DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  キアが史上最多の11度目の韓国シリーズ優勝

2017年 韓国シリーズ 第5戦

キア 7−6 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)ヘクター 1勝1敗  (セーブ)ヤン・ヒョンジョン 1勝1S  (敗)ニッパート 1勝1敗
本塁打) キア : イ・ボムホ 1号


 キアが第2戦以降3連勝と勢いに乗った韓国シリーズ第5戦は、超満員の観衆を集めて始まった。

 
 キアは1回表にトゥサンの先発ニッパートから先頭の1番イ・ミョンギがヒットで出塁し、2番キム・ジュチャンの犠打で2塁へ進み、3番バーナディーナのヒットで先制点のチャンスを作った。しかしダブルスチール失敗などで無得点に終わった。トゥサンも1回裏にキアの先発ヘクターから2番オ・ジェウォンがヒットで出塁したがチャンスとはならなかった。キアは2回表に5番ナ・ジワンのヒット、8番キム・ミンシクの四球でまたもやチャンスを作ったが生かせなかった。トゥサンは2回裏にオ・ジェイルの二塁打、6番エバンス(元東北楽天)への四球、犠打で2,3塁のチャンスを作ったがこちらも得点できなかった。
 キアは3回表にイ・ミョンギがヒットで出てキム・ジュチャンの犠打で2塁へ進むとバーナディーナのタイムリーで1点を先制した。その後4番チェ・ヒョンウのヒット、ナ・ジワンへの死球で満塁のチャンスを迎え、7番イ・ボムホ(元福岡ソフトバンク)の自身韓国シリーズ初本塁打となる満塁弾で4点を追加した。キアは4回表に2番キム・ジュチャンへが死球で、トゥサンは4回裏にオ・ジェイルが四球でそれぞれ出塁するも後続が断たれた。トゥサンは5回裏に先頭の8番ヤン・ウィジがヒットで出塁するも9番リュ・ジヒョクが併殺打に倒れ、その後ミン・ビョンホンのヒット、オ・ジェウォンの四球でまたもやチャンスを作るが得点できないなど、打線がつながらなかった。


(3回表、イ・ボムホ満塁本塁打。)

 キアは6回表にキム・ミンシクの二塁打でチャンスを作り、9番キム・ソンビンのタイムリーで1点を追加しニッパートをノックアウトした。さらに代わったトゥサンの2番手ハム・トクチュが暴投で2塁へ走者が進み、キアはここでイ・ミョンギのタイムリーでもう1点を追加した。トゥサンは6回裏にもオ・ジェイルが四球で出塁し、相手の暴投で2塁へ進むも得点できなかった。キアは7回表に相手のエラーで6番アン・チホンが出塁したが得点できなかった。
 トゥサンは7回裏にヤン・ウィジ、代打チョン・ジンホの連打でチャンスを作り、ミン・ビョンホン、オ・ジェウォンのタイムリーで2点を返した。パク・コヌに死球を与えたところでキアは2番手シム・ドンソプを登板させたが、トゥサンはオ・ジェイルのタイムリーでさらに2点を返した。さらに代わったキアの3番手キム・セヒョンからエバンスのタイムリーで1点を返し、7番チェ・ジュファンの内野ゴロの間に6-7と1点差まで追い上げたが同点とはならなかった。トゥサンは8回裏に先頭のクク・ヘソンがヒットで出塁したが、代わったキアの4番手キム・ユンドンが同点を許さなかった。
 トゥサンの3番手キム・ガンニュルは9回表まで追加点を与えなかった。キアは9回表にトゥサンの4番手イ・ヒョンスンからナ・ジワン、アン・チホンへの連続四球でチャンスを作ったが得点できなかった。トゥサンは9回裏にキアの5番手ヤン・ヒョンジョンからキム・ジェファンへの四球、相手のエラーや途中出場の7番ホ・ギョンミンへの四球で1死満塁と逆転のチャンスを作ったが、後続が断たれてしまい、キアが1点差で逃げ切り勝利し、第2戦以降は4連勝で対戦成績を4勝1敗とし、8年ぶり11度目の韓国シリーズ優勝を達成した。第5戦ではイ・ミョンギが3安打1打点と活躍。






(韓国シリーズMVPを受賞したヤン・ヒョンジョン。)

 
 キアは前身のヘテ時代から通算して11度目の出場となった韓国シリーズすべてで優勝と、8年ぶりの出場だったにもかかわらず、3年連続出場と経験豊富なトゥサンを相手に伝統ともいうべき無類の強さを発揮した。2015年からキアを率いているキム・ギテ監督は、初采配となった韓国シリーズで見事に優勝へ導いた。韓国シリーズMVP(最優秀選手)には第2戦で完封勝利を記録し、第5戦では9回裏の最後のマウンドに上がって見事に相手の反撃を断ったヤン・ヒョンジョンが選ばれ、レギュラーシーズンでの最多勝(20勝)と合わせて2017年シーズンは自身最高の内容だった。
 チーム史上初の韓国シリーズ3連覇を目指したトゥサンは、シーズン前半で出遅れキアに首位独走態勢を許し後半追い上げたものの、レギュラーシーズン2位でのポストシーズン出場では立場的に厳しく、NCとのプレーオフを難なく勝ち抜いても韓国シリーズでは第2戦以降打線が思うようにつながらず、主導権を握れず4連敗で終わってしまった。


 こうして3月31日にレギュラーシーズン開幕から始まったプロ野球2017年シーズンは、キアタイガースの8年ぶり11度目の韓国シリーズ優勝で幕を閉じた。これによってプロ野球は基本的にオフシーズンとなるが、11月16日から一部の若手選手たちは初開催のプロ野球アジアチャンピオンシップ(日本・東京ドーム)に出場し、プロ野球2018年シーズン、同年に予定されているジャカルタパレンバンアジア競技大会(インドネシア)など今後の国際大会に向けての貴重な経験を積むことになる(詳細は後日掲載)。
 


(文責:ふるりん