DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  キア、8回に集中打を浴び逆転負け

読売 9−4 キア (日本・長崎ビッグNスタジアム

(勝)野間口  (セーブ)オビスポ  (敗)クァク・チョンチョル
本塁打) 読売 : 小笠原、阿部

 2009年韓国シリーズ優勝チームのキア、日本シリーズ優勝チームの読売が、日韓王者の座をかけて戦う日韓クラブチャンピオンシップは14日13時、快晴のもと日本・長崎市のビッグNスタジアム(長崎県営野球場)で行われた。韓国から約300人のキア応援団がかけつけ、ライトスタンドを埋めた日本トップクラスの人気球団である読売に負けじと、熱い応援合戦も繰り広げられた。


(韓国からのキア応援団。)

 キアの先発は21歳の左腕ヤン・ヒョンジョン(12勝5敗、防御率3.15)で、数日前に風邪を引いていて万全の状態とは言いがたかった。読売は1回表ヤン・ヒョンジョンから先頭の1番坂本が四球を選び、2塁へ盗塁されたが後続を断った。するとキアは1回裏読売の先発ゴンザレスから先頭の1番イ・ジョンボム(元中日)が四球で出塁すると、1死後2塁へ盗塁を決め、韓国シリーズ第7戦でサヨナラ本塁打を打った3番ナ・ジワンがセンター前へ運びタイムリーを打ち、1点を先制した。先制点をもらったヤン・ヒョンジョンは3回表、先頭の8番イ・スンヨプにこの試合初の被安打となる2塁打を打たれたが、後続を断ち韓国を代表するスーパースターに同点のホームを踏ませなかった。


(1回裏イ・ジョンボムが2塁へ盗塁を決める。)

 キアは4回裏読売の2番手内海から先頭の4番チェ・ヒィソプがヒットで出塁したが、5番キム・サンヒョンが内野ゴロ併殺打でチャンスをつぶすと、次の6番アン・チホンがヒットで出塁と、ちぐはぐな攻撃で無得点に終わった。だが5回裏1死後9番イ・ヒョンゴン、イ・ジョンボム、2番キム・ウォンソプの3連打で満塁のチャンスを作ると、ナ・ジワンのこの試合2本目となるタイムリーで2点を追加した。


(3打点と活躍したナ・ジワン。) 

 ヤン・ヒョンジョンは5回まで無失点に抑えていたが、読売は6回表3番小笠原の本塁打で1点を返し、ここで2番手ソン・ヨンミンに交代となった。その裏キアは読売の3番手野間口の前に初めて三者凡退に終わると、流れが変わってしまい、読売はソン・ヨンミンからヒットと四球で無死1,2塁のチャンスを作ると、ここでキアは3番手クァク・チョンチョルをマウンドに送ったが、7番阿部に逆転3ランを打たれてしまう。この回代わったキアの4番手チョン・ヨンウンも5番亀井、代打工藤にタイムリーを打たれ、3点を追加され読売は一挙7点とビッグイニングを作った。
 読売は9回表キアの6番手ユ・ドンフンから工藤の2打席連続タイムリーで1点を追加し、キアも9回裏読売の4番手オビスポからイ・ヒョンゴンのタイムリーで1点を返したが、反撃もここまでで4−9と逆転負けした。ほぼ1軍の主力選手がそろった読売と、ガトームソン、ロペスの両外国人投手、軍事基礎訓練中のユン・ソンミン、イ・ヨンギュが来日せず、正捕手のキム・サンフンも足の故障で出場しないなど、戦力的にベストから程遠いキアとの差はあまりにも明白であった。だがヤン・ヒョンジョンは6回途中まで1失点、奪三振6個と好投し、韓国シリーズMVPの勢いをそのまま維持していたナ・ジワンが3打点と、敗戦の中にも光るものがあり、まだ若い2人の選手には大きな自信となったはずだ。

 勝利した読売には賞金2000万円が、敗れたキアにも賞金500万円が授与された。こうして1試合限りの日韓王者決定戦は幕を閉じた。また、2009年は諸事情でアジアシリーズが開催されず、その代替として日韓クラブチャンピオンシップが行われたが、2010年以降のアジアのプロ野球国際大会のあり方は、問題点や未熟な部分が目立ち、依然として不透明である。また、2010年は11月後半に中国で広州アジア大会が開催されるため、プロ選手が主体となって野球代表チームが編成される韓国や台湾と、アマチュア選手主体の日本との間での日程調整が難しいのではないかと見られる。

(文責 : ふるりん)