2015年は14年ぶりの韓国シリーズ優勝を果たしたトゥサンベアーズ。
2016年シーズン開幕前の海外キャンプはまず1月16日からオーストラリア・ブラックタウン(シドニーの西の郊外)で一次キャンプ、2月18日より日本・宮崎県で二次キャンプを実施しました。一次キャンプは不運にも2017 WBC(ワールドベースボールクラシック)予選のため予定されていたニュージーランド代表との練習試合が中止になりましたが、二次キャンプは「球春みやざきベースボールゲームズ」にも出場し、日本プロ野球の複数のチームと練習試合を行いました。
今回は2月28日、日向市・大王谷運動公園野球場にて「球春みやざきベースボールゲームズ」の一環として行われた、千葉ロッテマリーンズとの練習試合について簡単にお伝えします。宮崎県北部の地方都市・日向市は太平洋に面した温暖な気候で、2007年から2011年までキア、2015年はKTと過去に韓国プロ野球チームの開幕前のキャンプ地として市内のお倉が浜総合公園が利用されていたこともあります。
太平洋に近い小高い丘の上にある大王谷公園には、宮崎市内の宿舎からトゥサンの選手たちが午前中に到着し、グラウンドで試合前のウォーミングアップを始めていました。
13時の試合開始前に、両チームの選手たちがグラウンドから階段を上ったところにある野球場へと向かっていきます。千葉ロッテには2015年WBSCプレミア12韓国代表として活躍したイ・デウン投手がいて、端正なルックスのためわざわざ韓国から訪れていたトゥサンファンたちからも注目を集めていました。
試合は予定通り13時に開始となり、1塁側のトゥサンベンチの上には韓国や日本の各地からトゥサンベアーズを見に来られたファンの方々が100人程度集まっていました。
トゥサンはヤン・ウィジ、オ・ジェウォン、キム・ジェホ、ホ・ギョンミン、ミン・ビョンホン、チョン・スビン、新外国人エバンスなどの主力打者が先発出場していましたが、勝敗に重きを置かない練習試合ということもあり熱心に応援歌などで盛り上げるファンもおらず、間近に選手たちの一挙手一投足に注目していました。
試合は先発ノ・ギョンウン、ユ・ヒィグァンの主力投手が失点し、打線もホン・ソンフンの本塁打以外あまり見せ場がなく、トゥサンは2-5で敗れました。
選手たちがバスに乗り宿舎に引き上げるわずかな時間の間にも、ファンたちからのサインに気軽に応じる選手たちが少なくありませんでした。
地元の野球好きな子どもたちが、この試合で本塁打を打ってかっこいいと思ったのか、それまで名前も知らなかったであろうホン・ソンフン選手にサインを求めていました。子どもらしく日本とか韓国とか先入観なしに選手を見ているんでしょうね。
幸い天気にも恵まれ、九州の小さな野球場に集まった野球ファンたちはプロ野球シーズンの訪れをすぐそこに感じながら、お目当ての選手を見たり、新しいお気に入りの選手を探したり、また仲間たちやめったに会えない知人・友人たちとの歓談を楽しんだりしていました。2017年以降も球春という言葉が似あうこのような場が提供されることを心から願います。
なお、日本、アメリカ合衆国などで50日程度の長期の海外キャンプを終えたトゥサンなど韓国プロ野球の10チームは、3月5日ごろまでにすべて帰国する予定です。8日からはいよいよ国内での示範競技が開幕し、4月1日の2016年シーズン公式戦開幕に向けて最終段階の調整へと入ります。
(文責:ふるりん)