DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   北京五輪、宿敵日本に逆転勝ちし3連勝

韓国 5−3 日本  (北京・五棵松メイン野球場)
(勝)ユン・ソンミン 2勝  (セーブ)チョン・デヒョン 1S  (敗)岩瀬 1敗
(本塁打) 韓国 : イ・デホ 2号  日本 : 新井 1号
 強豪米国、カナダに連勝し好調なスタートを切った北京五輪韓国代表は16日、アジア地区予選からの因縁がある宿敵・日本代表と対戦した。シドニー五輪WBC(ワールドベースボールクラシック)などの国際大会で名勝負を繰り広げた両国のこの一戦にかける意気込みはすさまじく、球場では日韓双方の野球ファンたちによる熱い応援合戦も見られた。韓国の先発はキム・グァンヒョン(SK)、日本の先発は和田(福岡ソフトバンク)で試合は始まった。
 両投手ともに立ち上がりから飛ばし、1回、2回は両チームともに三者凡退に終わった。韓国は3回表7番イ・ジニョン(SK)が初ヒットを打ち、1番イ・ジョンウク(トゥサン)のヒットで2死1,2塁とチャンスを作るが、2番イ・テックン(ウリ)は外野フライに打ち取られる。韓国は4回表も5番キム・ドンジュ(トゥサン)、6番イ・デホ(ロッテ)の連続ヒットで2死1,2塁とチャンスを作るが、これも生かすことができなかった。3回まで一人の走者も出さなかったキム・グァンヒョンだったが、4回裏2死から3番中島(埼玉西武)に四球を与えると、4番新井(阪神)のヒットで1,3塁とピンチを迎える。だがここは5番村田(横浜)を三振に切って取り、先制点を与えなかった。
 日本は5回裏もキム・グァンヒョンから8番G.G.佐藤(埼玉西武)が2死から2塁打を打つが、ここも9番里崎(千葉ロッテ)を打ち取りまたもやピンチを脱した。韓国は和田からチャンスを作れず、キム・グァンヒョンは6回裏1死2塁の場面で降板し、マウンドを2番手ユン・ソンミン(キア)に譲った。だがユン・ソンミンは新井に2ランを打たれ、先制点を許してしまう。しかし韓国は7回表、無死1塁で6番イ・デホが同点2ランを打ち、日本に主導権を渡さなかった。韓国は8回表日本の2番手川上(中日)からイ・テックンがヒットで出塁し、2死2塁のチャンスを作る。ここで北京五輪ではまだヒットが1本しか出ていない4番イ・スンヨプ(読売)に打席が回り、日本は3番手岩瀬(中日)をマウンドに送る。イ・スンヨプは岩瀬の前に三振し、チャンスを逃した。
 日本は8回裏ユン・ソンミンから1番青木(東京ヤクルト)のヒットなどで2死2塁とチャンスを作るが、ここは後の2人を抑え勝ち越し点を与えなかった。韓国は9回表岩瀬から先頭のキム・ドンジュがヒットで出塁すると、前の打席で本塁打を打ったイ・デホがなんとバントを決め、2塁に走者が進んだ。1アウトを取られたが7番チン・ガビョン(サムソン)が何とか四球で出塁しつなぐと、代打キム・ヒョンス(トゥサン)がセンター前へ念願の勝ち越しのタイムリーヒットを打った。さらに1番イ・ジョンウクのバントが高く上がりサード村田の前に落ちたが、これを送球できず3塁走者が生還し1点を追加した。さらに1塁走者が盗塁を試みた際、捕手阿部(読売)が2塁へ悪送球してしまい、その間にもう1点を追加した。
 韓国は9回裏、米国戦で9回表逆転を許したハン・ギジュ(キア)を3番手としてマウンドに送ったが、先頭の新井の3塁打でいきなりピンチを迎えた。さらに5番稲葉(北海道日本ハム)の打球を三塁キム・ドンジュがエラーをしてしまい、日本が1点を返した。さらにここで村田に2塁打を打たれ1,3塁と同点のピンチを迎えた韓国は、1アウトも取れないハン・ギジュを4番手クォン・ヒョク(サムソン)に交代させた。クォン・ヒョクは阿部を外野フライに打ち取り、打球が浅かったため3塁走者は帰れず、左のワンポイントとして役割を果たした。さらにここで5番手チョン・デヒョン(SK)が登板し、次の2人を抑え韓国が5−3で見事な逆転勝ちを収めた。
 6回途中から2番手として登板し、新井の一発以外目だったミスのなかったユン・ソンミンが2勝目。まだ20歳のキム・グァンヒョンは勝ちこそつかなかったが、6回途中自責点1と先発として十分な役割を果たし、大舞台での強さをまたもや発揮した。今季首位打者争いに加わったまだ20歳のキム・ヒョンスは、代打として最高の結果を残し、代表定着をアピールした。同点2ランを打ったイ・デホは、本塁打を期待されながら調子の上がらないイ・スンヨプに代わって、チームの主砲になりつつある。抑えは今後、アメリカ戦に続いて打たれたハン・ギジュ、コンディション不良のオ・スンファン(サムソン)ではなく、米国、日本の打者に的を絞らせなかったチョン・デヒョンが起用されると思われる。
 アジア予選のように偽装オーダー問題などで揺れることなく、正々堂々と勝負して日本に勝ったことで、韓国は悲願のメダル獲得に向けて大きく前進した。韓国は17日18時から、14日に試合が行われたが降雨により6回裏途中でサスペンデッドゲームとなった中国戦を0−0の状況から再開し、大会4連勝を狙う。
(文責:ふるりん)