DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国シリーズ第4戦  SK、高卒新人キム・グァンヒョンの快投で完封勝利 2勝2敗のタイに

韓国シリーズ 第4戦

SK 4−0 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)キム・グァンヒョン 1勝  (敗)リオス 1勝1敗
本塁打) SK : チョ・ドンファ 2号、キム・ジェヒョン 1号
 トゥサンが2勝1敗と有利な立場で迎えた韓国シリーズ第4戦は、蚕室(チャムシル)野球場に3万人の大観衆を集め、KBO(韓国野球委員会)のシン・サンウ総裁のあいさつなどのセレモニーの後に開始された。トゥサンの先発は第1戦で完封勝利した最多勝投手リオス(22勝5敗、防御率2.07)に対して、SKの先発は高卒新人キム・グァンヒョン(3勝7敗)で、SKベンチはまだ19歳の若き左腕にチームの命運を託した。

[超満員の蚕室野球場。]
 22日の第1戦から中3日で先発したリオスは、1回表先頭の1番チョン・グヌにヒットを打たれるが、2番チョ・ドンファがライナーに倒れ1塁走者もアウトとなり、併殺でピンチをしのいだかに見えた。だが3番キム・ジェヒョンに2塁打を打たれると、4番イ・ホジュンのタイムリーでSKが1点を先制した。SKの先発キム・グァンヒョンは速球やスライダーなどの変化球でトゥサンの打者から三振の山を築いていく。

[雄たけびを上げるキム・グァンヒョン。]
 リオスからヒットを打ちながら追加点の取れなかったSKだが、5回表チョ・ドンファ、キム・ジェヒョンの連続本塁打で2点を追加し、第1戦とは打って変わって不安定な投球を続けたリオスはこの回限りで降板した。SKは6回表トゥサンの2番手キム・サンヒョンの暴投で1点を追加した。トゥサンはキム・グァンヒョンに5回までノーヒットに抑えられていたが、6回裏1番イ・ジョンウクがようやっとチーム初ヒットを打った。だがイ・ジョンウクはバックネット手前のファールフライで2塁へタッチアップしようとした際、捕手パク・キョンワンの送球で刺されてしまうなど、チャンスをつぶしてしまった。


[連続本塁打を打ったチョ・ドンファ(上)とキム・ジェヒョン(下)。]
 キム・グァンヒョンは8回途中までトゥサンをわずか1安打に抑えると、その後チョ・ウンチョン、カ・ドゥギョムと左右のリリーフ陣も反撃を許さず、SKが完封勝ちした。これで韓国シリーズは2勝2敗のタイとなり、本拠地・仁川(インチョン)で連敗スタートしたSKは敵地・蚕室で連勝と、流れを完全に自分たちのものにした。
 高卒新人ながら即戦力として期待されたものの、公式戦ではあまり活躍できなかったキム・グァンヒョンは、初の大舞台での先発で8回途中まで無失点、1試合での韓国シリーズ新人記録となる奪三振9と最高の結果を残し、ポストシーズン初勝利をあげ、将来のエースとしての確実な一歩を踏み出した。打線もタイムリーは1本だけだったが13安打と爆発し、先制タイムリーを打ったイ・ホジュンが3安打、今季公式戦では本塁打ゼロだったがこのシリーズ2本目の本塁打を打ったチョ・ドンファ、公式戦では故障などで打率.196、5本塁打と低迷したが、この試合では本塁打や先制点につながる2塁打を打ち活躍したベテランのキム・ジェヒョンなどが活躍した。
 一方トゥサンはわずか1安打に抑えられ、頼みのリオスも5回3失点で降板と、投打に精彩を欠いた。特に4番キム・ドンジュがこのシリーズで4試合ノーヒットと、全く元気がないのが痛い。
 韓国シリーズ第5戦は27日14時から同じく蚕室野球場で開始され、予告先発はトゥサンがランデル(12勝8敗、元読売)、SKがレイボーン(17勝8敗、元広島)となっている。優勝に王手をかけるのはどちらか、土曜日のデーゲームということもあり大きく注目される。