DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   準プレーオフ第3戦、ハンファがイ・ボムホの2本塁打で3年連続プレーオフ進出決定

プレーオフ 第3戦

サムソン 3−5 ハンファ  (大田)
(勝)ソン・ジヌ 1勝  (セーブ)ク・デソン 1S  (敗)マゾーニ 1敗
本塁打) サムソン : シン・ミョンチョル 1号  ハンファ : イ・ボムホ 2,3号、コ・ドンジン 1号
 勝った方がプレーオフへと進出できる準プレーオフ第3戦は、ハンファの本拠地・大田(テジョン)公設運動場野球場に1万人の満員の観衆を集め、ハンファの先発がセドリック(11勝、元東北楽天)、サムソンの先発がマゾーニ(7勝)で始まった。サムソンは1回表セドリックの四球や暴投などで2死満塁のチャンスを作るが、5番パク・チンマンが三振してしまった。ハンファはその裏4番キム・テギュンの犠牲フライ、6番キム・テワンのタイムリーで2点を先制すると、マゾーニは1回途中でマウンドを2番手アン・ジマンに譲った。

[試合開始前から盛り上がる1塁側内野応援席。]
 不安定な投球を続けたセドリックは3回表5番パク・チンマンのタイムリーで1点を返されたところで降板し、ハンファの2番手の現役最年長投手(41歳8か月)ソン・ジヌが何とかこのピンチをしのいだ。するとハンファはその裏サムソンの3番手ユン・ソンファンから5番イ・ボムホ本塁打で1点を追加した。サムソンは6回表同点のチャンスを作ると、ハンファはソン・ジヌから第1戦で先発勝利をあげたエースのリュ・ヒョンジンをマウンドに送った。サムソンはこの回代打カン・ボンギュのタイムリーで3−2と1点差に迫ったが、続く1番パク・ハニが凡退しチャンスを逃した。
 ハンファは6回裏1,2塁と追加点のチャンスを作ると、ここでサムソンは2年連続40セーブをあげた最強守護神オ・スンファンをマウンドに送り、ピンチをしのいだ。サムソンは7回表リュ・ヒョンジンから同点のチャンスを作ったが、パク・チンマン、6番チン・ガビョンが外野フライに倒れまたも無得点に終わった。するとハンファはその裏イ・ボムホがオ・スンファンからこの試合2本目の本塁打を打ち、貴重な1点を追加した。さらに8回裏オ・スンファンは9番コ・ドンジンにも本塁打を打たれ1点を追加された。

[2本塁打と爆発したイ・ボムホ。]
 リュ・ヒョンジンは9回表のマウンドにも上がったが、先頭の2番シン・ミョンチョルに本塁打を浴び1点を返される。続く3番ヤン・ジュンヒョクがヒットで続き一発出れば同点となったが、本塁打王のタイトルが確実な4番シム・ジョンスをここで併殺打に打ち取る。あと1人となったところで満を持して守護神ク・デソン(元オリックス)が登板し、最後の打者パク・チンマンを外野フライに打ち取り、ハンファが準プレーオフ第3戦で勝利し、2005年以来3年連続プレーオフ進出を決めた。
 2番手として3回途中から6回途中まで無失点と好投したソン・ジヌは、自身の持つポストシーズン最年長勝利記録を塗り替えた。3安打2本塁打と大活躍のイ・ボムホは最多タイの準プレーオフ通算7本塁打を記録し、相性の良さを見せた。なお準プレーオフMVPには第1戦で7回途中まで無失点と好投し、第3戦でもリリーフで好投したリュ・ヒョンジンが選ばれた。ハンファは14日14時からトゥサンと韓国シリーズ出場権(すでにSKが進出決定)をかけてプレーオフ第1戦を戦う。

[準プレーオフMVPの表彰を受けるリュ・ヒョンジン。]
 サムソンは球団史上初の韓国シリーズ3連覇の夢が断たれてしまい、5年連続韓国シリーズ出場もならず、ここ数年の黄金時代の終わりを告げるような敗戦だった。2005年、06年と公式戦、韓国シリーズを連覇したサムソンは、野手陣全体の高齢化や若手の伸び悩み、かつてエースとして活躍したペ・ヨンスの手術後のリハビリによる離脱など先発投手陣の弱体化などで以前のような強さはなく、今季は1度も首位に立つことなく公式戦4位確保がやっとだった。ソン・ドンヨル監督(元中日)は試合後の記者会見で、先発投手陣や打線の補強に努めると述べ、覇権奪回への強い意志を見せた。
(文責:ふるりん