DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国シリーズ第6戦 サムソンが完封勝ちで韓国シリーズ2連覇

2012年 韓国シリーズ 第6戦

SK 0−7 サムソン  (ソウル・蚕室)
(勝)チャン・ウォンサム 2勝  (敗)マリオ 1勝2敗
本塁打) サムソン : パク・ソンミン 1号
 
 サムソンが勝てば優勝となる韓国シリーズ第6戦は、中立地のソウル・蚕室野球場で26000人の満員の観客を集めた。

 サムソンは1回表、SKの先発マリオから1番ペ・ヨンソプ、2番チョン・ヒョンシクの連打で無死1,3塁のチャンスを作ると、1死後1塁走者が2塁へ盗塁し、4番チェ・ヒョンウの犠牲フライで1点を先制した。サムソンの先発チャン・ウォンサムは無安打のみならず四死球も出さない好投を続け、マリオも2回、3回は抑え打線の反撃を待った。
 サムソンは4回表、1死後5番パク・ハニがヒットで出塁すると、韓国シリーズ不振だった6番パク・ソンミンが2ランを打ちリードを広げた。ここでSKは2番手ソン・ウンボムをマウンドに送ったが、7番チョ・ドンチャン、9番キム・サンスの四球でチャンスを作ると、ペ・ヨンソプのタイムリーで1点を追加した。SKはさらに3番手チェ・ビョンニョンに交代させたが、チョン・ヒョンシクが四球を選び満塁とすると、3番イ・スンヨプ(元オリックス)の走者一掃となる3点タイムリーでリードを7-0に広げた。
 チャン・ウォンサムは4回2死までパーフェクトピッチングを続けていたが、4回裏3番チェ・ジョンが2塁打でようやくSKは初の走者を出した。しかし4番イ・ホジュンが初球を打ち内野ゴロに倒れ得点できず、チャン・ウォンサムは5回以降も走者を出さない完ぺきな投球を続けた。チェ・ビョンニョンも5回以降無失点を続けた。
 サムソンは8回表、2死から8番チン・ガビョンの2塁打で得点のチャンスを作ったが、ここは代わったSKの3番手チェ・ヨンピルが抑えた。SKは8回裏、サムソンの2番手アン・ジマンから相手のエラー、途中出場の8番チョン・サンホのヒットでチャンスを作ったが、ここも得点できなかった。
 サムソンは9回裏、7点差であっても満を持して守護神オ・スンファンを登板させ、見事SK打線を三者凡退に抑え、完封リレーで第6戦で勝利し、4勝2敗で2年連続韓国シリーズ優勝(通算5度目、年間総合優勝は韓国シリーズが行われなかった1985年を含めると6度目)を達成した。サムソンの韓国シリーズ2連覇は、2005,2006年に次いで球団史上2度目。


(胴上げされるリュ・ジュンイル監督。)


(第6戦勝利投手のチャン・ウォンサム。)


(優勝記念のダンスを踊る落合英二コーチ。)

  
 7回まで無失点に抑え韓国シリーズ2勝目をあげたチャン・ウォンサムは、2012年最多勝投手(17勝)にふさわしい最高の投球で、エースの風格を漂わせていた。打線ではペ・ヨンソプが3安打1打点と活躍し、韓国シリーズ6試合で打率.409と絶好調だった。
 なお、韓国シリーズMVP(最優秀選手)には、この第6戦で試合を決定づける3点タイムリーを放つなど、6試合で7打点と活躍したイ・スンヨプが選ばれた。かつて主砲として活躍し、2003年には年間最多記録となる56本塁打を打って、2004年から2011年まで日本プロ野球で活躍した韓国を代表する打者イ・スンヨプは、2012年、9年ぶりに古巣へ復帰した。公式戦では21本塁打、85打点と活躍したイ・スンヨプは、若手選手たちにとってあこがれの存在で、精神的支柱としてチームを支え、韓国シリーズ2連覇に貢献した。


(韓国シリーズMVPを受賞したイ・スンヨプ。)

 
 敗れたSKは、第1,2戦と敵地・大邱で連敗しながら、本拠地の文鶴野球場での第3,4戦と連勝するなど、6年連続韓国シリーズに出場しているチームらしい底力を見せた。しかし第5戦1点差で敗れると、第6戦は地力の差が出て完封負けを喫し、2010年以来2年ぶりの韓国シリーズ優勝はならなかった。

 サムソンは韓国シリーズ優勝チームとして、11月8日より釜山・社稷野球場で開催されるアジアシリーズ2012に出場し、韓国からの出場チームとして初優勝を飾った2011年に続いてこちらも2連覇を狙う。(アジアシリーズ2012には、地元枠として社稷野球場を本拠地とするロッテも出場する)
(文責 : ふるりん