DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第8回  ハンファイーグルス 

 2017年はシーズン途中の5月にキム・ソングン監督が辞任し、上位争いからは程遠くポストシーズン進出をかけた5位争いにも敗れ8位に終わった。2018年シーズンはハン・ヨンドク新監督のもと巻き返しを図り、2007年以来11年ぶりのポストシーズン進出、1999年以来19年ぶり2回目の韓国シリーズ優勝を目指す。


【投手陣】

〈先発〉 
◎サンプソン、◎△ウィーラー、キム・ジェヨンペ・ヨンス、ユン・ギュジン、キム・ミヌ
〈リリーフ〉
パク・チョンジン、△クォン・ヒョク、△チョン・ウラム、シム・スチャン、ソン・チャンシク、チャン・ミンジェ、△キム・ボムス

注 : ◎は新加入、△は左腕
 先発投手陣の軸としては新外国人選手サンプソン、ウィーラーの2人に期待がかかる。2名とも27歳と若く韓国でのさらなる成長も望める。韓国人選手では大卒プロ3年目、2017年は一軍初勝利を含む5勝を記録した24歳のキム・ジェヨンに期待がかかる。だがその他は36歳のペ・ヨンス(現役選手最多の個人通算135勝)など、ベテラン頼みとなっている。
 リリーフに関しても高齢化が進む。生え抜きで41歳となったパク・チョンジン以外にも過去数年にFA(フリーエージェント)を行使し他チームから移籍した37歳のシム・スチャン、34歳のクォン・ヒョクなどが欠かせない存在で、抑えのチョン・ウラムも32歳となった。23歳のキム・ボムス、22歳のキム・ミヌなど若手の台頭が危急の課題となっている。


【打撃陣】
〈ベストオーダー〉

1.イ・ヨンギュ(中) △
2.チョン・グヌ(二) 
3.ソン・グァンミン(三)    
4.キム・テギュン(指)  
5.イ・ソンヨル(左) △
6.チェ・ジンヘン(一)
7.ホイング(右) ◎△  
8.ハ・ジュソク(遊) △ 
9.チェ・ジェフン(捕)  

〈控え〉
(捕手) チ・ソンジュン、オム・テヨン
(内野手) △カン・ギョンハク、△オ・ソンジン、チョン・ギョンウン、キム・フェソン
(外野手) △ヤン・ソンウ、△チャン・ミンソク、◎ぺク・チャンス、△イ・ドンフン

注 : △は左打者。
 2016年から2017年まで在籍し2年連続30本塁打以上を記録した外国人選手ロサリオの空白をどのように埋めるか。結論から言うと埋まらないであろう。新外国人選手ホイングは左打ちの外野手で守備や走力に長けているなど全くタイプが違う。したがって、既存戦力にどれだけ若手が台頭して主力に成長できるかが課題となる。
 35歳を超えたキム・テギュン(元千葉ロッテ)を筆頭に、主力野手の多くが30歳を超えている。主力として活躍が見込まれる25歳以下の選手がハ・ジュソクだけでは2018年シーズンのみならず今後を考えてもよいことではない。24歳のチョン・ギョンウン、21歳のイ・ドンフンなどが成長し故障も抱えているベテラン選手から出場機会を奪うことが望ましい。
 3月20日、控え捕手のチョン・ボムモがNCへトレードで移籍したことで、捕手陣にも不安が大きい。28歳のチェ・ジェフンが攻守ともに大きな役割を担うようになると思われる。


 キム・ウンニョン(2013〜2014年)、キム・ソングン(2015〜2017年)と他球団で輝かしい実績を残した歴代監督通算勝利数1位、2位の名将を招聘しても結果を残せず、またベテラン偏重の姿勢をとったため若手が育っていない悪循環に陥った。久しぶりにハンファOB出身の監督となったハン・ヨンドク新監督は、2012年に一時期監督代行を務めたことがあるが、本格的なチームの指揮は2018年シーズンが初めてとなる。投打ともに選手層は厚くなく有望な人材も多くはないが、目先の勝利だけではない将来を考えたチーム運営が望まれる。


本拠地
 大田・ハンファ生命イーグルスパーク
 
 大田(テジョン)は韓国中西部の地方都市で、ソウルから南部への鉄道・高速道路の分岐点と交通の要所にある。1970年代以降はハイテク産業が発展し、大田広域市は人口150万人を超える韓国第5の都市に成長した。1986年の球団創設(1993年までピングレイーグルス)以来本拠地としてきたハンバッ総合運動場野球場は2015年から、プロ野球開催時に「ハンファ生命イーグルスパーク」の球場名で呼ばれている。
 応援ステージは外野1塁側に設けられ、8回裏ハンファの攻撃の際、1アウトから応援団長の笛の音だけで「チェ!ガン!ハン!ファ!」と大声でファンが叫ぶ応援(通称:肉声応援)が名物となっている。応援団が派遣されない遠征先の試合でも、8回表にファンたちが自主的に叫んでいることもある。











 なお、主催試合は大田より40kmほど北の地方都市・清州(チョンジュ)で開催されることがある(高速鉄道KTX・SRT五松駅よりバスで30分程度)。2018年もレギュラーシーズン7試合の開催が発表されている。




(清州総合運動場野球場。)


[交通アクセス]

Korail、大田都市鉄道1号線大田駅からバス(111-1番など)、タクシーで10分程度。
大田都市鉄道1号線・中央路(チュンアンノ)駅から111番バス、タクシーで5分程度。
2018年3月現在、大田からソウル市内への高速鉄道KTX・SRTの最終列車は0時32分発水西(スソ)行き。ソウル駅行きの最終列車は0時22分発。

(文責:ふるりん