2月でも温暖な気候の日本・沖縄県では各地でプロ野球のキャンプが行われ、2017年はネクセン、キア、SK、ハンファ、ロッテ、サムソンの韓国プロ野球の6チーム(一軍キャンプのみ)が沖縄島に集まっています。
そのうち、沖縄島中部の金武町(きんちょう)ベースボールスタジアムは、2012年の開場時からキアタイガースが春季・秋季キャンプ地として利用しています。
今回のキャンプ見学で初訪問となった金武町ベースボールスタジアムは、東に太平洋を望む小高い丘の上にあります。
2月18日、キアタイガースの一行は10時過ぎには野球場に到着し練習を始めていました。この日は12時半から日本プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスと練習試合が予定されていました。
なお、ヤン・ヒョンジョン、イム・チャンヨン(元東京ヤクルト)、チェ・ヒョンウの3名の主力選手は、近隣の具志川野球場でのWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)韓国代表の練習に参加していたため不在でした。
全体のウォーミングアップが終わり、野手たちはメイングラウンドに残り、投手たちはサブグラウンドに移動して練習を続けました。
曇り空でしたが予定通り12時半に練習試合が開始となり、キアは1回表にソ・ドンウクのタイムリーで1点を先制しました。しかし2016年シーズン途中の7月にSKからトレードで移籍し、2014年以降一軍で未勝利の34歳の先発左腕コ・ヒョジュンが不安定な内容のためか1回裏の1失点で降板しました。
(先制タイムリーを打ったソ・ドンウク。)
(キアの先発コ・ヒョジュン。)
2回裏以降は先発ローテーション入りを狙う23歳の若手キム・ユンドンが4回裏まで1失点と比較的好投しましたが、打線がつながりません。
(23歳の若手右腕キム・ユンドン。)
野手では新外国人選手のロジャー・バーナディーナが内野安打2本と結果を残し、センターの守備も安定していました。
バーナディーナとともに外野を守ると思われるのが、24歳でレギュラー候補のキム・ホリョンです。この試合では6回表にセンター前のタイムリーヒットを1本記録していました。
2012年以来の一軍登板を目指す29歳のサイドハンド右腕ソン・ヨンミンが6回裏に登板しましたが、満塁本塁打を浴びるなど復活からは程遠い印象を受けました。
キアは2−8で敗れました。ナ・ジワン、キム・ジュヒョン、アン・チホンなどの主力打者は無安打に終わりました。
(内野のユーティリティープレイヤーで長打力もあるキム・ジュヒョン。)
試合終了後に円陣を組んでからすぐに選手や監督・コーチ陣は野球場を後にしました。
2017年シーズンのキアは大砲チェ・ヒョンウの補強、FAを行使したエースのヤン・ヒョンジョンの残留などで近年になく期待が高まっています。
あまりいいところなく練習試合で敗れたとはいえ、まだ調整の段階ですので勝敗をとやかく言っても仕方がありません。
3月31日の公式戦開幕に向けてチームを万全の状態に仕上げられるよう、キアを率いて3年目となるキム・ギテ監督のリーダーシップに期待したいですね。
なお、キム・ギテ監督はかつて日本プロ野球・読売でコーチ経験があるため日本語が流暢です。
(キアのキム・ギテ監督。)
(文責:ふるりん)