DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2次ドラフト実施  イ・ジニョンなどが指名

 27日、余剰戦力を対象とした2次ドラフトが実施され、各球団が22日に提出した40名の保護選手(名簿は非公開)以外に他チームから3名ずつ、合計30名の選手が指名された。指名の順序は2015年シーズン最下位だったKTから順位の低い順で、韓国シリーズ優勝のトゥサンが最後だった。


KT : イ・ジニョン(外野手・LG)、キム・ヨンフン(内野手・SK)、イ・サンファ(投手・ロッテ)
LG : キム・テヒョン(投手・ネクセン)、ユン・デヨン(内野手・NC)、ユン・ヨウン(捕手・ロッテ)
ロッテ : パク・ホンド(外野手・ネクセン)、キム・ウン(投手・LG)、ヤン・ヒョンジン(投手・KT)
キア : ペ・ヒムチャン(投手・KT)、ユン・ジョンウ(外野手・LG)、イ・ユンハク(KT・投手)
ハンファ : チャン・ミンソク(外野手・トゥサン)、チャ・イルモク(捕手・キア)、ソン・シニョン(投手・ネクセン)
SK : チェ・ジョンヨン(内野手・サムソン)、キム・ジョンミン(投手・ハンファ)、パク・チョンウク(投手・トゥサン)
ネクセン : キム・ウンビン(内野手・SK)、ヤン・ヒョン(投手・トゥサン)、キム・サンフン(トゥサン・投手)
NC : ユン・スホ(投手・KT)、キム・ソンギュ(投手・LG)、シム・ギュボム(投手・ロッテ)
サムソン : キム・ウンミン(捕手・トゥサン)、ナ・ソンヨン(内野手・LG)、チャン・グァンウン(投手・ハンファ)
トゥサン : パク・チヌ(投手・NC)、イム・ジヌ(投手・サムソン)、チョン・ジェフン(ロッテ・投手)


 2次ドラフトで指名した選手と契約する場合、前所属球団に補償金として1巡目の選手は3億ウォン、2巡目の選手は2億ウォン、3巡目の選手は1億ウォンを払わなくてはならない。軍への入隊、試合に出場できないような負傷、そのほかに特別に認められた理由がない限り、各チームは指名した選手と契約を結ばなくてはならない。この制度は2011年11月に初めて実施され、以後2年に1回となり今回が3度目となった。


 特に指名の順番が最初だったKTが1巡目にイ・ジニョン(35)を指名したのが目を引く。1999年高校卒業後サンバンウルに入団、解散後は2000年SKへ移籍、プロ野球界を代表する外野手に成長した。2008年オフシーズン、FA(フリーエージェント)でLGへ移籍し、主力として活躍していた。プロ17年間で通算1836安打、154本塁打を記録している。また2006年・2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)、2008年北京オリンピックなどの国際大会でも韓国代表として活躍した。2016年シーズンでもまだ一軍参入2年目となる歴史の浅いKTで、豊富な経験を若手に伝えるベテランとして期待が高まる。
 そのほかには38歳のベテランのサイドハンド投手、ソン・シニョンはLGからFAで移籍してきた2012年以来のハンファ復帰となる。同年オフシーズンの新球団対象の特別指名でNCへ移籍し、2013年シーズン途中で古巣ネクセンへトレードされた。また2014年までトゥサンに在籍し主にリリーフとして活躍し、FAでロッテから移籍してきたチャン・ウォンジュンの人的補償で移籍した35歳のチョン・ジェフンも、1年で古巣トゥサンに指名され復帰することになる。また34歳の捕手チャ・イルモクは、2014年オフシーズンFAを行使しキアと再契約したが出場機会が激減し、この2次ドラフトでハンファに指名された。かつてネクセンで主力として活躍していたが、2014年より所属していたトゥサンでは控えにとどまっていた33歳のチャン・ミンソク外野手も、ハンファから指名された。比較的若い選手ではネクセンの外野の控えとして活躍していた28歳のパク・ホンドも、控え選手の層が薄いロッテから指名された。

 
 全体として一軍でまだ出番のない若手選手が多く指名されたが、上述したベテラン選手にも新天地での再生の機会を与えるという点で、この2次ドラフトの果たす役割は決して少なくない。


(11月27日現在の為替レート:1億ウォンが1060万5090円。)
(文責:ふるりん