DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  5月3日 ハンファイーグルス−キアタイガース(群山・総合運動場野球場)

 5月3日、ソウルを出発し全羅北道の地方都市、群山(クンサン)へプロ野球を観戦しに行きました。
 以前はサンバンウル(1999年限りで解散)、キアが準本拠地として利用していた群山の野球場ですが、2006年以降プロ野球の開催がなく、今年4年ぶりにプロ野球の試合があるということで、5月1日から3日までの3連戦は、プロ野球人気の上昇も追い風となり大入りの満員となりました。


試合開始前、入場券売り場にはこのような長蛇の列が。


 韓国西海岸有数の港町として知られる群山は全羅北道に位置し、地元球団といえば比較的近い光州が本拠地のキアとなりますが、町の北側を流れ河口が広がる錦江(クムガン)という川の向こう側はハンファの地元の忠清南道であり、3塁側にはハンファファンも多数詰め掛けていました。
 しかし応援の中心は何と言っても1塁側キア応援席です。
 穏やかな晴天が広がる絶好の野球日和だったこともあり、場内は座席だけでなく、通路にもびっしりと観客が座っていました。




 この野球場は長らくプロ野球が行われませんでしたが、群山で高校野球が盛んなこともあり(多数のプロ選手を輩出した群山商高もある)、2007年に改装され座席などは比較的きれいです。収容人数は1万1000人程度と小ぢんまりとし、地方球場らしいのんびりしたムードが漂っています。



 僕は今回友人から紹介していただいたキアの私設応援団の人たちと観戦しましたが、日本人で韓国のプロ野球に関心がある、と韓国の人々に話すと、日本のプロ野球のほうがドーム球場もあって施設が立派なのに、なぜわざわざ韓国の野球を見るのか、と質問してきます。
 それに対して、僕はこの群山の野球場のような、日本のプロ野球が失ってしまったものがあるからだと答えることが多いです。
 韓国では最近ドーム球場建設の計画が本格化していますが、野球はこの群山の野球場のように、青空の下で選手たちがプレーしてこそ醍醐味があるのだ、ということも忘れないでほしいです。


 試合はハンファが1回表キアの先発ロペスから6点を奪い、9点をリードしていましたが、途中からエースのリュ・ヒョンジンが崩れ、キアが6点を返しますが、ハンファが何とか逃げ切りました。
 この群山の野球場では、今年8月7−9日にSK−キア戦が行われます。ソウルからは決して近くなく、日本語の案内もほとんどない街ですが、都合のつく方はぜひ足をお運びください。旧市街地には韓国最大級の日本式家屋が残る地区もあり観光名所や映画のロケ地として知られ、海産物市場では豊富な西海岸の海の幸も楽しめます。


(群山の旧市街地に残る文化財に指定された日本式家屋。)

 群山へはソウルから高速バスで3時間、列車では3時間半前後で、総合運動場(チョンハプウンドンジャン)へは高速・市外バスターミナルからタクシーで10分程度です。



(文責 : ふるりん