてヤン・ヒョンジョンをノックアウトすると、代わったキアの2番手ソン・ヨンミンからチェ・ジンヘンのタイムリーでもう1点を追加した。さらに6回裏キアの4番手の高卒新人シム・ドンソプからチェ・ジンヘンのタイムリーで1点を追加した。
 キアは7回表2番シン・ジョンギルのタイムリーで1点を返したが、ハンファはその裏キアの5番手ユン・ソンミンから8番ハン・ユンソプのタイムリーで1点、8回裏途中出場の3番キム・ガンのタイムリーで1点を追加した。最後は2番手イ・ドンヒョンが抑え、最下位ハンファが本拠地・大田にて公式戦最終戦を大勝で飾り、対キア戦の連敗を11で止めた。7回を3失点に抑えたアン・スンミンは4勝目で、今後の活躍を期待させた。打線では主砲に成長したチェ・ジンヘンが3安打1本塁打5打点と活躍。キアは最多勝トップタイの17勝目を目指したヤン・ヒョンジョンが4回途中7失点でノックアウトされ、初のタイトル獲得に失敗した。なお、広州アジア大会韓国代表に選出されたユン・ソンミンも、2回を2失点と結果を残せなかった。2010年シーズン最終戦となったこのカードは、キアが15勝4敗と大きく勝ち越した。
 2009年、12年ぶりの韓国シリーズ優勝を達成したキアは、相次ぐ主力選手の故障や、外国人投手が期待通りの活躍をしなかったこと、そして6月から7月にかけての16連敗で優勝戦線に残れず、2010年シーズンは5位に終わりポストシーズン進出すらならず、前身のヘテのような黄金時代を築く足がかりの1年とはならなかった。キム・テギュンイ・ボムホの主軸打者が日本プロ野球に進出し、かつての主力選手たちが引退していくハンファは、ハン・デファ監督新体制の下での再建の1年となり、2010年シーズンは最下位に終わってしまった。


(2010年シーズンを終えて本拠地・大田のファンたちに挨拶するハンファの選手たち。)