DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  準決勝、ベネズエラに大勝し初の決勝進出

韓国 10−2 ベネズエラ  (米国カリフォルニア州ロサンゼルス・ドジャースタジアム)
(勝)ユン・ソンミン 2勝  (敗)シルバ 2勝1敗
本塁打) 韓国 : チュ・シンス 1号、キム・テギュン 3号  ベネズエラギーエン 3号

 2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)で準決勝に進出した韓国代表は韓国時間22日(現地時間21日)、強豪ベネズエラと対戦した。韓国打線は唯一のメジャーリーガーのチュ・シンス(クリーブランドインディアンス)が準決勝から守備につくことをインディアンス側から許可されたため、ここまで不振だったにもかかわらず、6番ライトで先発出場させた。またサードにはこれまで活躍してきたイ・ボムホ(ハンファ)ではなく、今大会あまり目立った活躍をしていないチェ・ジョン(SK)を起用した。

 韓国は1回表ベネズエラの先発シルバ(シアトルマリナーズ)から先頭の1番イ・ヨンギュ(キア)が出塁すると、2番チョン・グヌ(SK)のなんでもない外野フライをライトのアブレイユ(ロサンゼルスエンゼルス)が落とし、さらに送球をセカンドが落とし無死1,2塁のチャンスを作る。ここで3番キム・ヒョンス(トゥサン)がレフト前にタイムリーを打ち、韓国が1点を先制した。さらに5番イ・デホ(ロッテ)の内野ゴロの間に1点を追加すると、6番チュ・シンスがバックスクリーンへ3ランを打ち、5−0とリードを広げた。
 韓国の先発ユン・ソンミンは1回裏3番アブレイユにヒットを打たれたが、無失点に抑えた。韓国は2回表キム・ヒョンスの2塁打でチャンスを作ると、4番キム・テギュン(ハンファ)の2ランで7−0とし、シルバをノックアウトした。ベネズエラは3回裏ユン・ソンミンから2番モーラ(ボルティモアオリオールズ)のタイムリーを含む3連打で1点を返し、なおも1死1,2塁のチャンスが続く。ここで韓国は先ほどセカンドへの強い当たりを取れなかったチョン・グヌに代えてコ・ヨンミン(トゥサン)をセカンドにおいた。このあとアブレイユ、4番ミゲール・カブレラ(デトロイトタイガース)を打ち取り、韓国はここを1点でしのいだ。


(2回表、主砲キム・テギュンが2ランをレフトスタンドへと叩き込む。)


 韓国は4回表ベネズエラの2番手エンリケ・ゴンザレス(ボストンレッドソックス)から代わったばかりのコ・ヨンミンが2塁打でチャンスを作ると、キム・ヒョンスが死球を選びチャンスを拡大した。ここで捕手ラモン・ヘルナンデス(アトランタブレーブス)の1塁への送球がそれ、2塁走者が生還し1点を追加した。さらに6回表ベネズエラの3番手ザンブラーノからイ・デホのタイムリーで1点を追加し、代わった5番手モレノから7番チェ・ジョンの犠牲フライで1点を追加した。8番パク・キョンワン(SK)が四球を選び2死満塁となり、モレノの暴投でもう1点かと思いきや、突入した3塁走者がホームでタッチアウトとなった。
 ユン・ソンミンは7回裏5番ギーエン(デトロイトタイガース)の本塁打で1点を返され、1死後制限投球数の100球に達する前に2番手チョン・デヒョン(SK)に交代した。チョン・デヒョンは8番ラモン・ヘルナンデスにヒットを打たれたが、9番スクターロ(トロントブルージェイズ)を三振に取ったところで3番手リュ・ヒョンジン(ハンファ)に交代した。決勝での先発が予想されたリュ・ヒョンジンは1番チャベス(シアトルマリナーズ)を打ち取り、相手の反撃を断った。
 韓国は8回裏から4番手チョン・ヒョヌク(サムソン)を登板させ、9回裏1死から守護神イム・チャンヨン(東京ヤクルト)をマウンドに送った。イム・チャンヨンは2人の打者を簡単に打ち取り、韓国が序盤の大量点を守り10−2で大勝し、WBCで初の決勝進出を果たした。

 韓国の先発ユン・ソンミンは7回途中まで2失点に抑え、3回以外は連打を浴びず安定した投球で勝利に大きく貢献した。またここまで大会中わずか1安打しか打っていないメジャーリーガーのチュ・シンスが、普段メジャーリーグで対戦しているベネズエラの先発シルバの特徴を選手たちに伝え、自身も1回に3ランを打ちチームを勢いに乗せた。また主砲キム・テギュンも試合を決める2回表の2ランを打ち、好調を維持している。今大会打線の軸として活躍し、先制タイムリーを打ったキム・ヒョンスも3安打を記録した。ベネズエラはシルバの不調だけでなく、1回の2失策などで集中力を欠いたプレーが見られ、肝心な場面でもろさを露呈し、強力なはずの打線もつながらず大敗を喫してしまった。


(先発で好投したユン・ソンミン。)


 なお、22日は韓国でもソウル・蚕室野球場などで応援イベントが実施され、太平洋の向こう側で祖国のために死力を尽くす選手たちに熱い声援を送った。


(蚕室野球場で応援する熱狂的なファンたち。)

 韓国代表は韓国時間24日10時半(現地時間23日)より、ドジャースタジアムで韓国時間23日(現地時間22日)の準決勝の第2試合:日本−アメリカの勝者と決勝を戦う。2008年の北京五輪に次いで、韓国はまた国際大会の頂点に立てるであろうか。選手たちには相手が日本でもアメリカでも勝てるはずだ、という自信がみなぎっていることであろう。