御周知のとおり、2017 WBC(ワールドベースボールクラシック)韓国代表は1次ラウンドにて1勝2敗の3位という成績で、2013年大会に続いて1次ラウンド敗退となりました。その要因や背景については韓国のメディアで詳しく分析され、期待を裏切ったということで酷評が目立ちます。結果を見れば当然でしょうし擁護もできません。
これに関しまして、簡単に管理人なりの所感を述べさせていただきます。第1回のWBCが開催された11年前の2006年と今では韓国プロ野球の規模が比べ物にならないほど大きくなりました。第2回の2009年のWBCでは準優勝と韓国代表は史上最高の成績を収め、プロ野球人気の上昇に火が付きました。それによって球団数も8から10に増え、2015年から公式戦も144試合に拡大し、年間優勝決定戦であるポストシーズンも長期化しました。野球場の改修や新設も相次ぎ、選手の年俸も上昇しました。その結果、韓国代表に選ばれるような実力のある選手たちはこれまで以上に体力を消耗するようになり、公式戦開幕前の3月の国際大会であるWBCにかけるエネルギーを割けなくなった、モチベーションは高くても肝心な体がついていかない、という状況になったのではないかと推察しています。
WBCに出場している16チームの選手は最も多いメジャーリーグベースボール(MLB)など、春先にシーズン開幕を迎えるプロ野球リーグに所属していることが多く、3月前半にベストの状態へもっていくのが難しいという問題点を抱えています。韓国特有の問題ではないことはわかっています。しかし、急激な成長を遂げた韓国プロ野球において、このWBCなど国際大会についての取り組みを含め、まだまだ選手のみならず野球界自体が変化についていけてないところがあるように思います。毎年運営され最大のエネルギーを注がなければならないプロ野球の公式戦やポストシーズンは何とか終わらせても、イレギュラーな事例でありながら普段よりもプロ野球に世間の耳目が集まりプレッシャーもかかるWBCのような国際大会まで手が回らなくなっているのでしょう。
昔はよかったというつもりはありません。時代は変わりました。ただプロ野球の運営が安定し、若くて才能のある選手たちが活躍できる韓国代表が構成されることを願います。2017年には11月に若手選手中心のアジアプロ野球チャンピオンシップが日本・東京ドームで開催され、韓国代表も出場する予定です。兵役免除がかかる2018年8〜9月のアジア大会(インドネシアで開催)に向けてよい経験になることでしょう。
初めてご覧になった方のために申しますと、当ブログは韓国プロ野球専門です。2017 WBC韓国代表選手は各所属チームへと復帰し、3月10日前後にプロ野球10チームは国外でのキャンプを終えて帰国しています。今後は3月14日から開幕する示範競技を中心にお伝えし、3月31日に開幕する各チーム144試合の公式戦に合わせて、プロ野球10チームの戦力分析なども行いたいと思います。偶然このブログを目にされた方が、お時間のある時に当ブログを見ていただいてご自身の参考になればこれに増す幸いはありません。これからもご贔屓のほどをよろしくお願いいたします。
(文責:ふるりん)