DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2024年 シーズン展望 第10回 キウムヒーローズ

若手の育成、そして最下位脱出へ

 2023年は主力の離脱やトレードによる放出などで最下位、初の10位で終わった。またプロ野球界を代表する打者として活躍していたイ・ジョンフがMLBサンフランシスコジャイアンツへポスティングで移籍した。2022年から右のエース格だった先発投手のアン・ウジンも兵役のため軍へ入隊し、捕手のイ・ジヨン、リリーフ右腕のイム・チャンミンがFA(フリーエージェント)となり移籍と戦力の流出が相次いだ。

 目立った補強としては余剰戦力を対象とした2次ドラフトでSSGランダースから36歳の左打者チェ・ジュファンを指名したことがあげられる。就任3年目のホン・ウォンギ監督は薄くなった選手層を補うため、キム・ハソン(サンディエゴパドレス)などをMLBへ送り出しているノウハウにより新人の育成を進め、最下位脱出を図ると思われる。

 
【投手陣】

〈先発〉 
フラード、◎△ヘイスス、キム・ソンギ、キム・ドンヒョク,、チョ・ヨンゴン、ハ・ヨンミン、チャン・ジェヨン

〈リリーフ〉
△キム・ジェウン、イ・ミョンジョン、ムン・ソンヒョン、チュ・スンウ、◎チョン・ジュンピョ、チョ・サンウ、ウォン・ジョンヒョン
注 : ◎は新加入、△は左腕。

 先発投手陣の軸は2023年チーム最多の11勝を記録した韓国2年目の外国人選手フラードとなる。新外国人選手の左腕デヘススは未知数で、実績のある韓国人の先発投手の層が薄い。軍から除隊された25歳のチョ・ヨンゴン、伸び悩みが続く21歳のチャン・ジェヨン、18歳の高卒新人チョン・ジュンピョなどの若手の育成と成長にかけるしかない。

 リリーフ陣では2020年の最多セーブ(33)の個人タイトルを受賞するも兵役のため軍へ入隊し、除隊された29歳のチョ・サンウが抑えを務めると思われる。2022年から2023年にかけての2年間の空白から1日も早く回復したい。2023年にチーム最多の26セーブを記録したイム・チャンミンの空白を埋めることが期待される。

 

【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:キム・ドンホン

一塁:◎△チェ・ジュファン

二塁:△キム・ヘェソン

三塁:△ソン・ソンムン

遊撃:キム・ヒィジプ

外野:△ドーソン、△イム・ビョンウク、△イ・ジュヒョン

指名:イム・ジヨル

〈控え〉
(捕手)  キム・ジェヒョン、キム・シアン
(内野手) △キム・ウンビン、キム・ヒィジプ、シン・ジュヌ、キム・スファン、イ・ウォンソク

(外野手) チュ・ソンウォン、△イ・ヨンギュ、イ・ヒョンジョン、△ピョン・サングォン

注 : ◎は新加入、△は左打者。
 イ・ジョンフがMLBサンフランシスコジャイアンツに移籍し、打線の中心は25歳のキム・ヘェソンとなる。2023年は打率.335で惜しくも首位打者を逃し、二塁の守備も固く攻守の要である。2023年はシーズン途中の7月から契約した外国人選手ドーソンはアベレージヒッターであり、2023年は10本塁打以上の選手がゼロなど深刻な長打力不足である。そこで2023年、SSGで20本塁打を記録したチェ・ジュファンに期待がかかる。

 また若手では2023年シーズン途中の7月にLGツインスから移籍し打率.330 を記録し4月に23歳となるイ・ジュヒョンがいるが、負傷で3月23日のシーズン開幕には間に合わない。そのため34歳のイ・ヒョンジョンなど経験豊富な選手の奮起が望まれる。また2023年に高卒新人だった捕手キム・ドンホンは102試合に出場、一軍に定着した。2024年もこのように新人たちが多くの機会を与えられ、チームの育成とともに最下位脱出を図っていくと思われる。

 

【本拠地】
ソウル・高尺スカイドーム

 ソウル市内南西部の韓国初のドーム型野球場・高尺(コチョク)スカイドームは2015年に完成した韓国唯一のドーム型の野球場である。アマチュア野球の大会や、音楽やアイドルグループの公演など多目的に利用されている。2017 WBCワールドベースボールクラシック)、2019 WBSC プレミア12など野球の国際大会の会場になり、2024年3月20日、韓国では初のMLBレギュラーシーズンの試合:ロサンゼルスドジャース-サンディエゴパドレスの開幕戦が開催され、それを機にグラウンドの人工芝などが改修された。

 内外野は大きく上段と下段に分かれている。球場内通路にも売店はあるが、ボール型のモニュメントがある球場の正面広場の向かい側などに商店街があるため、観戦前後の買い物や食事やには困らない。ソウル市内ということで、蚕室野球場と同じく一塁側のキウム応援席だけでなく三塁側の遠征チームの応援席もにぎわっている。

高尺スカイドーム(2023年)

改修後の高尺スカイドーム(2024年3月)


[交通アクセス]
 首都圏電鉄京仁線・九一(クイル)駅から徒歩5分。


(文責:ふるりん

2024年 シーズン展望 第9回 ハンファイーグルス

リュ・ヒョンジン復帰でさらなる浮上を

 2023年は9位で、ようやく前年までの3年連続最下位から脱出した。オフシーズンは前年同様に積極的な補強を続け、ロッテジャイアンツからFA(フリーエージェント)となっていた33歳のベテラン内野手アン・チホンと契約した。また余剰戦力を対象とした2次ドラフトでSSGランダースから41歳のベテラン外野手キム・ガンミンを指名、同じくSSGから自由契約となった36歳の捕手イ・ジェウォンと契約するなど経験豊富な選手を補強した。

 そして海外キャンプ中の2月22日、ロサンゼルスドジャーストロントブルージェイスで活躍していた37歳の左腕リュ・ヒョンジンが2012年以来となる復帰を果たした。MLB通算78勝の実績だけでなく集客の面でも大きな戦力となる。2023年シーズン途中の5月に就任したチェ・ウォンホ監督は、近年にない上昇気流を生かして2018年以来6年ぶりのポストシーズン進出、そしてリュ・ヒョンジンが新人だった2006年以来の韓国シリーズ出場を狙うと思われる。

 

【投手陣】

〈先発〉 
ペーニャ、△サンチェス、ムン・ドンジュ、◎△リュ・ヒョンジン、キム・ミヌ、チャン・ミンジェ、ナム・ジミン
〈リリーフ〉
イ・テヤン、チャン・シファン、ユン・デギョン、ハン・スンジュ、チュ・ヒョンサン、△キム・ボムス、パク・サンウォン

注 : △は左腕

 古巣への復帰以降話題に事欠かない左腕リュ・ヒョンジンは2022年、2023年とトロントブルージェイスで合計17試合のみの登板で、故障からどれだけ回復できているかが懸念材料である。これまでキャンプや示範競技では順調に登板をこなしている。2023年は杭州アジア競技大会野球に出場し優勝に貢献した20歳の若手ムン・ドンジュが右のエースとなる。韓国3年目のペーニャ、2年目のサンチェスと左右の外国人選手2名を合わせると強力な先発投手陣が構成される。

 リリーフ陣では抑え候補としてパク・サンウォンとチュ・ヒョンサンがあげられる。2023年にプロ野球史上初の個人通算1000試合登板を達成した38歳の左腕チョン・ウラムはコーチ兼任となったため、登板機会が減ると思われる。代わりに3月18日のチームコリアでロサンゼルスドジャース相手に登板した18歳の高卒新人ファン・ジュンソなど若手の起用を増やしたい。


【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:チェ・ジェフン

一塁:◎アン・チホン

二塁:△ムン・ヒョンビン

三塁:ノ・シファン

遊撃:△ハ・ジュソク

外野:◎✕ペルラザ、チェ・ウンソン、イ・ジニョン

DH:△キム・インファン 

〈控え〉
(捕手) パク・サンオン、◎イ・ジェウオン
(内野手) △イ・ドユン、キム・テヨン、△チョン・ウヌォン、チョ・ハンミン、△ファン・ヨンモク

(外野手) △イム・ジョンチャン、◎△キム・ガンミン、△チャン・ジンヒョク、△チェ・インホ、イ・ウォンソク

注 : ◎は新加入、△は左打、✕は両打ち。
 2023年のチェ・ウンソンに続き、2024年シーズンもFAでアン・チホンを補強し内野の層を厚くした。打線の軸は本塁打(31)、打点(101)の二冠王で23歳のノ・シファンで、杭州アジア競技大会野球などの韓国代表でも4番打者となるなどプロ野球界を代表する打者に成長している。その前後を2023年に23本塁打、84打点と期待に応えた34歳のチェ・ウンソン、復活を期すハ・ジュソク、新外国人選手ペルラザなどが打つと思われる。

 また注目の若手としては4月に20歳となるプロ2年目のムン・ヒョンビンがあげられる。2023年はチーム事情で二塁、外野ともに守り137試合に出場した。さらに二塁手としては2023年に不振だった24歳のチョン・ウヌォンが復活を期している。イ・ジェウォンの加入で正捕手チェ・ジェフンのバックアップも十分で、近年になく選手層が厚くなり、2024年シーズンこそは最下位争いから抜け出したい。 


【本拠地】
 大田・ハンファ生命イーグルスパーク

 大田(テジョン)は韓国中西部の地方都市で、ソウルから南部への鉄道・高速道路の分岐点と交通の要衝である。1986年の球団創設以来本拠地としてきたハンバッ総合運動場野球場は、プロ野球開催時に「ハンファ生命イーグルスパーク」の名称で呼ばれる。収容人数は1万人台と、近年のプロ野球本拠地としては比較的小さい規模であるが、通路に売店が充実し快適な観戦環境が提供されている。それでも他球団の本拠地と同じ2万人以上収容の新球場の建設工事が、2025年シーズンからの使用開始を目標に近くの敷地で進められている。

 応援ステージは一塁側にあり、どれだけチームが低迷していても熱心なファンで埋め尽くされている。新球場が予定通り完成すると1999年の韓国jシリーズ優勝など38年間の歴史を見守ってきた野球場の最後のシーズンとなり、さらにリュ・ヒョンジンの復帰もあってチームが好調なら土日、休日を中心に観客席は混雑が予想される。

大田・ハンファ生命イーグルスパーク(2023年)




[交通アクセス]

Korail、大田都市鉄道1号線大田駅からバス(111-1番など)、タクシーで10分程度。
大田都市鉄道1号線・中央路(チュンアンノ)駅から111番バス、タクシーで5分程度。

 

(文責:ふるりん

2024年 シーズン展望 第8回 サムソンライオンズ

3年ぶりのポストシーズン進出へ

 パク・チンマン監督の1年目となった2023年は最下位争いから抜け出せず8位に終わった。オフシーズンは最大の弱点だったリリーフの補強に努めた。KTウィズからキム・ジェユン、キウムヒーローズからイム・チャンミンとFA(フリーエージェント)となっていた抑えとしての実績がある2名の投手、余剰戦力を対象とした2次ドラフトでキウムからヤン・ヒョンなどを指名した。また外国人選手3名はすべて交代とし刷新を図った。2024年シーズンは3年ぶりのポストシーズン進出、そして2014年以来10年ぶり8度目の韓国シリーズ優勝を目指す。


【投手陣】

〈先発〉 
◎コナー、◎レイエス、ウォン・テイン、△ペク・チョンヒョン、△チェ・チェフン、イ・ホソン

〈リリーフ〉
キム・デウ、イ・スンヒョン(背番号20)、◎△チェ・ソンフン、◎キム・ジェユン、◎イム・チャンミン、△イ・スンヒョン(背番号57)、◎ヤン・ヒョン、オ・スンファン
注 : ◎は新加入、△は左腕

 2023年まで4年間先発投手陣の中心だった外国人選手ブキャナン(元東京ヤクルト)が去り、2021年以降の野球韓国代表に選ばれ続け4月に24歳となるウォン・テインにはさらなる成長が求められる。コナー、レイエスの新外国人選手2名は未知数で右腕であり、左腕の先発としては36歳のペク・チョンヒョンに衰えが見られ、全体的に層は厚くない。

 プロ野球史上初めて個人通算400セーブを記録し、2024年で42歳を迎える守護神オ・スンファンは2年契約を結んだ。しかし体力的な不安がありキム・ジェユン、イム・チャンミンなどのリリーフ陣を補強した。2023年はチーム防御率が10位(4.25)だった脆弱な投手陣の向上が浮上のカギを握っている。

 
【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:カン・ミンホ

一塁:マキノン

二塁:キム・ジチャン

三塁:△リュ・ジヒョク

遊撃:イ・ジェヒョン

外野:△ク・ジャウク、△キム・ヒョンジュン、△キム・ソンユン

DH:△オ・ジェイル

〈控え〉
(捕手)キム・ドファン、キム・ジェソン
内野手)△カン・ハヌル、△コン・ミンギュ、△キム・ヨンウン、△キム・ジェサン
(外野手) キム・ホンゴン、キム・ドンヨプ、ユン・ジョンビン
注:◎は新加入、△は左打者。

 打線の中軸はク・ジャウクやカン・ミンホ、さらに新外国人マキノン(元埼玉西武)が担うと思われる。得点力は他チームと比べて高いとは言えないが、23歳のキム・ジチャン、21歳のキム・ヒョンジュンなどの若手がレギュラーに定着しつつあり、成長の余地がある。また21歳で遊撃手を任されていたイ・ジェヒョンが故障のため開幕には間に合わず、20歳のキム・ヨンウンなどのほかの若手が起用されている。また、2023年の杭州アジア競技大会野球韓国代表に選ばれた25歳の外野手キム・ソンユンの躍進が目覚ましい。

 こうした若手の台頭だけでなく、38歳の捕手カン・ミンホは3試合出場すれば、パク・ヨンテクの通算試合出場数(2236)に並ぶなど、ベテランの活躍も重要である。2023年は不調だった37歳の左の長距離打者オ・ジェイルもそれに刺激を受けて復活が期待される。また近年期待を裏切り続けている33歳の右の長距離打者キム・ドンヨプにとって、2024年シーズンは真の正念場となりそうだ。


【本拠地】
大邱サムソンライオンズパーク

 大邱(テグ)は韓国南東部にある人口250万人以上の韓国第4の都市である。中心市街地から小さな峠を越えた東にある大邱サムソンライオンズパークは、2016年に完成した緑に囲まれたボールパークである。周囲には商店や食堂などは少ないが、大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園(テゴンウォン)駅の目の前にあり交通の便はよい。

 客席がサムソンのチームカラーの青に統一された特徴的なデザインの野球場には電光掲示板、観客席ともに最新鋭の設備が導入され、売店なども充実し快適な観戦環境が提供されている。この野球場は西日が差し込まないようにするため、かつての本拠地だった大邱市民運動場野球場と同じく三塁側がホームとなっている。ユニフォームなどその他の応援用品がそろうグッズショップは三塁側外野席の後方にあり、サムソンライオンズの40年あまりの歴史を紹介する野球展示館がある(入場無料)。またファールグラウンドが狭く、他の韓国のプロ野球本拠地球場に見られない八角の形状である。

大邱サムソンライオンズパーク(2023年)


[交通アクセス]
 大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園駅4,5番出入口が球場前の広場にある。高速鉄道KTXが停車する東大邱駅前の複合乗換センターから大邱サムソンライオンズパーク方面への937番バスで15〜20分程度。
 
(文責:ふるりん

2024年 シーズン展望 第7回 ロッテジャイアンツ

キム・テヒョン新監督就任、7年ぶりのポストシーズン進出へ

 2023年は7位と6年連続ポストシーズン進出に失敗、ラリー・サットン監督はシーズン途中の8月に辞任となり、2024年シーズンからトゥサンベアースで3度の韓国シリーズ優勝を経験したキム・テヒョン新監督が就任した。2度目のFA(フリーエージェント)となった内野手アン・チホンはハンファイーグルスへと移籍し、LGツインスからFAとなっていた35歳のベテラン内野手キム・ミンソンとサインアンドトレードの形式で契約した。また余剰戦力を対象とした2次ドラフトではハンファから内野手オ・ソンジンを指名した。

 監督が契約期間を全うすることなく去ることが多いロッテジャイアンツだが、トゥサンで2015年から2022年まで8年間の長期にわたって指揮したキム・テヒョン新監督のもと、2017年以来7年ぶりのポストシーズン進出、1992年以来32年ぶり3度目の韓国シリーズ優勝を目指す。
 

【投手陣】

〈先発〉 
△バーンズ、ウィルカーソン、パク・セウン、ハン・ヒョンヒィ、ナ・ギュナン、イ・インボク、△シム・ジェミン
〈リリーフ〉
ク・スンミン、キム・ドギュ、チェ・ジュニョン、キム・サンス、◎△イム・ジュンソプ、◎チョン・ミル、△キム・ジヌク、キム・ウォンジュン

注 : ◎は新加入、△は左腕

 先発投手陣は2023年にチーム最多の11勝を記録したバーンズとシーズン途中の7月から契約し7勝を記録したウィルカーソン(元阪神)の外国人選手2名、韓国人最多の9勝を記録したパク・セウンが軸となる。4番手以降はFAでキウムヒーローズから移籍するも本領を発揮できなかったハン・ヒョンヒィ、杭州アジア競技大会野球に出場したナ・ギュナンなどで争うと思われる。

 リリーフ陣は頭数こそそろっているが、質は高いとは言えない。抑えは2023年に30セーブを記録したキム・ウォンジュンが任される。強化のためには22歳と比較的若いチェ・ジュニョンの成長が期待される。また18歳の高卒新人チョン・ミルがキャンプ中の練習試合から盛んに起用され、一軍に定着する可能性を感じさせた。


【打撃陣】

<先発予想>

捕手:ユ・ガンナム

一塁:チョン・フン

二塁:△パク・スンウク

三塁:ハン・ドンヒィ

遊撃:△ノ・ジンヒョク

外野:◎✕レイエス、△キム・ミンソク、ユン・ドンヒィ

DH:チョン・ジュヌ

〈控え〉
(捕手) チョン・ボグン、ソン・ソンビン
(内野手) ◎キム・ミンソン、△コ・スンミン、◎△オ・ソンジン、△イ・ハクチュ
(外野手) △ イ・ジョンフン、シン・ユンフ、△チャン・ドゥソン

注 : ◎は新加入、△は左打者、✕は両打ち。
 2022年に引退した4番打者イ・デホ(元福岡ソフトバンク)の後継者となる選手は見つからず、2023年にチーム最多の本塁打(17)、打点(77)を記録した38歳のチョン・ジュヌに頼らざるを得ない。新外国人選手レイエスも未知数である。FAで移籍して2年目となる強打の捕手ユ・ガンナム、遊撃手ノ・ジンヒョクには本領を発揮してもらわなければならない。

 幸い2023年に高卒新人で一軍に定着した19歳のキム・ミンソク杭州アジア競技大会野球に出場し兵役免除となった20歳のユン・ドンヒィなど、若手が台頭してきており明るい材料はある。また近年三塁手として活躍していたハン・ドンヒィがシーズン途中の6月に軍へ入隊する予定で、三塁や二塁などを守れるキム・ミンソンと契約した。

 
【本拠地】
釜山・社稷野球場

 釜山は韓国のみならず、アジア屈指の貿易港である。野球の盛んな都市として知られ、釜山近隣のファンの期待を一身に受ける本拠地・社稷(サジク)野球場は、ロッテジャイアンツが好調だと大観衆で球場が埋まり、特有の熱を帯びた応援のボルテージが期待できる。球場内には売店などが充実し観戦環境は快適ではあるが、1985年の完成から40年近くが過ぎ老朽化が進み、現在の野球場を解体して新築の野球場を建設する計画がある。
 社稷野球場は釜山広域市の北部にあり、国際フェリーターミナルがある釜山港や鉄道の釜山駅付近からは遠く、西面(ソミョン)や釜田(プジョン)の繁華街からは比較的近い。野球場の正面付近は繁華街であり、食事や買い物などには困らない。

社稷野球場(2023年)


[交通アクセス]
 釜山交通公社3号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、社稷(サジク)駅下車で徒歩10分。

(文責 : ふるりん

示範競技(3.19) 結果

 3月19日、2024年示範競技は全日程を終了した。レギュラーシーズンは3月23日に開幕する。ロッテ-KT(水原)は雨天中止。

 

キウム 1-12 LG  (ソウル・蚕室)

(勝)ケリー 1勝  (敗)キム・ソンギ 1敗

 LGは2回裏にキウムの先発キム・ソンギから6番パク・トンウォン、7番ムン・ソンジュ、8番ク・ボンヒョクのタイムリーで3点を先制し、3回裏に5番オ・ジファン、ムン・ソンジュ、ク・ボンヒョクのタイムリー、9番シン・ミンジェの犠牲フライなどで5点を追加した。キウムは5回表にLGの先発ケリーから1番キム・ヘェソンのタイムリーで1点を返し、ここでLGの2番手キム・ユヨンが登板した。LGの3番手チェ・ドンファンは6回表を無失点に抑えた。

 LGは6回裏にキウムの2番手の高卒新人ソン・ヒョンギから途中出場の3番イ・ジェウォンへの押し出しの四球、途中出場の4番ソン・ホヨンのタイムリー、代わったLGの3番手キム・ジェウンから途中出場の6番キム・ソンウの犠牲フライで計4点を追加した。LGの4番手イ・ウチャンは7回表を無失点に抑えた。キウムの4番手キム・ドンヒョクは7回裏に追加点を与えなかった。LGの5番手の新人チャン・ジホンは8回表を無失点に抑えた。キウムの5番手ムン・ソンヒョンは8回裏に追加点を与えなかった。LGの5番手イ・ジョンジュン(NCから移籍)は9回表を無失点に抑え、LGが勝利し3連勝となった。キウムは3連敗。

示範競技:キウム-LG(蚕室野球場)

 

 

NC 7-2 SSG  (仁川)

(勝)カスターノ 1勝  (敗)ダガー 2敗

本塁打) NC : チョン・ジェファン 1号

 NCは1回表にSSGの先発の新外国人ダガーから相手のエラーで1点を先制し、2回表に9番キム・ジュウォンと1番パク・ミヌのタイムリーで2点を追加した。SSGの2番手ソン・ヨンジンは5回表に追加点を与えなかった。NCの先発の新外国人カスタノは5回裏まで無失点に抑えた。SSGの3番手チョ・ビョンヒョンは6回表に追加点を与えなかった。NCの2番手ソン・ミョンギは6回裏を無失点に抑えた。NCは7回表にSSGの4番手チェ・ミンジュンから相手のエラーで1点を追加した。NCの3番手ハン・ジェスンは7回裏を無失点に抑えた。

 SSGの5番手イ・ゴヌクは8回表に追加点を与えなかった。SSGは8回裏にNCの4番手イム・ジョンホから1番の高卒新人パク・チファンのタイムリーで1点を返した。NCの5番手リュ・ジヌクは無失点に抑えた。NCは9回表にSSGの6番手イ・ロウンから途中出場の3番チョン・ジェファンの本塁打で3点を追加した。SSGの7番手パク・ミンホは追加点を与えなかった。SSGは9回裏にNCの6番手イ・ヨンチャンから途中出場の7番チェ・ジフンの犠牲フライで1点を返したが、NCが勝利した。

 

 

トゥサン 7-7 ハンファ  (大田)

本塁打) ハンファ : ハ・ジュソク 2号、ノ・シファン 2号

 ハンファの先発イ・テヤンは1回表を無失点に抑えた。トゥサンは2回表にハンファの2番手キム・ソヒョンから6番カン・スンホの内野ゴロの間に1点を先制し、7番ホ・ギョンミンのタイムリーで1点を追加した。ハンファは2回裏にトゥサンの先発キム・ミンギュから8番ハ・ジュソクの本塁打で3-2と逆転し、3番手キム・ギジュンは3回表を無失点に抑えた。トゥサンの2番手チェ・ジガンは3回裏に追加点を与えなかった。トゥサンは4回表にハンファの4番手ハン・スンジュから6番カン・スンホ、9番パク・チュニョン、途中出場の1番キム・デハン、2番の新外国人ラモスのタイムリーで7-3と逆転した。ハンファは4回裏にトゥサンの3番手キム・ミョンシンから4番ノ・シファンの本塁打で1点を返した。

 ハンファの5番手キム・ボムスは5回表、6番手ハン・スンヒョクは6回表に追加点を与えなかった。トゥサンの4番手パク・チグクは6回裏まで無失点に抑えた。ハンファの7番手イ・ミヌは7回表に追加点を与えなかった。ハンファは7回裏にトゥサンの5番手チェ・ジョンインからチャンスを作ると、代わったトゥサンの6番手パク・チョンスから途中出場の1番チェ・インホのタイムリー、途中出場の2番キム・ガンミン(SSGから移籍)の犠牲フライで7-7の同点に追いついた。ハンファの8番手チュ・ヒョンサンは8回表、トゥサンの7番手イ・ヨンハは8回裏、ハンファの9番手パク・サンウォンは9回表、トゥサンの8番手キム・ホジュンは9回裏を無失点に抑え、試合は規定により引き分けとなった。

 

 

サムソン 3-9 キア  (光州)

(勝)ネイル 1勝1敗  (敗)ペク・チョンヒョン 2敗

本塁打) キア : パク・ミン 1号、ファン・デイン 4号。キム・ソックァン 1号

 サムソンは1回表にキアの先発の新外国人ネイルから相手のエラー、6番イ・ソンギュのタイムリーなどで3点を先制した。キアは1回裏にサムソンの先発ペク・チョンヒョンから2番パク・ミンの本塁打、5番イ・チャンジンのタイムリーで3-3の同点に追いつき、2回裏に4番ファン・デインの2点タイムリーで5-3と逆転した。サムソンの2番手チェ・ハヌルは5回裏まで追加点を与えなかった。キアの2番手ファン・ドンハは6回表から登板した。キアは6回裏にサムソンの3番手イ・ジェイクからチャンスを作ると、代わったサムソンの4番手イ・スンヒョンからファン・デインの3試合連続本塁打で3点を追加した。

 キアの3番手クァク・トギュは7回表途中から登板した。キアは7回裏に6番キム・ソックァンの本塁打で1点を追加した。サムソンの5番手チェ・ソンフン(LGから移籍)は7回裏途中から登板した。キアの4番手チャン・ヒョンシクは8回表を無失点に抑えた。サムソンの6番手チャン・ピルジュンは8回裏に追加点を与えなかった。キアの5番手チョン・サンヒョンは9回表を無失点に抑え、キアが勝利した。キア打線ではファン・デインが3安打1本塁打4打点、1番パク・チョンウが3安打と活躍。

 

【2024年示範競技 最終順位】

         試合  勝  敗  分  勝率

1.トゥサン    9  8  0  1   1.000

2.LG      8  6  2  0  .750

3.ハンファ   10  5  3  2  .625

4.NC     10  6  4  0  .600

5.KT      9  4  4  1  .500

6.キア     10  4  6  0  .400

.サムソン   10  4  6  0  .400

8.ロッテ     8  3  5  0  .375

9.SSG    10  3  7  0  .300

10.キウム     8  1  7  0  .125

 

(文責 : ふるりん

MLBソウルシリーズ2024、ロサンゼルスドジャースはチームコリアに勝利

チームコリア 2-5 ロサンゼルスドジャース (ソウル・高尺)

(勝)ボビー・ミラー  (敗)イ・ウィリ

本塁打) ドジャース : クリス・テイラー

 高尺スカイドームMLBソウルシリーズ2024にて、若手選手中心のチームコリアはMLBロサンゼルスドジャーススペシャルマッチで対戦した。

 

 チームコリアは1回表にドジャースの先発ボビー・ミラーから3番カン・ベッコ(KT)がヒットで出るがチャンスは拡大しなかった。ドジャースは1回裏にチームコリアの先発クァク・ピン(トゥサン)から1番ベッツがヒットで出て二塁へ盗塁、4番ウィル・スミスが四球で出ると、5番マンシーのタイムリーで1点を先制した。チームコリアは2回表に7番チェ・ジフン(SSG)がヒットで出て二塁へ盗塁した際の悪送球で三塁まで進んだが、無得点に終わった。チームコリアは3回表に9番キム・ソンユン(サムソン)と1番キム・ヘェソン(キウム)の連打で無死2,3塁のチャンスを作ると、2番ユン・ドンヒィ(ロッテ)の内野ゴロの間に1-1の同点に追いつき、カン・ベッコの犠牲フライで2-1と逆転した。

 ドジャースは3回裏にチームコリアの2番手イ・ウィリ(キア)からベッツと3番フリーマンが四球を選び、ウィル・スミスの2点タイムリーで3-2と逆転、マンシーのタイムリーで1点を追加した。チームコリアは4回表に6番パク・ソンハン(SSG)が二塁打でチャンスを作るが無得点に終わった。ドジャースは4回裏にチームコリアの3番手オ・ウォンソク(SSG)から8番ラックスがヒットで出るが無得点に終わった。

 チームコリアの4番手の高卒新人キム・テギョン(トゥサン)と5番手の高卒新人ファン・ジュンソ(ハンファ)は6回裏を無失点に抑え、キム・テギョンはテオスカル・エルナンデスとアウトマン、ファン・ジュンソはヘイワードから三振を奪った。パドレスは7回裏にチームコリアの6番手パク・ヨンヒョン(KT)から途中出場の9番クリス・テイラーの本塁打で1点を追加した。パク・ヨンヒョンは代打フェドゥッキアにヒットを打たれ、ここで代わったチームコリアの7番手パク・ミョングン(LG)は追加点を与えなかった。

 チームコリアの8番手チェ・ジミン(キア)と9番手ソン・ドンヒョン(KT)は8回裏を無失点に抑えた。ドジャースの2番手ストーンは9回表途中まで無失点に抑え、代わった3番手ファイヤライゼンも無失点に抑え、ドジャースが勝利した。ドジャースは3月20日、高尺スカイドームでのMLB開幕戦でサンディエゴパドレスと対戦する。サンディエゴパドレス、ロサンゼルスドジャースMLBの2チームと対戦したチームコリアにとっては貴重な経験の場となり、2024年11月開催予定のWBSC プレミア12など今後の国際大会に向けて弾みをつけることができた。

MLBソウルシリーズ2024 チームコリア-ロサンゼルスドジャース(3.18)

 

(文責 : ふるりん

MLBソウルシリーズ2024 サンディエゴパドレスがLGツインスに勝利

サンディエゴパドレス 5-4 LG (ソウル・高尺)

(勝)シーズ  (セーブ)コ・ウソク  (敗)イム・チャンギ

本塁打) パドレス : キム・ハソン 2  LG : オ・ジファン、イ・ジェウォン

 3月18日、高尺スカイドームでのMLBソウルシリーズ2024にてサンディエゴパドレスと2023年韓国シリーズ優勝のLGツインスがスペシャルマッチで対戦した。

 

 パドレスは2回表にLGの先発イム・チャンギュから5番キム・ハソンの本塁打で2点を先制した。LGは2回裏にパドレスの先発シーズから5番オ・ジファンの本塁打で1点を返した。パドレスは6回表にLGの2番手チョン・ウヨンからキム・ハソンのこの試合2本目の本塁打で2点を追加した。この回途中から登板したLGの3番手キム・ジンソンは追加点を与えなかった。LGは6回裏にパドレスの2番手ウォルドロンから1番パク・ヘミンの内野ゴロの間に1点を返した。パドレスは7回表にLGの4番手の新人チョン・ジホンから2番タティースJrのタイムリーで1点を追加した。この回途中から登板したLGの5番手キム・ジンソンは追加点を与えなかった。

 パドレスの3番手モレホンは7回裏まで無失点に抑えた。LGの6番手ユン・ホソルは8回表を無失点に抑えた。パドレスの4番手ランディ・バスケスは8回裏を無失点に抑えた。LGの7番手湯ユ・ヨンチャンは9回表に追加点を与えなかった。LGは9回裏にパドレスの5番手コ・ウソク(LGから移籍)から代打イ・ジェウォンの本塁打で2点を返したが、パドレスが勝利した。パドレスでは2020年まで高尺スカイドームを本拠とするキウムヒーローズに在籍していたキム・ハソンが2本塁打4打点と活躍。パドレスは3月20日、高尺スカイドームでの2024年シーズン開幕戦でロサンゼルスドジャースと対戦する。

 

 

(文責 : ふるりん