DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2006年プロ野球、華やかに開幕  塩谷(元オリックス)、韓国初本塁打  ク・デソン(元オリックス)、韓国復帰後初セーブ

ロッテ 4−2 サムソン  (大邱
(勝)イ・サンモク 1勝  (セーブ)イ・ワンギ 1S  (敗)ペ・ヨンス 1敗
本塁打) サムソン : ヤン・ジュンヒョク 1号
昨季の覇者サムソンの開幕戦は、7年連続で入場券完売の大入り満員となった。開幕セレモニーはシン・サンウKBO(韓国野球委員会)総裁も出席し盛大に行われた。サムソンの開幕投手はエースのペ・ヨンス(昨季11勝11敗2S)、ロッテの開幕投手はエースのソン・ミンハンが盲腸のため入院し開幕1軍を外れたためベテランのイ・サンモク(昨季6勝7敗)だった。ロッテは2回表ペ・ヨンスからカン・ミンホのタイムリーで2点を先制する。サムソンは4回裏、ヤン・ジュンヒョクの本塁打で1点を返す。
 ロッテは6回裏先頭の新外国人ホセがペ・ヨンスから四球で出塁する。ホセはロッテに在籍していた2001年9月のサムソン戦で乱闘の際にペ・ヨンスの顔面を殴り、出場停止処分を受けた。そのため開幕戦でのこの2人の因縁の対決はたいへん注目されていた。ペ・ヨンスはこのあとピンチを広げると2番手アン・ジマンにマウンドを譲った。しかしアン・ジマンは満塁のピンチを招きカン・ミンホに押し出しの死球を与えると、イ・ウォンソクの犠牲フライでもう1点を追加される。
 サムソンは6回裏キム・ハンスの犠牲フライで1点を返し4−2とする。ロッテは7回から2番手以降のイ・ジョンフン、カ・ドゥギョム、イ・ワンギの継投でサムソンの反撃を断ち、5年ぶりに開幕戦で勝利した。ロッテは開幕マスクをかぶった20歳の若手カン・ミンホの3打点が光った。サムソンはわずか4安打に抑えられ、手術を受けた右肩が完治していないとして開幕1軍から外れた主砲シム・ジョンスの穴を感じさせた。


LG 1−3 トゥサン  (ソウル・蚕室)
(勝)リオス 1勝  (セーブ)チョン・ジェフン 1S  (敗)チェ・サンドク 1敗
本塁打) トゥサン : アン・ギョンヒョン 1号
 首都ソウル・蚕室(チャムシル)野球場で行われたソウルダービーマッチの開幕戦は約22000人の大観衆を集め、今年のNFL(米国・アメリカンフットボールリーグ)スーパーボウルで見事MVPに輝いたハインズ・ウォード(母親が韓国系)の始球式など華やかな開幕セレモニーで幕を開けた。トゥサンの開幕投手はキアでも3年連続開幕投手を務めたリオス(昨季15勝12敗)、LGの開幕投手はキアから移籍したチェ・サンドク(昨季1勝5敗2S)だった。トゥサンは1回裏ベテランのアン・ギョンヒョンの2ランで先制する。チェ・サンドクは2回裏先頭打者に2塁打を打たれたところで降板し、2番手キム・ミンギに交代する。
 トゥサンはその後追加点のチャンスを作るが、タイムリーが出ずLGを突き放せない。LGはリオスの前に6回まで無得点に抑えられたが、7回表チョ・インソンのタイムリーでやっと1点を返す。トゥサンはその裏LGの5番手リュ・テッキョンからベテランのチャン・ウォンジンの犠牲フライで1点を追加する。LGは8回表トゥサンの2番手キム・スンフェから同点のチャンスを作るが、代わった3番手キム・サンヒョンがマ・ヘヨンを併殺に打ち取り、ピンチをしのぐ。最後は守護神チョン・ジェフンが同点のピンチを招いたが、相手の牽制死などもありトゥサンが逃げ切り、2年連続でソウルを本拠地とする永遠のライバルLGとの開幕戦に勝利した。LGはトゥサンを上回る7安打を記録しながら、拙攻が続きトゥサンに追いつけなかった。主砲キム・ドンジュを欠いているトゥサンは、要所でアン・ギョンヒョンやチャン・ウォンジンなど生え抜きのベテランの活躍が光った。


現代 0−3 SK  (仁川・文鶴)
(勝)シン・スンヒョン 1勝  (敗)キャラウェイ 1敗
本塁打) SK : 塩谷 1号
 SKの本拠地・仁川(インチョン)の文鶴(ムナク)野球場では開幕セレモニーの一環として、約27000人の大観衆が見守る中で昨季限りで現役を引退した通算249本塁打の強打者キム・ギテの引退セレモニーが行われた。SKの先発は昨季急成長し今季も先発の軸として期待されるシン・スンヒョン(昨季12勝9敗)、現代の先発は昨季チーム最多勝の2年目の外国人キャラウェイ(昨季16勝9敗)だった。現代は序盤何度かシン・スンヒョンからチャンスを作るが、先制点を奪えない。4回表の満塁のチャンスではチェ・ジョングクが併殺に倒れてしまった。キャラウェイは3回までSKを無安打に抑えていたが、SKは4回裏3番サードでスタメン出場した新外国人塩谷(元オリックス)の2ランで待望の先制点を取る。
 シン・スンヒョンは6回を無失点に抑え降板する。SKは8回裏、現代の4番手イ・ドンハクから塩谷の犠牲フライで1点を追加すると、7回以降はユン・ギルヒョン、チョ・ウンチョン、チョン・ウラム、チョン・デヒョンらのリレーで現代に反撃を許さず、開幕戦で完封勝利した。韓国プロ野球史上初の日本人野手(在日韓国人は除く)として注目され、示範競技(オープン戦に相当)で首位打者と好調だった塩谷は、先制2ランを含むチームの全打点をあげる活躍を見せた。現代は生え抜きのベテランのイ・スンヨンが3安打しながら打線がつながらず、完封負けを喫した。
 
キア 1−3 ハンファ  (大田)
(勝)ムン・ドンファン 1勝  (セーブ)ク・デソン 1S  (敗)チョン・ビョンドゥ 1敗
本塁打) ハンファ : デービス 1号
 ハンファの本拠地・大田(テジョン)での開幕戦は、普段よりも多い約10500人の観衆を集めて始まった。ハンファの開幕投手は史上初の通算200勝まであと7つとなった大ベテランのソン・ジヌ(6年連続8度目、昨季11勝7敗)、キアの先発は韓国人エースとして期待されるキム・ジヌ(昨季6勝10敗1S)だった。キアは4回表、ソン・ジヌからイ・ヨンギュのタイムリーで1点を先制する。
 キム・ジヌに6回までチャンスを作りながら無得点に抑えられていたハンファは、7回裏キアの2番手チョン・ビョンドゥから韓国7年目の外国人デービスが3ランを打ち逆転する。7回途中からソン・ジヌのあとを受け登板したハンファの2番手ムン・ドンファンが8回にピンチを迎える。ここでWBC(ワールドベースボールクラシック)で大活躍しハンファへ6年ぶりに復帰したク・デソン(元オリックス)が、万を辞して登板する。しかし代打ソン・サンに2塁打を打たれてしまった。だが外野からの好返球により本塁で走者が刺され、ピンチをしのいだ。
 ク・デソンはキアにその後反撃を許さず、ハンファが4年ぶりの本拠地開幕戦に勝利した。ク・デソンは韓国復帰後初セーブ。キアは指名打者として活躍が期待されるイ・ジェジュが3安打と孤軍奮闘した。

   (文責:ふるりん