DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  トゥサン、4連勝で韓国シリーズ2連覇達成

2016年 韓国シリーズ 第4戦

トゥサン 8−1 NC  (馬山)
(勝)ユ・ヒィグァン 1勝  (敗)スチュアート 1敗
本塁打) トゥサン : ヤン・ウィジ 1号、オ・ジェウォン 1号  NC : テームズ 1号

 トゥサンが3連勝で優勝まであと1勝とした韓国シリーズ第4戦も、NCの本拠地・馬山は満員の観衆で埋め尽くされた。


 トゥサンは1回表、NCの先発スチュアートから2番オ・ジェウォンのヒット、3番ミン・ビョンホンへの押し出しの死球でチャンスをつくったが無得点に終わった。NCは1回裏、トゥサンの先発ユ・ヒィグァンから1番パク・ミヌのヒットや送りバント、3番ナ・ソンボム、5番パク・ソンミンへの四球で2死満塁としたが無得点に終わった。するとトゥサンは2回表7番ヤン・ウィジの本塁打で1点を先制した。ユ・ヒィグァンは2回裏以降走者を出さず、トゥサンは5回表9番キム・ジェホ、1番パク・コヌのヒットで追加点のチャンスを作ったが生かせなかった。
 トゥサンは6回表、NCの2番手ウォン・ジョンヒョンから4番キム・ジェファン、5番エバンス(元東北楽天)のヒットでチャンスを作ると、ヤン・ウィジ、8番ホ・ギョンミンのタイムリーで3点を追加した。ここでNCは3番手イム・チャンミンを登板させた。NCは6回裏パク・ミヌ、2番モ・チャンミンの連打でチャンスを作ったが、代わったトゥサンの2番手イ・ヒョンスンから得点を奪えなかった。NCは8回表から4番手イ・ミンホを登板させ打線の反撃を待ったが、イ・ヒョンスンを攻略できず、NCは8回裏、トゥサンの3番手イ・ヨンチャンから2番モ・チャンミンが2塁打を打ったが得点できなかった。
 トゥサンは9回表、イ・ミンホからオ・ジェウォンの3ランでリードを広げると、代わったNCの5番手チャン・ヒョンシクからエバンスのタイムリーで8点目を奪った。NCは6番手イム・ジョンホが追加点を与えず、9回裏先頭の4番テームズが韓国シリーズのチーム史上初本塁打を打ち1点を返した。しかしイ・ヨンチャンが後続を断ち、トゥサンが4勝0敗で2015年に続いてチーム史上初の韓国シリーズ2連覇、通算5度目の優勝を達成した。また、公式戦と韓国シリーズの同年優勝は前身のOBベアーズ時代の1995年以来21年ぶりとなった。

 6回途中まで無失点に抑えたユ・ヒィグァンが勝利投手で、打線ではエバンスが3安打1打点と活躍。またこの試合でも3安打1本塁打2打点と活躍したヤン・ウィジは、韓国シリーズMVP(最優秀選手)にも選ばれた。就任2年目のキム・テヒョン監督に率いられ、公式戦で93勝と圧倒的な強さを発揮したトゥサンは、チーム史上初となる4戦全勝で優勝した韓国シリーズでも、ニッパート、ボウデン(元埼玉西武)、チャン・ウォンジュン、ユ・ヒィグァンの強力投手陣が機能し、経験豊富な打者たちも要所で得点し勝利に貢献した。
 対照的にNCは4試合でたった2得点と、一軍参入4年目で初出場の韓国シリーズでは1勝もあげられず、大変苦い経験となってしまった。個人的事情で出場できなかった主力投手イ・ジェハクの不在がチームの他の選手に与えた心理的動揺は測りがたいものがあるが、打線の不振であまりにもあっけない敗戦となってしまった。なお、NCのキム・ギョンムン監督にとって、2011年まで指揮していたトゥサンで自分が育てた選手たちが優勝の美酒に酔いしれている姿を見るのは心中複雑であったであろう。


 トゥサンベアーズの韓国シリーズ2連覇で幕を閉じた2016年プロ野球。王者トゥサンが3連覇に挑戦し、敗れた他チームがトゥサン打倒を目標に巻き返しを図る2017年プロ野球シーズンは、この韓国シリーズ終了後からすでに新たな戦いが始まっている。また、プロ野球開幕前の2017年3月には、韓国代表が世界の強豪と戦い悲願の初優勝を目指す第4回WBC(ワールドベースボールクラシック)が控えている。新しいプロ野球の季節の到来が待ち遠しい。