DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2次ラウンド緒戦、メキシコに逆転勝ち  18日(韓国時間)準決勝進出をかけ日本と対戦 

メキシコ 2−8 韓国  (米国カリフォルニア州サンディエゴ・ペトコパーク

(勝)チョン・ヒョヌク 1勝  (敗)ペレス 1敗
本塁打) 韓国 : イ・ボムホ 2号、キム・テギュン 2号、コ・ヨンミン 1号

 韓国代表は韓国時間16日(現地時間15日)、2009年WBC2次ラウンドの緒戦、メキシコ戦を米国カリフォルニア州サンディエゴ、ペトコパークで迎えた。同球場は前大会で韓国代表が準決勝で日本に敗れた地であり、そのときの悔しさを晴らすためにはこの試合勝利が求められていた。またメキシコ代表にはここを本拠地とするサンディエゴパドレスの選手も多く、決して韓国有利とはいえない状況だった。


 韓国代表の先発は、1次ラウンドで好投しエース格となった左腕リュ・ヒョンジン(ハンファ)で、打線の爆発により1次ラウンドB組を勝ち抜いたメキシコ相手に、1回表は三者凡退に抑えた。打線は1次ラウンド最終戦の日本戦(9日)と比べ、イ・ヨンギュ(キア)とイ・ボムホ(ハンファ)の打順が入れ替わっただけで、唯一のメジャーリーガーでひじ痛などにより状態が思わしくないチュ・シンス(クリーブランドインディアンス)はスタメンから外れていた。1回裏、メキシコの先発で米国・メジャーリーグで活躍する左腕オリバー・ペレス(ニューヨークメッツ)から1番イ・ジョンウクの四球、3番キム・ヒョンス(トゥサン)のヒットで1死1,2塁のチャンスを作るが、ここは4番キム・テギュンが内野ゴロの併殺に倒れた。
 するとメキシコは2回表、先頭打者の4番カントゥ(フロリダマーリンズ)がヒットで出塁すると、5番のスコット・ヘアストーン(サンディエゴパドレス)のセカンドへの内野ゴロで併殺が捕れず、1死1塁とチャンスが続く。結果的にこれが響き、ヒットと四球で2死満塁とピンチを招くと、9番オージー・オヘダ(アリゾナダイヤモンドバックス)のタイムリーでメキシコが2点を先制した。だが韓国もその裏6番イ・ボムホ本塁打で1点を返すと、7番イ・ヨンギュもヒットで続く。1死後イ・ヨンギュが盗塁を決め2塁へ進塁すると、9番パク・キヒョク(ロッテ)の内野ゴロをセカンドのエドガー・ゴンザレス(サンディエゴパドレス)が1塁へ悪送球してしまい、その間に走者が生還し2−2の同点に追いついた。

 リュ・ヒョンジンは3回表エイドリアン・ゴンザレス(サンディエゴパドレス)の打球を足に受け、2死を取ったがスコット・ヘアストーンにヒットを打たれた場面で2番手チョン・ヒョヌク(サムソン)に交代する。チョン・ヒョヌクは後続を断ち、4回表も続投し無失点に抑えた。すると韓国は4回裏先頭のキム・テギュン本塁打で1点を勝ち越した。メキシコは5回表チョン・ヒョヌクからヒットと四球で1死1,2塁のチャンスを作り、ここでカントゥの強烈な内野ゴロをサードのイ・ボムホが2塁へ送球したがアウトが取れず、韓国は1死満塁の大ピンチを迎えた。ここで韓国はセカンドをチョン・グヌ(SK)から守備に定評のあるコ・ヨンミン(トゥサン)に代え、チョン・ヒョヌクは続投となった。チョン・ヒョヌクは期待に応え、後続の2人を抑え韓国が1点のリードを守った。


(リリーフで力投を続けたチョン・ヒョヌク。)


 韓国は5回裏、途中出場のコ・ヨンミンがオリバー・ペレスからソロ本塁打を打ち、リードを2点に広げた。チョン・ヒョヌクは6回も続投したが、1死を取ってプレシッチへ1球を投げたところで、先を考え40球に達する前に降板した。代わった3番手チョン・デヒョン(SK)は後続を断ち、期待に応えた。韓国は6回裏メキシコの2番手デセンス(ニューヨークメッツ、元読売)から5番イ・デホ(ロッテ)、イ・ボムホのヒットなどでチャンスを作り、代わった3番手ラファエル・ディアス(元西武)から8番パク・キョンワン(SK)が四球を選び、1死満塁のチャンスを作った。しかし後が続かず絶好の機会を逃した。

 メキシコは7回表、ロッテでプレーし韓国をよく知るカリーム・ガルシア(元オリックス)が先頭打者としてヒットで出塁すると、何とここで韓国は3番手として1次ラウンドの日本戦(7日)で大量失点しノックアウトされたキム・グァンヒョン(SK)をマウンドに送る。キム・グァンヒョンは2人を抑えた後、4番手ユン・ソンミン(キア)に交代し、メキシコの4番カントゥは三振に倒れ韓国はピンチを脱した。
 すると韓国は7回裏先頭のコ・ヨンミンのセーフティーバントなどで無死1,2塁のチャンスを作ると、代わったメキシコの4番手で2008年の一時期ロッテに在籍していたデービッド・コルテスからダブルスチールで2,3塁とチャンスを広げる。ここでキム・テギュンが2点タイムリーを打ち、さらに代わったメキシコの5番手デニス・レイエスからイ・ヨンギュの犠牲フライで1点、またメキシコの6番手ルイス・アヤラ(ミネソタツインズ)からパク・キヒョクのタイムリーで1点を追加し、この回合計4点を奪い試合をほぼ決めた。


(途中出場ながら攻守に活躍したコ・ヨンミン。)


 ユン・ソンミンは8回表を三者凡退に抑え、9回表のマウンドは今大会登板機会のなかった5番手オ・スンファン(サムソン)が上がった。ヒット1本を打たれたが後続を断ち、韓国は強豪メキシコ相手に見事な逆転勝ちで2次ラウンド緒戦に勝利した。
 
 打線はチュ・シンスを外したことでつながりがよくなり、本塁打3発と一発攻勢だけでなく相手のミスにも確実に付け込んで終盤追加点を奪い、リリーフ陣の負担を軽くした。特に決勝本塁打を打ったキム・テギュンは3打点と、イ・スンヨプ(読売)が抜けて心配された主砲の不在を感じさせなかった。また5回表途中から守備固めで入ったコ・ヨンミンが追加点となる本塁打を打つなど、攻守に活躍したのも大きかった。
 投手陣ではリュ・ヒョンジンが2回に制球を乱し2点を失い3回途中で降板したが、2番手チョン・ヒョヌクが1次ラウンド同様好調を維持し、2度のピンチを切り抜けた。また3番手に不振だったキム・グァンヒョンを持ってくるキム・インシク監督の大胆な采配も光り、ユン・ソンミンの好投などリリーフ陣の質の高さも目立った。消極的な采配で継投が後手後手に回り、どんどん点差を広げたメキシコのベンチワークとはすべてが対照的だった。

 これで韓国代表は韓国時間18日12時(現地時間17日)から、16日緒戦でキューバに勝った宿敵・日本と準決勝進出をかけて今大会3度目の対戦をすることになった。優勝候補のキューバに快勝した日本と、緒戦で鮮やかな逆転勝ちで地力の差を見せた韓国との対決は、これまでの2度の対戦以上に熱戦となることが期待され、キム・インシク監督以下選手たちの士気も非常に高い。2大会連続のベスト4進出に当たって、これ以上ない最強の敵が韓国代表の前には立ちはだかっている。