DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  元メジャーリーガーのキム・ビョンヒョン、WBC韓国代表から外れる

 元メジャーリーガーで第2回WBC(ワールドベースボールクラシック)の韓国代表2次エントリーに選ばれていたキム・ビョンヒョン投手(30、前ピッツバーグパイレーツ)が、韓国時間17日からの代表チームのハワイキャンプに合流できないとして同代表から外れることとなった。理由は米国・ロサンゼルスでの自主トレーニング中に足首を痛め、韓国へ帰った際ハワイキャンプへ行く荷物をまとめていたら、旅券をなくしてしまったと本人から報告があったからだとされている。ただ、本当にキム・ビョンヒョンが代表のキャンプに参加できるかどうかは、ヤン・サンムン代表投手コーチやトレーナーなどの関係者も把握していなかったなど、不透明な部分が多い。
 キム・ビョンヒョンは1999年アリゾナダイヤモンドバックスで米国・メジャーリーグに初昇格し、サイドスローの独特のフォームからの速球を武器に抑えとして活躍し、2001年にはワールドシリーズにも出場し、02年には36セーブを記録した。だが2003年に先発へ転向すると結果を残せずボストンレッドソックスに移籍し、地元のファンや韓国の記者たちに悪態をつくなど問題を起こした。翌2004年は結果を残せず大半をマイナーリーグで過ごし、05年コロラドロッキーズに移籍した。2006年WBCに韓国代表として出場し、準決勝の日本戦で3番手として登板し、福留孝介(現シカゴカブス)に決勝ホームランを浴びてしまった。
 2007年は開幕当初ロッキーズにいたが、同年中にフロリダマーリンズ、古巣ダイヤモンドバックスへと移籍し、またマーリンズに戻るなど非常にあわただしい1年となった。当然成績も防御率6点台とぱっとせず、2008年はピッツバーグパイレーツと契約したが、春季キャンプに遅れて参加し結果を残せず解雇された。その後キム・ビョンヒョンと契約する球団は米国になく、マイナーリーグですらプレーせず、2008年は完全に浪人状態だった。また韓国での交渉権を持つヒーローズから入団交渉を持ちかけられたこともあったが、ポン・ジュングン(LG)やソ・ジェウン(キア)など韓国でプレーすることになった元メジャーリーガーが増えてきたにもかかわらず、まったく反応を示さなかった。
 表向きはパスポートの紛失ということになっているが、1年間のブランクをどうしても埋めることができず、WBCという大舞台に出られるほど心身の状態が回復しなかったのかもしれない。今後の去就も未定である。キム・ビョンヒョンの離脱により、ハワイキャンプに参加する28名がそのままWBC韓国代表の最終エントリー28名になる可能性が高まった。
(文責 : ふるりん