DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  新メインスポンサー、ネクセンタイヤに決定  「ネクセンヒーローズ」に球団名変更

 1年以上メインスポンサーがないまま球団運営を続け、資金難に陥っていると見られていたヒーローズは9日、ネクセン(NEXEN)タイヤとメインスポンサー契約を結んだと発表した。契約期間は2010年から2年間で、スポンサー料などの金額などは明らかになっていない。これによって球団名も「ネクセンヒーローズ」に変更することになった。新生ネクセンヒーローズのお披露目となる公式記者会見などは、後日行われる予定。

 韓国3大タイヤメーカーのひとつであるネクセンタイヤは、2009年プロ野球ポストシーズンのサブスポンサーとなり、近年高まっているプロ野球人気により予想以上の広告効果があったと見て、今回ヒーローズのメインスポンサーとなることで、近年好調な売り上げをさらに伸ばそうとの意図があると思われる。ネクセンはヒーローズの選手のユニフォーム、ヘルメットなどの広告権を得て、更なるマーケティング拡大に乗り出す。
 2008年、経営難に陥った現代ユニコーンズの解散とともに球団が創設されたヒーローズは、投資会社センテニアルインベストメント(現在はヒーローズプロ野球団に法人名を変更)がメインスポンサーを募集して、命名権料(ネーミングライツ)により運営費用をまかなうという、これまでにない経営方式をとることにしていた。そしてウリタバコ社と3年間総額300億ウォンでメインスポンサー契約を結び、「ウリヒーローズ」として最初のシーズンを迎えた。しかし同年7月、センテニアルインベストメントがKBOへの加入金未納問題を起こし、それと直接関係のないウリタバコ社までが非難を受け名誉毀損の事態になったことを理由にして、メインスポンサーの権利を放棄した。これはスポーツ界にとってマイナスイメージである同社のタバコ製品の広告を控えたことで、広告効果がほとんどなかったこともあると思われる。そのためウリヒーローズは同年8月末から、スポンサー名のない「ヒーローズ」として活動を続け、ユニフォームなどのデザインも変更した。
 2009年は不況下だったこともあり結局メインスポンサーが見つからず、ヒーローズは小口のサブスポンサーだけで細々と運営費をまかなっていた。2008年11月には主力投手のチャン・ウォンサムを、多額の金銭を受け取りサムソンへトレードしようとしたことがあったが、KBO(韓国野球委員会)によって無効とされた。その1年後の2009年12月、ヒーローズはKBOへの加入金120億ウォンを完納したとして、イ・テックン、イ・ヒョンスン、チャン・ウォンサムなどの主力選手をLG、トゥサン、サムソンへトレードし、無名選手たちと現金50億ウォンを受け取っていて、経営が苦しいのは誰の目にも明らかだった。

 しかし2010年、2月になってネクソンタイヤがヒーローズとの交渉に応じ、8日メインスポンサー契約の締結式を行い、急転直下でメインスポンサーになることが決まった。これまで不安定な面ばかり目立ち、プロ野球界の抱える問題点のひとつとなっていたヒーローズの資金難であるが、これでようやくその前途に明るい希望がさしてきたといえよう。現在日本・鹿児島市で春季キャンプ中のキム・シジン監督などヒーローズの首脳陣、選手など関係者も、1年半以上続いてきたメインスポンサー探しに決着が付き、一安心しているようだ。
   
(文責 : ふるりん