DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第9回  LGツインズ 

 2015年はシーズン序盤から低迷し、上位争いをすることなくチーム史上初の9位にとどまった。主力野手の高齢化という問題が一気に噴出し、世代交代を進めなくてはならなくなった。


【投手陣】

〈先発〉 
リュ・ジェグク、ウ・ギュミン、ソーサ、イ・ジュンヒョン、△ポン・ジュングン
〈リリーフ〉
イ・ドンヒョン、ユ・ウォンサン、△チン・ヘス、チェ・ドンファン、チョン・チャンホン、イ・スンヒョン、キム・ジヨン、チョン・ヒョヌク、△チェ・ソンフン、イム・ジョンウ

注 : △は左腕
 投手陣の質、量ともに上位チームとの極端な差はなかった。先発の外国人投手のソーサと、サイドハンドのウ・ギュミン、リュ・ジェグクの三本柱で全員2ケタ勝利をあげる力はある。もう一人の外国人投手は3月30日現在未定である。現在はリハビリ中だが、ベテランのポン・ジュングンも先発転向の案がある。
 リリーフの柱は、2015年オフシーズンFAを行使し残留した生え抜きのイ・ドンヒョンとなる。ここ数年抑えとして活躍してきたポン・ジュングンの後継者としてはチェ・ドンファン、チョン・チャンホンなどがあげられる。打線が強力とは言えないだけに、投手陣にかかる負担は決して少なくない。 


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.オ・ジファン(遊) △
2.チョン・ジュヒョン(二) 
3.パク・ヨンテク(左) △ 
4.イ・ビョンギュ(背番号7)(中) △ 
5.ヒメネス(三)   
6.チョン・ソンフン(一)
7.ソ・サンウ(指) 
8.チョン・サンホ(捕)◎ 
9.イム・フン(右) △  

〈控え〉
(捕手) ユ・ガンナム、チェ・ギョンチョル
(内野手) ソン・ジュイン、ヤン・ソックァン、△キム・ヨンウィ、ファンモク・チスン、カン・スンホ
(外野手) △イ・ビョンギュ(背番号9)、ムン・ソンジェ、チェ・ウンソン、イ・ヒョンジョン

注 : ◎は新加入、△は左打者。

 野手は高齢化が進んでいるが、2015年シーズン終盤から世代交代に着手し、ヤン・ソックァン、ソ・サンウなどが一軍に定着した。また経験豊富な捕手としてFAでSKからチョン・サンホを獲得した。若手の起用が望ましいが、しばらくはベテラン勢が主軸を任されることになりそうだ。2015年シーズンは後半一軍で出場しなかったイ・ビョンギュ(背番号7)の復活が待たれる。韓国2年目の外国人野手ヒメネスもさらなる本塁打量産が望まれる。
 残念ながら、リードオフマンのオ・ジファンが海外キャンプでの怪我で公式戦開幕に間に合わなかった点である。22歳のカン・スンホなどの活躍で穴を埋めたいところだ。

  
 就任から2年が過ぎようとしているヤン・サンムン監督は、4位に進出した2014年とは対照的に苦しいシーズンを送った。その経験を糧にチームを立て直し、2年ぶりのポストシーズン進出に導くことが目標となる。2016年シーズンは久しぶりに本拠地・蚕室で開幕を迎えられるため、2015年失敗したスタートダッシュを成功させたいところだ。


本拠地
 ソウル・蚕室野球場

 韓国最大級の野球場は、LGのみならずトゥサンの本拠地でもある。1982年創設のMBC青龍の時期からソウル特別市を本拠地としていることもあり、「ソウルの地元球団」というカラーを前面に押し出してきたのはLGのほうである。トゥサンもそれに対抗するため、球団エンブレムにアルファベットで「SEOUL」という文字を入れてはいる。試合中にもよく「ソウル賛歌」が流されるし、ファンたちも合唱する。毎年5月5日、こどもの日はデーゲームでLG−トゥサンの対戦が組まれ、ソウルの野球ファンを二分するダービーマッチということで大いに盛り上がり、球場全体が赤のLGファンと白のトゥサンファンに分かれ、独特の雰囲気に包まれる。
 人気球団ということもあり、グッズショップは狭いながらも品揃えが豊富で眺めているだけで楽しい。Tシャツなどのデザインも凝っていて、2−3万ウォン程度で購入できる。またユニフォームの名前や背番号のプリントサービスも行っている。









[交通アクセス]
 ソウル地下鉄2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線・9号線で10分前後。金浦空港からは地下鉄9号線・急行で40分程度。


(文責 : ふるりん