DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   韓国代表、台湾を撃破し2大会ぶり3度目の優勝

広州アジア大会 決勝

韓国 9−3 台湾(広州・広東オリンピックセンター野球場)
(勝)ユン・ソンミン 1勝  (敗)潘威倫 1敗
本塁打) 韓国 : イ・デホ 1号、 カン・ジョンホ 2,3号
 国内外の最強メンバーで臨んだ広州アジア大会韓国代表チームは19日、決勝戦で同じく国内外から集めたプロ選手が主体の台湾と対戦した。グループリーグ緒戦で韓国は13日台湾と対戦し、6−1で勝利していた。韓国代表の先発は、前回と同じくリュ・ヒョンジン(ハンファ)が任された。

 韓国は1回表、台湾の先発潘威倫(兄弟)から1番チョン・グヌ(SK)がヒットで出塁すると、2番イ・ヨンギュ(キア)の送りバントで2塁へ進み、3番チュ・シンス(クリーブランドインディアンズ)のタイムリーで1点を先制した。しかし台湾は1回裏、リュ・ヒョンジンから1番林哲瑄(ボストンレッドソックス傘下AA)の内野ゴロをセカンドのチョン・グヌがファーストへ悪送球し2塁へ進塁されると、3番陳?基(ピッツバーグパイレーツ傘下AA)のタイムリーで1−1の同点に追いついた。だが韓国は2回表6番キム・ヒョンス(トゥサン)が2塁打で出塁すると、1死後8番パク・キョンワン(SK)のタイムリーで1点を勝ち越した。だがリュ・ヒョンジンは調子が上がらず、2回裏も1死2塁のピンチを招いたが、ここは何とか三振でしのいだ。
 さらに韓国は3回表、台湾の2番手陳冠宇(台湾ビール)からチュ・シンスのタイムリー、5番イ・デホ(ロッテ)の2ラン、7番カン・ジョンホ(ネクセン)の本塁打で4点を追加し、6−1とリードを広げた。だが台湾も4回裏、リュ・ヒョンジンから9番胡金龍(ロサンゼルスドジャース)で1点を返し、林哲瑄の内野ゴロを本塁に送球したが間に合わず、もう1点を返され3−6と追い上げられた。リュ・ヒョンジンは4回3失点で降板となり、5回からは2番手ユン・ソンミン(キア)が登板し、好投を続けた。

 韓国は7回表、台湾の3番手陳鴻文(シカゴカブス傘下AAA)からカン・ジョンホのタイムリーで1点を追加し、ユン・ソンミンも7回裏三者連続奪三振を記録するなど、快調さに磨きが掛かった。韓国は9回表、台湾の4番手黄志龍(読売)からカン・ジョンホのレフトポールに直接当たった2ランでダメを押し、最後のマウンドもユン・ソンミンが抑え9−3で勝利し、見事2002年釜山大会以来2大会(8年)ぶり3度目のアジア大会優勝を決めた。


(2本塁打と活躍したカン・ジョンホ。)


(5回からを無失点に抑えたユン・ソンミン。)


 あまり調子がよくなかったリュ・ヒョンジンに代わって、5回から登板し最後まで無失点に抑えたユン・ソンミンは、相手に的を絞らせない素晴らしい投球だった。台湾の打者は比較的大振りで、この試合全部で15個の三振を喫し雑な攻撃が目立った。韓国打線では、3安打2本塁打5打点を記録したサードのカン・ジョンホの活躍が目立った。まだ23歳の若手内野手カン・ジョンホは、初の韓国代表となる大舞台でメジャーリーガーのチュ・シンスと並ぶ3本塁打を記録し、優勝に大きく貢献した。そのほかにはチョン・グヌ、キム・ヒョンスが3安打と活躍した。

 大会前から絶対的な優勝候補だった韓国代表は、チョ・ボムヒョン監督(キア)のもと投打ともにバランスがよく5試合ともに相手を圧倒し、前回の2006年ドーハ大会で台湾、日本に敗れ銅メダルに終わった雪辱を見事に晴らした。2010年シーズンはこのアジア大会に備え、プロ野球の公式戦を3月末から開始し早めに韓国シリーズまで終わらせるようにし、大会前は2週間ほど国内で事前合宿を行い、必勝を期した。そしてこの優勝により、米国・メジャーリーグで活躍するチュ・シンス、チェ・ジョン(SK)、ソン・ウンボム(SK)、キム・ガンミン(SK)、アン・ジマン(サムソン)、チョ・ドンチャン(サムソン)、イム・テフン(トゥサン)、コ・チャンソン(トゥサン)、ヤン・ヒョンジョン(キア)、カン・ジョンホ(ネクセン)、キム・ミョンソン(中央大)と、軍へまだ入隊したことがなかった11名の選手の兵役免除が確定した。

 2008年の北京五輪優勝をはじめに、2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)準優勝、そして2010年広州アジア大会で優勝と、近年の国際大会で強さを発揮している韓国代表。2011年は大きな国際大会が予定されていないが、世代交代が完了し1980年代生まれの選手が大半を占めるようになった野球韓国代表は、今後も野球人気の火付け役として国民の期待を背負い続けることであろう。なお、2014年次回のアジア大会は、韓国・仁川で開催されるが、野球が正式種目として実施されるかどうかはまだ決定されていない。
 
(文責 : ふるりん