DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国シリーズ第6戦、サムソンが球団史上初の連覇達成

韓国シリーズ 第6戦

サムソン 3−2 ハンファ  (ソウル・蚕室)
(勝)ハリッカラ 1勝  (セーブ)オ・スンファン 1S  (敗)アン・ヨンミョン 1敗
本塁打) ハンファ : キム・テギュン 4号
 28日の第5戦は5時間を越える延長15回の激闘となった韓国シリーズの第6戦は、この試合に勝てば球団史上初の連覇達成となるサムソンの先発がハリッカラ(今季12勝7敗)、決着を第7戦以降に持ち込みたいハンファの先発はアン・ヨンミョン(今季3勝4敗)で始まった。サムソンは1回表1番パク・ハニが2塁打でチャンスを作ると、3番ヤンジュンヒョクのタイムリーで1点を先制すると、この回6番チン・ガビョンのタイムリーでもう1点を追加し2−0とリードする。さらにサムソンは2回表再び1番パク・ハニが2塁打でチャンスを作ると、ここでハンファはアン・ヨンミョンを交代させ2番手クォン・ジュンホンをマウンドに送る。だがサムソンは続く2番チョ・ドンチャンのタイムリーで1点を追加し、3−0とリードを広げた。
 ハンファはハリッカラから毎回のようにチャンスを作るが、ここ一番でタイムリーが打てず5回まで無得点に抑えられる。ハンファは3番手チャ・ミョンジュ、4番手チェ・ヨンピルらのリリーフ陣が何とかサムソンに追加点を許さない。ハンファは6回裏ハリッカラから4番キム・テギュンと5番イ・ボムホの連打で無死1,3塁のチャンスを作り、サムソンはここで2番手イム・チャンヨンをマウンドに送る。続く6番イ・ドヒョンの内野ゴロの間に3塁走者が生還し、ハンファがやっと1点を返す。だがこの後が続かずハンファはこの回1点どまりだった。もう負けられないハンファは7回表から5番手として高卒新人三冠王リュ・ヒョンジンをマウンドに送る。サムソンは8回表リュ・ヒョンジンから2死満塁のチャンスを作るが、ここは9番キム・ジェゴルを三振に切って取り、何とかピンチをしのぐ。
 するとハンファは8回裏、サムソンの4番手として登板したエースのペ・ヨンスから4番キム・テギュンがライトスタンドに本塁打を打ち、3−2と1点差に迫る。ハンファは9回表守護神ク・デソン(元オリックス)をマウンドに送り、ク・デソンは期待にこたえ三者連続三振でサムソンを抑える。サムソンは9回裏もペ・ヨンスをマウンドに送るが、先頭の7番ハン・サンフンにヒットを打たれ、バントで2塁まで送られ1死2塁と同点のピンチを招く。ここでサムソンは万を辞して韓国最強のストッパー、オ・スンファンをマウンドに送る。だがオ・スンファンは続く代打チョ・ウォヌに内野安打、1番コ・ドンジンに四球を許し、1死満塁と絶体絶命のピンチを迎えた。
 だがオ・スンファンはここで動揺せず、続く2番コリアーをセカンドフライに打ち取る。そして3番デービスを空振りの三振に切って取り、薄氷の1点差を守りきりサムソンが3−2で勝利し、韓国シリーズの戦績を4勝1敗1分として球団史上初のシリーズ連覇、通算3度目のシリーズ優勝を達成した(年間総合優勝は、前後期制で前期・後期ともに優勝し韓国シリーズが行われなかった1985年をふくめると4度目)。韓国シリーズ連覇はヘテ(現キア、1986−89、1996−97)現代(2003−04)に続く3球団目。韓国シリーズMVPには、第3戦延長12回でク・デソンから決勝タイムリーを打ち、再三の好守備でチームを助けたサムソンの正遊撃手パク・チンマンがプロ11年目で初受賞した。
 サムソンのソン・ドンヨル監督(元中日)は、昨季の就任から見事にチームを韓国シリーズ連覇に導き、名将の地位を不動のものとした。今季のサムソンは主砲シム・ジョンスが肩の手術を受けシーズンの多くをリハビリに費やし、エースのペ・ヨンスもひじ痛で満足な働きができなかった。だがパク・ハニ、ヤン・ジュンヒョク、パク・チンマン、チン・ガビョンら経験豊富な主力野手と、ハリッカラ、ブラウン(元阪神)の外国人2人など豊富な先発投手陣、中継ぎの柱クォン・オジュン、守護神オ・スンファンなどの強力なリリーフ陣の働きで、理想とする守りの野球をシーズンを通して続け、2年連続公式戦優勝、シリーズ連覇を達成した。来季以降は若手を積極的に起用し世代交代をにらみながら黄金時代を築いていけるか、ソン・ドンヨル監督の手腕に注目が集まる。
 一方敗れたハンファは公式戦3位ながらキアとの準プレーオフ、現代とのプレーオフを短期決戦に強いキム・インシク監督の采配や、ムン・ドンファンク・デソン(元オリックス)の好投で韓国シリーズまで進出し、7年ぶり2度目のシリーズ優勝はならなかったが、ポストシーズンを多いに盛り上げた。2年前は7位と低迷していたハンファの選手たちが今季の戦いで自信をつけ、来季以降につながることを期待したい。
 サムソンは11月9−12日までアジアプロ野球最強チーム決定戦のコナミカップアジアシリーズ(11月9−12日、日本・東京ドーム)に、韓国代表として2年連続出場することとなり、日本代表:北海道日本ハム、台湾代表:La New、チャイナスターズ中国プロ野球選抜)と対戦する。昨年は決勝戦で日本代表:千葉ロッテに敗れ準優勝に終わったサムソンは、今年こそアジアの頂点を狙おうと意気込んで来日するものと思われる。

(文責:ふるりん