2010年以降3年連続で同じ組み合わせとなった韓国シリーズ。2010年はSKが4勝負けなしで、2011年はサムソンが4勝1敗でそれぞれ制している。
今回は2011年と同様、公式戦優勝で韓国シリーズ進出を決めたサムソンが余裕をもってSKを迎える。公式戦でサムソンは8球団中唯一勝率が6割を超え、2位SKに8.5ゲームもの大差をつけて独走し優勝を決めた。チーム防御率3.39、打率(.272)、得点(628)ともに1位で、投打ともに他球団より優位に立っていた。
投手陣は先発、リリーフともに圧倒的な質量を誇る。初の最多勝のタイトルを取ったチャン・ウォンサム(17勝)、韓国1年目ながら実力を発揮した外国人投手タルボット(15勝)、生え抜きのエースで7年ぶりの2ケタ勝利を記録したペ・ヨンス(12勝)、もう一人の外国人投手ゴードン(11勝)、2009年の最多勝投手ユン・ソンファン(9勝)と先発陣はSKよりもずっと優位に立っている。
そしてリリーフ陣も、右のアン・ジマン(28ホールド)、左のクォン・ヒョク(18ホールド)、チョン・ヒョヌク、19歳の若手シム・チャンミンなど多彩な中継ぎ陣を誇る。そして2年連続最多セーブ(37セーブ)の絶対的守護神オ・スンファンが最後に控えている。チーム最多の64試合に登板したサイドハンドのクォン・オジュンが故障で外れたが、その穴を全く感じさせない。
打線も隙がない。ペ・ヨンソプ(27盗塁)、キム・サンス(25盗塁)、チョン・ヒョンシク(22盗塁)と足を使える選手がそろい、中軸にはパク・ソンミン(24本塁打)、精神的支柱のイ・スンヨプ(21本塁打)、生え抜きのベテラン外野手パク・ハニなどがそろう。公式戦前半は不振だったが、2011年本塁打・打点の二冠王チェ・ヒョンウも勝負どころでは効果的な長打を見せてくれる。その他生え抜きのベテラン正捕手チン・ガビョン、そしてシン・ミョンチョル、カン・ボンギュなどの代打陣も控え、野手の層も厚い。
攻守ともに隙がなく、たとえ打線が大量得点を奪えなくても安定した投手陣でリードを守りきり確実に勝利をものにする大人の軍団、それがサムソンライオンズである。
これに対してSKは、準プレーオフから出場した2011年と違い、今回は第5戦までもつれたとはいえプレーオフからの出場であったため、そこまでチームが疲弊していないと考えられる。そのため、4勝1敗で決着がついた前回よりももつれた戦いになると考えられる。
SKの先発陣は第1戦で先発するユン・ヒィサンをはじめとして、マリオ、ソン・ウンボムなどが今後起用されると思われるが、プレーオフ第5戦で不本意な投球内容に終わったキム・グァンヒョンの起用が難しいところだ。第5戦ロングリリーフで好投したチェ・ビョンニョン、準プレーオフでは出場エントリーから外れていた外国人投手ブッシュの起用が予想される。リリーフ陣はパク・ヒィス、チョン・ウラムの必勝リレーが確立されているが、それ以外の右投手があまり信頼を得られていない。
SKがサムソンに勝っている点として、8球団トップのチーム本塁打数(108)があげられる。だがプレーオフMVPを受賞したチョン・グヌ、公式戦では不振だったがプレーオフでは復調の気配を見せているパク・チェサンの1,2番コンビがカギを握っている。この2人が出塁しかき回せば、チェ・ジョン、イ・ホジュン、パク・チョングォンなどの中軸がランナーをきっちり返してくれるであろう。また下位には強打の捕手チョ・インソンも控えていて、2010年までサムソンにいたショートの名手パク・チンマンも巧みな守備でチームの危機を救ってくれることであろう。
サムソン優位は揺るがないが、SKが6年連続韓国シリーズ出場と豊富な経験で互角の戦いを展開すれば、過去3年間で最も熾烈な頂点をかけた戦いとなるであろう。