2008年から韓国プロ野球に参入した新球団ウリヒーローズ。
早速ですが、4月3日に本拠地のソウル・木洞(モクトン)野球場でハンファイーグルス戦を観戦してきました。
試合開始は平日のため18時半で、この日のソウルはまだ寒く、外野にスタンドのない木洞野球場の内野席には冷たい風が時折吹き付けていました。
木洞野球場はソウル西部の高層アパートが建ち並ぶ住宅地にあり、サッカー場やアイスリンクがある木洞総合運動場の施設の一つです。
最寄り駅の地下鉄5号線・梧木橋(オモッキョ)駅からは歩いて10分弱でしたが、駅から木洞野球場への案内標識などがないので、初めて行く方にはやや分かりにくいです。
(球場正面入口のウリヒーローズ選手集合写真。)
(入場券売り場の行列。内野自由席は他の球場と同じ6000ウォン。バックネット裏の特別指定席は12000ウォンとやや高め。)
球場自体は3月まで改装工事が行われ、プロ野球が開催される他の球場と比べて遜色のないものとなっています。
(内野3塁側から見たグラウンド。ぼろぼろの天然芝から真新しい人工芝に張り替えられた。)
(まだ真新しいバックスクリーンとオーロラビジョン。)
ですが、観客のためのサービスはまだまだで、売店は球場内通路に2箇所だけで、カップラーメンやおでんといった程度の商品しか置いていません。
他の球場のようにKFC(ケンタッキーフライドチキン)、マクドナルドやロッテリアのようなファーストフード店がまだなく、ファンのために帽子やレプリカユニフォーム、Tシャツなどを販売するグッズショップも見当たりませんでした。
選手がプレーする環境は整ったようですが、観客への配慮はまだまだで、今後早急な改善を望みます。
(球場内に2箇所しかない売店の1つ。)
試合が始まると、3塁側のホーム応援席(なぜか1塁側ではありません)のステージに応援団長が立ち応援をリードし、イニングの合間にはチアガールが踊って場を盛り上げます。
ちゃんとマスコットや応援歌も用意され、とりあえずはプロ野球チームとしての体裁は整っていました。
この日試合を観戦したファンたちは約2000人。
ウリの大半の選手が所属していた現代ユニコーンズのユニフォームを着たファンもかなり見かけましたが、すでにファンクラブに入会したと思われるファンたちは、この日も球場で配布していたウリの薄手のパーカーのような上着を着ていました。
(固まって応援するウリファンたち。現代ファンか、それとも地元の新しいファン?)
(ブルペンは左右外野のフェンス裏にある。)
2007年までプロ野球に出場していた現代ユニコーンズの末期は、平日だと観客1000人台の試合も珍しくなく、それと比べればまだましかもしれない、という程度だと見ることもできますが、ソウル市内から距離があった首都圏南部の水原(スウォン)と比べ、木洞野球場はソウル市内にあるため、今後の営業努力とビジターチームの成績しだいでは1万人前後の観客が集まる試合も出てくるのではないでしょうか。
さて、試合のほうですが、ウリの先発は北京五輪予選韓国代表にも選ばれたファン・ドゥソン、ハンファの先発の200勝投手ソン・ジヌともにあまり調子がいいとは言えず、2人とも5回2失点で降板しました。
ここまで1日、2日とハンファに連勝していたウリは6回裏に2点を勝ち越すと、その後1点を追加し、リリーフ陣も何とか抑えウリが5−2で勝利し、最初の本拠地3連戦を3連勝と最高の結果で飾ることができました。(その後5日のサムソン戦まで連勝を5と伸ばしました。)
(この試合3安打3打点と大活躍の主砲ブランボーの姿がオーロラビジョンに。)
(試合後のヒーローインタビュー。投手、野手1人ずつMVPが選出される。)
戦力的には解散した現代ユニコーンズの選手をそっくりそのまま受け継いだので、プロ野球チームとして恥ずかしくはない一定の結果を残すことはできるでしょうが、最大の課題はお客さんがやってきたくなるような球場の雰囲気作りでしょう。
4月後半になり暖かくなってどれだけお客さんが来てくれるのか注目されます。
今季またこの球場には足を伸ばし、どのように施設が改善されているのかをチェックしようと思います。
(文責:ふるりん)