DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  北京五輪予選、最終エントリーメンバー24名発表  オ・スンファン(サムソン)などが外れる

 北京五輪アジア地区予選を兼ねた第24回アジア野球選手権(台湾・台中)に12月1日から参加する韓国代表チームは、30日試合に出場する最終エントリーメンバー24名を発表した。24日発表された台湾入りする26名から、オ・スンファン、チン・ガビョン(以上サムソン)の2名が外れた。
 捕手チン・ガビョンはコンディション不良を訴え、2年連続で40セーブ以上を記録し今回の代表チームでも抑えを任される予定だったオ・スンファンは、沖縄キャンプの練習試合で打球をわき腹に受け、状態が悪かった。特にオ・スンファンの離脱は痛く、不安材料となっている投手陣の起用をどうするか、ソン・ドンヨル投手コーチ(サムソン監督、元中日)の手腕が問われることとなる。
 なお、27日から29日まで行われた予選リーグ(フィリピン、タイ、パキスタン、香港)ではフィリピンが1位となり、12月3日に対戦することとなった。30日には韓国代表キム・ギョンムン監督(トゥサン)、台湾代表郭泰源監督(元西武)、日本代表星野仙一監督、フィリピン代表デイエソン監督が参加し、共同記者会見が行われた。

[韓国代表メンバー]
(選手名と今季の成績を併記)

投手 : チョン・デヒョン(SK)  60試合 3勝2敗27S 防御率0.92
     リュ・ヒョンジン(ハンファ)  30試合 17勝7敗 防御率2.94
     クォン・ヒョク(サムソン)   60試合 7勝1敗 防御率2.79
     チョン・ビョンホ(サムソン) 32試合 8勝8敗 防御率4.06
     リュ・テッキョン(LG)  81試合 0勝3敗23ホールド 防御率2.70 
     チャン・ウォンサム(現代)   30試合 9勝10敗 防御率3.63
     ハン・ギジュ(キア)  55試合 2勝3敗25S  防御率2.43     
     パク・チャンホ(アストロズ傘下AAA)  ※1試合 0勝1敗 防御率15.75
     リュ・ジェグク(レイズ)  ※17試合 1勝2敗 防御率7.33
捕手 : パク・キョンワン(SK)  119試合 .247 15本塁打 60打点 6盗塁
     チョ・インソン(LG)  124試合 .282 13本塁打 73打点   1盗塁   
内野手: チョン・グヌ(SK)  111試合 .323 9本塁打 44打点 24盗塁

     キム・ドンジュ(トゥサン)  119試合 .322 19本塁打 78打点  11盗塁
     コ・ヨンミン(トゥサン)  126試合 .268 12本塁打 66打点 36盗塁

     キム・ミンジェ(ハンファ)  118試合 .273 6本塁打 47打点 7盗塁

     パク・チンマン(サムソン)  100試合 .312 7本塁打 56打点 5盗塁

     イ・デホ(ロッテ)  121試合 .335 29本塁打 87打点 1盗塁
     イ・ヒョンゴン(キア)  126試合 .338 2本塁打 48打点 4盗塁
外野手: イ・ジョンウク(トゥサン) 123試合 .316 1本塁打 46打点 47盗塁

     ミン・ビョンホン(トゥサン) 119試合 .244 3本塁打 31打点 30盗塁   
     イ・デヒョン(LG)  125試合 .308 1本塁打  31打点 53盗塁
     イ・テックン(現代)  116試合 .313 11本塁打 56打点 6盗塁

     チャン・ソンホ(キア)  116試合 .281 11本塁打 62打点 9盗塁
     イ・ビョンギュ(中日)  ○132試合 .261 9本塁打 46打点 0盗塁
※はメジャーリーグでの、○は日本プロ野球での成績

[試合日程]

12月1日(土)14時 韓国−台湾  19時 日本−フィリピン
12月2日(日)14時 台湾−フィリピン  19時 韓国−日本
12月3日(月)14時 韓国−フィリピン  19時 台湾−日本
試合会場 : 台中・洲際野球場

 今回の韓国代表メンバーは2006年WBC(ワールドベースボールクラシック)の時と違って、練習試合でも大量失点を重ねた投手陣に不安がある。WBCではパク・チャンホキム・ビョンヒョン(マーリンズ)、ソ・ジェウン(レイズ傘下AAA)、ポン・ジュングン(LG)、ク・デソン(ハンファ)などメジャー経験のある投手たちが好投しベスト4進出に貢献したが、今回は国内組中心でメジャー通算113勝を記録しているパク・チャンホも、今季は大半がマイナー暮らしとかつての球威はない。そのため、2006年初めてメジャー昇格し、今季も1勝した右腕リュ・ジェグクに先発としての期待がかかる。
 左の先発はリュ・ヒョンジンとチョン・ビョンホが予想され、特に最大の難敵日本戦には2006年のプロでビュー以来2年間で35勝したリュ・ヒョンジンの起用が予想される。だが練習試合でも内容が悪く、不安が大きいため、早めの継投でしのいでいくことになるであろう。中継ぎ候補は右の速球派としてハン・ギジュ、左の速球派としてクォン・ヒョク、変則左腕のリュ・テッキョンが控え、韓国最高のストッパーのオ・スンファンが代表落ちした今、SKの守護神チョン・デヒョンが抑えに回ると予想される。
 
 打線であるが、WBCに参加したイ・スンヨプ(読売)が出場を辞退したため、長打力は見劣りする。また全体的に世代交代が進み、1年半前には代表入りが予想されなかった選手も多い。キム・ギョンムン監督は普段のトゥサンでの足とバントなど小技を絡めた野球を心がけてくるだろう。その中心となるのが2006年の盗塁王イ・ジョンウク、2007年の盗塁王イ・デヒョンの快足コンビで、この2人は今季合計100盗塁し、強力な1,2番コンビとなるであろう。クリーンアップはイ・デホ、キム・ドンジュの2人は確実だが、あと1人は流動的でイ・ビョンギュ、チャン・ソンホ、イ・テックンなどがその時のコンディション次第での起用となろう。
 守備の要二遊間は、WBCでも活躍したパク・チンマンがショート、今季攻守にダイナミックな活躍を見せたコ・ヨンミンがセカンドを守ることになろう。なお、普段はセカンドやショートを守っているが、アグレッシブな打撃と走塁が光り、アジアシリーズでも活躍したチョン・グヌがDHを起用する、とキム・ギョンムン監督が述べていた。マスクをかぶるのはベテラン捕手のパク・キョンワンで、巧みなリードで投手たちを安心させたい。

 まずは1日の緒戦、地元の大声援を受ける難敵・台湾に勝利し、2日の事実上の決勝戦となるであろう日本戦に臨みたい。台湾代表は陳金鋒張泰山、高国慶、謝佳賢など国内の精鋭だけでなく、林恩宇林英傑曹錦輝など日本、米国の海外で活躍する選手を集め、台湾戦では右腕・林恩宇(東北楽天)の先発が予想される。2003年11月のアテネ五輪予選(日本・札幌ドーム)では、緒戦の韓国戦に照準を絞ってきた台湾に敗れ、開催地の札幌入りが遅くコンディション作りにも失敗した韓国代表は本大会出場権を逃した。台湾代表も政治的な理由から是が非でも北京に行きたいとかなりの意気込みで臨んでくるため、今回も厳しい戦いが予想される。韓国代表にとって、まずは4年前の雪辱を晴らすことが北京行きへの第一歩だ。