DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   プレーオフ第5戦  SK、2連敗後の3連勝で3年連続韓国シリーズ進出

2009年 プレーオフ 第5戦

トゥサン 3−14 SK  (仁川・文鶴)
(勝)イ・スンホ 2勝  (敗)セデーニョ 1敗
本塁打) SK : パク・チェホン 1号、チェ・ジョン 2号、パク・チョングォン 3号、パク・チェサン 1,2号  トゥサン : キム・ヒョンス 1号

 トゥサンが最初の2試合、SKが次の2試合を勝ち2勝2敗のタイで迎えたプレーオフ第5戦は、13日試合が雨天ノーゲームとなったため、14日に順延の形で行われた。SKの本拠地、仁川・文鶴野球場には27800人の大入りの観客が集まった。


 試合はSKの先発がチェ・ビョンニョン、トゥサンがセデーニョで始まった。トゥサンは1回表先頭の1番イ・ジョンウクが四球で出塁したが、後続が凡退し走者を進められずに終わった。するとSKは1回裏1番パク・チェホンが左中間へ先頭打者本塁打を打ち先制すると、2番チョン・グヌも四球を選び、3番イ・ジェウォンのタイムリーで1点を追加し、セデーニョは4番パク・チョングォンを三振に取り交代した。ここで2番手チョン・ジェフンは2塁走者をけん制でアウトにしたが、5番チェ・ジョンに2試合連続本塁打を打たれSKが3-0とリードを広げた。


(1回裏先頭打者本塁打を打ったパク・チェホン。)


 チェ・ビョンニョンは3回表1死で2番手イ・スンホ(背番号20)に交代した。ここでトゥサンはイ・ジョンウク、2番ミン・ビョンホンの連打で1,3塁のチャンスを作り、3番コ・ヨンミンのライトフライは犠牲フライに十分だったが、先制本塁打を打ったライトのパク・チェホンの好返球で3塁走者はホームでアウトとなり、得点できなかった。トゥサンは3回裏からノーゲームとなった第5戦で先発したクム・ミンチョルをマウンドに送ったが、絶好調のパク・チョングォンにソロ、8番パク・チェサンに3ランと2本塁打を打たれ、7-0とさらに点差が開いた。
 SKは5回裏トゥサンの4番手キム・サンヒョンからパク・チェサンの2打席連続本塁打、9番チョン・サンホの2者連続本塁打、途中出場の3番キム・ジェヒョンのタイムリーで10-0と3点を追加した。トゥサンは6回表、SKの3番手ユン・ギルヒョンからキム・ヒョンスの本塁打でようやっと1点を返した。SKは7回裏トゥサンの6番手チ・スンミン、7番手イ・ヨンチャンからパク・チョングォン、途中出場の5番キム・ヨンフン、7番キム・ガンミンのタイムリーで4点を追加した。この回は集中力が切れていたのか、トゥサンには守備の乱れが目立った。
 

(この試合2本目の本塁打を打ったパク・チェサン。)

 トゥサンは8回表SKの5番手チョン・デヒョンからキム・ヒョンス、途中出場の5番イ・ソンヨルのタイムリーで2点を返したが、反撃もここまでで9回表は6番手チョン・ウラムが抑え、SKが14安打、5本塁打(ポストシーズンでは1試合1チームの本塁打数最多新記録)と打線の爆発で大勝し、3年連続の韓国シリーズ出場を決め、3連覇をかけて公式戦優勝のキアと対決することになった。

 3回途中から5回までを無失点に抑えたイ・スンホが、第4戦に続いてプレーオフ2試合連続で勝利投手となった。打線ではパク・チョングォンが3安打1本塁打3打点、パク・チェサンが2本塁打4打点と活躍。特にパク・チョングォンはプレーオフ5試合で打率.476、3本塁打、8打点とチームの勝利に大きく貢献し、プレーオフMVPを受賞した。キム・グァンヒョン、ソン・ウンボム、チョン・ビョンドゥの3人の主力投手を欠き、ちぐはぐな戦いで崖っぷちの2連敗スタートとなったSKは、延長10回にパク・チェサンのタイムリーで勝ち越した第3戦を制すると勢いに乗り、3連勝で韓国シリーズ行きを決めた。追い込まれた場面で集中力を発揮するチーム全体の勝負強さとキム・ソングン監督の采配は、公式戦では惜しくも2位だったが韓国シリーズ2連覇中の王者にふさわしいものだった。


(プレーオフMVPを受賞したパク・チョングォン。)

 なお、2007,08年と2年連続韓国シリーズでSKに途中から4連敗し優勝を逃したトゥサンは、今年こそSKを倒さんと準プレーオフでロッテに第2戦から3連勝して勢いをつけてプレーオフに望み、第1,2戦と連勝し因縁のライバルを追い込んだが、第3,4戦と終盤までもつれ込んだ接戦を続けて落とす詰めの甘さが命取りとなり、3年連続でSKの前に敗れ去り2009年シーズンを終えた。また13日の第5戦で2回表キム・ヒョンスの本塁打で1点を先制したものの、雨天ノーゲームとなってしまう不運な面もあった。また、5番キム・ドンジュがこの試合も4打数ノーヒットで、5試合を通してわずか1安打と、絶好調でMVPを受賞した準プレーオフとは対照的な姿を見せた。キム・ギョンムン監督は主砲の不振を受けてこの試合も打線を組み替えたが機能せず、4番キム・ヒョンスが3安打1本塁打2打点と一人気を吐いたにとどまった。試合後キム・ギョンムン監督は、契約期間の残り2年のうちに必ず優勝すると今後の抱負を述べた。
 
 さて、2009年の年間総合優勝を決める韓国シリーズは、2001年の球団創設後初めて、前身のヘテを含めると12年ぶりの公式戦優勝を遂げたキアと、プレーオフを勝ち抜いたSKとの対決となり、第1戦は16日18時よりキアの本拠地・光州で幕を開ける。