今回はサムソンライオンズの本拠地、大邱(テグ)・公設運動場野球場の様子をお伝えします。
この球場は韓国南東部の大都市・大邱の中心街から西へ少し離れた中小工場街の中にあり、周囲には陸上競技場だけでなく野球などのスポーツ用品店も軒を連ねています。
老朽化の激しいこぢんまりとした球場ではありますが、地元大邱の熱心なファンたちの愛が注がれ、プロ野球の本拠地としての魅力は他の球場に劣るものではありません。
2003年秋には、当時サムソンに在籍していたイ・スンヨプの56号本塁打の大フィーバーの中心となり、10月2日にこの球場で大記録が達成されました。
(球場正面入口。)
(記念撮影スペース。左側はヤン・ジュンヒョク、右側はペ・ヨンスの等身大人形。)
(アジアシリーズで来日したこともあるマスコット。)
(入場券を買い求めるファンたち。)
(グッズショップでは、2008年からモデルチェンジされたユニフォームなど各種グッズを販売。)
(球場近くの野球用具店に展示された背番号20、正捕手チン・ガビョンのサイン入りタオルなど。)
試合は予定通り18時半に始まり、3塁側のホーム応援席は徐々に席が埋まってきました。
(応援団長たちがファンをあおる。)
(3塁側内野から見たグラウンド。)
サムソンでもっとも多くの声援を受けている選手は、通算安打などの数々の記録保持者である韓国プロ野球界の「生きる伝説」、ヤン・ジュンヒョクでしょう。
地元大邱出身のフランチャイズ・スターであり、「ウィプンダンダン(威風堂々)、ヤンジュンヒョク!」の応援歌は大変な盛り上がりを見せます。
(レフトポール際には、ヤン・ジュンヒョクの通算安打記録数を記したボードが。)
(打席に立つヤン・ジュンヒョク。)
(チアガールが「ウィプンダンダン、ヤンジュンヒョク」のボードを持って応援を促す。)
5回終了時のグラウンド整備中には、ステージで女性だけのビール一気飲み大会が行われていました。
韓国の野球場では、よくこの手の観客が参加するイベントがステージ上で見られます。
サムソンは球団発足当時から大邱を本拠地にしてきましたが、サムソンが世界的な大企業となったこともありソウル進出が検討されたこともあってか、大邱の球団という印象は薄いままでした。
しかし、仁川(インチョン)を本拠地としたSKが地域密着策を徹底し、同じ南東部の釜山を本拠地とするロッテが地元の熱狂的な声援を受けていることもあり、今季からサムソンも大邱を本拠地として強くアピールする方針を打ち出しているようです。
たとえば、応援用のスティックバルーンに「DAEGU(テグ)」の文字を入れ、「テグの誇り」といったキャッチフレーズをよく使うようになり、選手のユニフォームの袖にもハングルで「テグ」というロゴがつけられるようになりました。
もともと大邱や周辺の慶尚北道(キョンサンプクト)では、スポーツ紙の1面をサムソンが飾ることが多いです。
試合は開幕5連勝と好調だったサムソンが、ハンファに3連勝し勢いに乗る新球団ウリの継投策に封じられ、3−1で敗れ2008年初黒星を喫してしまいました。
まさかの敗戦に、地元のファンたちは静かに球場を去っていきました。
(マウンド付近で勝利のハイタッチをするウリの選手たち。)
(3塁側のファンたちに挨拶し、引き上げるサムソンの選手たち。)
(文責:ふるりん)