DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   北京五輪野球、台湾に競り勝ち5連勝で準決勝進出決定

韓国 9−8 台湾  (北京・五棵松メイン野球場)
(勝)ハン・ギジュ 1勝  (セーブ)ユン・ソンミン 2勝1S  (敗)倪福徳 2敗
本塁打) 韓国 : コ・ヨンミン 1号
 17日サスペンデッドゲームとして再開された中国戦では、延長11回タイブレークでサヨナラ勝ちし4連勝と好調の北京五輪韓国代表は18日、アジアのライバルとしてしのぎを削る強豪台湾と対戦した。五輪などの国際大会での台湾との対決はいつも接戦となり、今回も白熱した戦いが繰り広げられた。
 韓国は1回表台湾の先発陽建福から1番イ・ジョンウク(トゥサン)、2番チョン・グヌ(SK)の連続ヒットで無死1,2塁とし、1死後4番イ・スンヨプ(読売)への四球で満塁のチャンスを作る。ここで当たっている5番イ・デホ(ロッテ)のタイムリーで2点を先制し、続く6番イ・ジニョン(SK)のタイムリーで2点を追加した。7番チン・ガビョンはショートゴロに倒れたかと思いきや、ショートの悪送球で1,2塁とチャンスが広がる。チン・ガビョンはここで足首を痛め、同じ捕手のカン・ミンホ(ロッテ)に交代した。1死後9番コ・ヨンミン(トゥサン)が3ランを打ち、韓国のリードは7点に広がった。
 韓国は2回表この回から登板した台湾の2番手倪福徳からイ・デホの2打席連続タイムリーで1点を追加し、8-0と序盤での大量リードでこのまま楽勝かと思えた。ところが韓国の先発ポン・ジュングン(LG)の調子が思わしくなく、2回裏8番葉君璋、9番林哲瑄の連続タイムリーで台湾に2点を返された。韓国は3回表コ・ヨンミンがヒットで出塁したが、牽制死してしまいいやな雰囲気が漂い始める。ポン・ジュングンは3回裏1死満塁のピンチを招いたが、6番蒋智賢が併殺に倒れ事なきを得た。
 台湾は5回裏1死後3番羅国輝が四球で出塁すると、4番彭政閔のヒットで1,3塁とチャンスを拡大した。さらに5番石志偉の四球で満塁とし、蒋智賢のタイムリーで2点を返した。さらに7番林智勝のタイムリー、葉君璋の犠牲フライで8-6と2点差に詰め寄られ、ポン・ジュングンは5回途中で降板した。2番手は米国戦、日本戦で打ち込まれ1アウトも取れていないハン・ギジュ(キア)だったが、ここは何とか後続を断った。台湾は6回裏ハン・ギジュから1死1,2塁のチャンスを作り、彭政閔のタイムリーで8-8の同点に追いついた。
 韓国は7回表台湾の2番手倪福徳からイ・デホの四球、イ・ジニョンのヒットで無死1,2塁のチャンスを作ると、代わった台湾の3番手張誌家(元西武)からカン・ミンホがショートのグラブをはじくタイムリーを打ち、スタートを切っていたイ・デホの代走イ・ヨンギュ(キア)が生還し1点を勝ち越した。台湾はその裏先頭の林智勝の打球をセンターのイ・ジョンウクが見失い、無死2塁のチャンスを作った。ハン・ギジュはここで続く葉君璋を三振に切って取るが、盗塁を許し1死3塁となった。続く林哲瑄からも三振を奪い2死とすると、ここで3番手クォン・ヒョク(サムソン)に交代し、1番張建銘を三振に仕留め1点差を守った。
 韓国は8回表3番キム・ヒョンス(トゥサン)、イ・ジニョンのヒットなどで2死満塁とするが、カン・ミンホが張誌家の前に三振に倒れ、追加点のチャンスを逃した。8回裏1死から韓国は4番手ユン・ソンミン(キア)をマウンドに送り、羅国輝にヒットを打たれたが続く2人を抑えた。韓国は9回表も張誌家から8番キム・ミンジェ(ハンファ)への死球、イ・ジョンウクのヒットで1死1,2塁のチャンスを作るが、代わった台湾の4番手曹錦輝の前にチョン・グヌが併殺打に打ち取られ、追加点のチャンスをまたもや逃した。だが9回裏台湾の最後の攻撃をユン・ソンミンが三者凡退に抑え、韓国が8点差を追いつかれたものの何とか逃げ切り、大会5連勝でリーグ戦2位以内を確保したため、準決勝進出を確定した。
 韓国は勝つには勝ったものの、先発のポン・ジュングンが5回持たず、自信を回復させるためだったとはいえハン・ギジュを引っ張り、一時は同点に追いつかれるなど、リリーフ陣を中心とした投手陣のやりくりに不安を残した。その中で今大会リリーフとして好投するユン・ソンミンが相手の反撃ムードを断ち、初セーブをあげた。また守備では今大会初の晴天のデーゲームだったとはいえ、外野がエラーを連発し相手にチャンスを与え続けるなど、これまでに見られなかった不安を露呈した。打線ではこの試合でも3打点と好調のイ・デホ、3ランを打ち守備でも好プレーを見せたコ・ヨンミンが活躍した。一方主砲として期待されたイ・スンヨプには依然いい当たりが出ない。

(リリーフとして好投したユン・ソンミン。)

 韓国代表は19日、これまで韓国と同じく大会5連勝と好調の優勝候補キューバ代表と対戦する。だが22日の準決勝進出が決まっているため、プロが参加するようになった2000年シドニー五輪以降の国際大会では7戦全敗と苦手のキューバ相手でも全力ではぶつからず、選手の調整に当てる方針。なお、18日は韓国以外にキューバ、日本、米国が勝利し、予選リーグの成績は5連勝の韓国、キューバに続いて日本、米国が3勝2敗で続いている。
(文責:ふるりん)