DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2019年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2010年プレーオフ : サムソン−トゥサン

 2009年は公式戦5位に終わり13年ぶりにポストシーズン進出を逃したが、2010年シーズンは若手がチームの主軸となり、鉄壁のリリーフ陣で公式戦2位に浮上したサムソンに対し、準プレーオフで連敗スタートながら第3戦以降3連勝でロッテをやぶり4年連続でプレーオフに進出したトゥサンは激闘の疲労が抜けず、サムソン有利との下馬評が高い。両チームのポストシーズンでの対戦は近年だと2005年の韓国シリーズ(サムソンが優勝)、2008年のプレーオフ(トゥサンが4勝2敗で韓国シリーズ進出)などがある。

 
 ソン・ドンヨル監督率いるサムソンは、なんといっても鉄壁のリリーフ陣に象徴される手堅い試合運びが持ち味だ。2010年シーズンは、5回までリードしていた試合でなんと53連勝を記録し、チーム総失点も575(8球団中7位)と少なかった。しかもこれは1人の絶対的なクローザーに頼ったものではなく、かつて守護神として活躍したオ・スンファンを故障で欠く中、60試合以上登板した3人の投手(アン・ジマン、チョン・ヒョヌク、クォン・ヒョク)によるものであった。特にチーム最多登板(67試合)のアン・ジマンは、力のある速球を持ち味に要所で三振を奪い、チームの危機を救ってきた。そのほかにも右のクォン・オジュン、イ・ウソン、左のペク・チョンヒョンなどリリーフ陣の層は厚い。

 先発陣は決して豊富とはいえないが、プレーオフ第1戦の先発を任されるチャ・ウチャン、チーム最多の13勝をあげたチャン・ウォンサムが2枚看板だ。その他の先発候補としては故障から復帰した外国人投手クルセタ、8月に途中入団したレディング、かつての球威はないが経験豊富なペ・ヨンスなどがいる。プレーオフのような短期決戦でも、先発が5,6回まで投げたら早めの継投で協力リリーフ陣が登場する展開が予想される。

 捕手は投手陣の信頼が厚いベテランのチン・ガビョンだけでなく、控え捕手のヒョン・ジェユン、チェ・サンビョンのレベルも高く、ソン・ドンヨル監督の守りの野球を支えている。


 打線はチーム打率4位(.272)、総得点5位(681)、チーム本塁打5位(118)とそこまで強力ではないが、これまでのベテランが多く走れなかったチームと違って、若手主体の攻撃陣となったため盗塁数3位(158)と比較的機動力を生かした攻撃が見られる。30盗塁以上の選手が3人(チョ・ドンチャン、イ・ヨンウク、キム・サンス)いることで相手の隙を確実につく野球ができ、チーム犠打数(151)も2位と手堅い野球がこれまで以上に見られるようになった。

 不動の主軸となる選手は見当たらないが、チーム2冠王(24本塁打、97打点)の左の強打者チェ・ヒョンウが最も警戒すべき打者だ。といっても4番として必ず起用されていたわけでもなく、左のチェ・テイン、右のパク・ソンミンの若手野手たちも主軸に起用されていた。そしてパク・ハニ、シン・ミョンチョル、パク・ハニ、カン・ボンギュなど経験豊富なベテランも多く、非常に野手の層は厚い。

 そしてプレーオフの選手エントリーには登録されていないが、ベンチには2010年シーズン限りで引退する大打者ヤン・ジュンヒョクが精神的支柱として選手たちを見守っている。ヤン・ジュンヒョクへの最後のはなむけとして選手たちが一致団結し、4年ぶりの韓国シリーズ優勝に向けて突き進んでいこうとしている。


 これに対するトゥサンは、準プレーオフ第3戦以降経験不足で浮き足立ってしまったロッテに3連勝した勢いを買うことはできるが、何と言っても準プレーオフ第5戦からプレーオフ開始まで中1日しかないため、激闘で疲れ果てた投手陣の疲労回復が最大の不安材料である。

 特に先発陣の層が厚くはない中、左のリリーフとして公式戦では先発中心の起用だった外国人左腕ウォーランド(元横浜)を起用してきたが、チェ・ヒョンウ、チェ・テイン、イ・ヨンウクなどサムソンの主力の左打者相手に通用するかどうかが、勝敗を大きく左右しそうだ。第1戦ではホン・サンサムが先発を任されるが、第2戦以降はヒメネス、キム・ソヌ、イム・テフンなどが先発として起用されると思われる。また、予定していた守護神イ・ヨンチャンの起用を見送ったことで、リリーフの軸を誰にするかが注目されるが、準プレーオフ第1,2戦と敗戦投手になったが、第4,5戦と調子を戻してきたチョン・ジェフンとなりそうだ。

 打線では先頭打者のイ・ジョンウク、内野のソン・シホン、イ・ウォンソクなどが準プレーオフで好調であり、プレーオフでも期待がかかる。ただ3番をよく任されていた外野のキム・ヒョンスの調子が上がらないため、準プレーオフでも活躍した若手のチョン・スビン、ベテランのイム・ジェチョルなどの外野手の調子が打線の鍵を握りそうだ。また、控え捕手だったヨン・ドカンが準プレーオフMVPを受賞したことで、公式戦では正捕手だったヤン・ウィジの起用はどうするのか、キム・ギョンムン監督の選手起用に注目が集まる。


 以上のことを踏まえると休養十分で公式戦終盤やチーム内の紅白戦でしっかり調整してきたサムソン有利と予想するが、準プレーオフの勢いを一気にもちこめばトゥサンにも勝機はある。だが第4戦以降に決着がもつれ込むと、準プレーオフの激闘の疲労が徐々に出てくるため、サムソンの勝機が増えるであろう。