DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  日本プロ野球・読売との練習試合で完封負け  

 2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)に出場する韓国代表チームは3日、会場の日本・東京ドームで大会前最後の実戦となる日本プロ野球・読売との練習試合を行った。韓国代表の先発は、北京五輪ではリリーフとして活躍した右腕ユン・ソンミン(キア)だった。なお、2006年の前大会で主砲として活躍したが、今大会は出場を辞退したイ・スンヨプが読売の5番でスタメン出場した。

 すると読売は1回表ユン・ソンミンから2死2,3塁の場面でイ・スンヨプのタイムリーで2点を先制した。ユン・ソンミンは2回表にも1死1,2塁のピンチを迎えたが、後続を断ち追加点を与えなかった。韓国打線は読売の先発福田から2回裏5番キム・テギュン(ハンファ)、7番チェ・ジョン(SK)のヒットで2死1,3塁のチャンスを作ったが、8番カン・ミンホ(ロッテ)が凡退してしまった。すると読売は3回表、韓国の2番手ファン・ドゥソンからラミレスの本塁打で1点を追加した。
 韓国は4回表から、2月28日のオープン戦でひじを打撲したイム・チャンヨン(東京ヤクルト)を登板させた。イム・チャンヨンはヒットとバントで1死2塁のピンチを招いたが、後続の2人を連続三振に取り事なきを得た。5回表は4番手イ・スンホ(SK)を登板させると、イ・スンヨプなどのヒットで2死1,2塁のピンチとなった。さらにここで代わった5番手イ・ジェウ(トゥサン)が四球を出し満塁となったが、続く中井を内野ゴロに打ち取り追加点を許さなかった。


(1回を無失点に抑えたイム・チャンヨン。)

 韓国打線は福田だけでなく読売の2番手野間口からも得点を奪えない。韓国は7回裏読売の3番手豊田から6番キム・ヒョンス(トゥサン)、チェ・ジョンのヒットで2死1,2塁のチャンスを作ったが、途中出場の8番イ・ジョンウク(トゥサン)は三振に倒れた。8回表には6番手としてチョン・デヒョン(SK)が登板し、2三振を奪う好投を見せた。さらに9回表チャン・ウォンサムを2日の埼玉西武戦に続いて2試合連続で登板させ、2人を打ち取ったところで8番手オ・スンファン(サムソン)に交代した。オ・スンファンは坂本を外野フライに打ち取り、ここまで無得点に抑えられている韓国は9回裏最後の攻撃を向かえた。
 ここで先頭の4番イ・デホ(ロッテ)が読売の5番手西村から2塁打を打ちチャンスを作り、代走としてイ・ヨンギュ(キア)が送られた。しかしキム・テギュン、キム・ヒョンス、チェ・ジョンの3人がこぞって凡退し、韓国は0−3で完封負けを喫した。打線は散発の7安打に抑えられたが、キム・ヒョンス、チェ・ジョンが2安打ずつを記録し、スタメン出場を大きくアピールした。
 先発のユン・ソンミンは変化球の制球が定まらず、イ・スンヨプに先制2点タイムリーを打たれるなど、球数が多く2回で降板した。ファン・ドゥソン、イ・ジェウなどのリリーフはあまり内容がよくなかったが、イム・チャンヨン、チョン・デヒョン、オ・スンファンの3人は読売打線をしっかりと封じ、一定の収穫はあった。韓国代表は埼玉西武、読売との2試合で投手陣を総動員したが、先発要員のリュ・ヒョンジン(ハンファ)は登板させなかった。そのため6日の緒戦・台湾戦の先発の可能性が高まっている。
 なお、韓国代表中唯一のメジャーリーガーであるチュ・シンス(クリーブランドインディアンス)は、ひじ痛のため埼玉西武戦に引き続いてこの試合も出場しなかった。インディアンスからトレーナーが派遣されているが、チュ・シンスの状態を見るため、メジャーリーグから医師が派遣されていて、4日の練習の状態を見て1次ラウンドに出場できないと判断されたとしても、故障などによる選手交代の申請期限を過ぎているため、韓国代表は最悪の場合1次ラウンドを27名で戦わなくてはならなくなる可能性も出てきた。

 練習試合での内容がいまひとつで、チュ・シンスの出場が不透明など不安要素の多い韓国代表であるが、緒戦の台湾戦(6日18時半)に何としてでも勝利し、米国狩カリフォルニア州・サンディエゴでの2次ラウンド(日本時間3月16日開幕)進出に向け前進してほしい。